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EMFリポート

2017年2月20日

コニカミノルタ 環境部が売り上げに貢献

相馬 隆宏(日経エコロジー)

売り上げやコスト削減をKPI(重要業績評価指標)に設定し、環境活動を推進する。顧客企業や取引先で環境負荷を減らし、信頼関係を強化する戦略でライバルを退ける。

コニカミノルタが2016年12月に開催したESG説明会。50人の機関投資家やアナリストが集まった

 コニカミノルタは2016年12月、国内で50人の機関投資家やアナリストを招き、環境の取り組みや社員の健康への配慮について説明した。最近、大手企業の間で開催が増えているESG(環境・社会・ガバナンス)説明会だ。

 「持続的成長」を標榜する同社は、ESGを重視するような中長期で評価する投資家の声に耳を傾け、環境や社会課題の解決を経営の中枢に据える。海外では早くから、そうした投資家との接点を増やし、対話を重ねてきた。その結果、代表的なESGのインデックス(株価指数)であるダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス(DJSI)の構成銘柄に5年連続で選ばれるなど、社外の評価につながっている。

 野村證券グローバル・リサーチ本部エクイティ・リサーチ部エレクトロニクス・チームの和田木哲哉マネージング・ディレクターは、「コニカミノルタは、ESGの取り組みをお金に換えていくという点でダントツのポジションにいる。社会の批判を受けたくないから環境対策に取り組むのではなく、利益の極大化にしっかりつなげていくという視点を経営者が持っている」と話す。

 コニカミノルタの2016年3月期の連結売上高は1兆円を超え、5年前と比べて約3割増えている。営業利益は同じ期間に約5割増えた。足元の株価は5年前の約2倍だ。

■ コニカミノルタの連結業績

 環境の取り組みは、事業と切り離して捉えられがちで、環境部門が動いても事業部門の協力を得られずに苦労している企業は少なくない。当然ながら事業の成長にはつながらない。だが、コニカミノルタは違う。

 「グローバル社会から支持され、必要とされる会社」──。この経営ビジョンの下、環境や社会課題の解決を価値に変えるという考えを経営トップが明確に打ち出している。

トップダウンで意識を改革

 リーマンショック後の2009年に社長に就いた松﨑正年氏(現取締役会議長)が、持続的成長を重視する経営に舵を切った。2050年を目標とする長期環境ビジョンを掲げたのもこの時だ。製品ライフサイクル全体のCO2排出量を、2050年までに2005年度比80%削減する目標を他社に先駆けて打ち出している。

 環境問題の解決を事業の成長に結び付けるという意識をトップダウンで浸透させてきたコニカミノルタは、2014年度から取り組みをさらに進化させた。端的に言えば、環境の取り組みを売り上げに結び付きやすくする仕組みを入れた。

 新たに取り入れたのがマテリアリティ(重要課題)分析である。2014~16年度の中期環境計画の策定に当たって、「機会」と「リスク」の両面から重要課題を設定した。一般に環境対策はリスク対応として実施するものと認識されているが、コニカミノルタは販売機会を作るためにやるべきことを洗い出した。

 「環境課題を解決する製品・サービス、ビジネスの創出」「顧客の環境課題解決による信頼獲得」「取引先と協働でCSR・環境課題を解決し互いに成長」……。ステークホルダー(利害関係者)と自社の事業の双方にとって重要度が高いものを考えた結果、これら7つの項目が機会として挙がった。リスクには、「化学物質規制の強化」「エネルギー/気候変動問題」「資源の枯渇(石油由来資源)」などの6つの項目が並ぶ。

 目標の設定方法も大きく見直した。「環境価値」と「事業価値」のそれぞれでKPI(重要業績評価指標)を設定し、目標値を決めている。

 例えば、「顧客・社会が求めるグリーンプロダクツの創出と訴求」という重要課題については、事業価値の目標を「グリーンプロダクツの売上高6400億円(全社売上高に対する比率60%)」、環境価値の目標を「CO2削減効果(製品使用)5万9000t」としている。グリーンプロダクツとは、製品使用時のCO2排出削減量や再生部材の使用量などの自社基準を満たした環境配慮製品を指す。

 環境計画の目標に、売り上げやコスト削減などの財務指標を設定する企業は珍しい。コニカミノルタも2013年度までの計画では、CO2削減や資源の有効利用といった非財務指標しか設けていなかった。

 しかし、環境価値だけを見ていると、事業の成長と両立しない場合がある。例えば、製品の売り上げが落ちて生産量が減れば、企業活動から排出するCO2は減る。環境の目標は達成できるかもしれないが、事業が縮小したのでは意味がない。

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