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EMFリポート

2017年5月15日

大日本印刷 新しい価値生みSDGsに貢献

馬場 未希(日経エコロジー)

事業を通じた環境・社会への配慮を実現しようと、CSR・環境部が積極的に動く。事業部との協力を密にして、「SDGs」への貢献も発信していく。

 印刷大手の大日本印刷(DNP)が、環境配慮製品の開発・販売に力を入れている。2016年3月期の連結売上高は1兆4559億円。環境配慮の製品やサービスの売り上げは約4割に当たる5708億円だった。

■ 環境配慮製品・サービスの売り上げが伸びている

環境配慮製品を成長の軸に

 出版や容器・包装、ICカードなどの印刷、産業資材や精密電子部品の製造まで幅広い事業を手がけている。2015年発表の「DNPグループビジョン2015」では「人と社会をつなぎ、新しい価値を提供する」という企業理念の下、4つの成長領域を軸に事業を広げるビジョンを示した。

 4領域とは「知とコミュニケーション」「食とヘルスケア」「住まいとモビリティ」そして「環境とエネルギー」である。環境とエネルギー分野では、経済的な発展と環境保全が両立する持続可能な社会の実現を目指すとの方針を示している。そのために、省エネやCO2削減など環境負荷の低減に貢献する製品・サービスの新開発を進める。目玉の1つが「機能性フィルム」だ。2015年度の環境配慮製品売り上げの31%を占める「生活・産業部門」や17%の「エレクトロニクス部門」の一角を成す。

■ 省エネや車の燃費改善に役立つ機能性フィルム
窓に採光フィルムを張ると屋外から射す太陽の光が天井などに反射、拡散され屋内が明るくなる(上)。車のサンルーフに採用された、機能性フィルムでコーティングした軽量プラスチック窓(左下)。熱を逃しにくい機能性フィルムを生かした多機能断熱ボックス(右下)

 機能性フィルム事業の一押し製品の1つ、2015年に発売した「採光フィルム」は、建物の窓に張ると省エネ効果を発揮する。フィルム内部に光を制御する構造を持たせており、屋外から射す太陽の光を室内の天井などに反射、拡散させる。同社の試験では光の反射により室内の明るさが2倍になり、照明の電力消費量が13%減った。住宅やビル、学校などで採用が進む。2017年度までの累計で30億円の売り上げを目指す。

 機能性フィルムの加工には創業事業である印刷の技術が生きている。印刷では文字や絵柄を彫った版にインキを均一に載せ、紙やフィルムに転写して文字や絵を刷る。版に精緻なパターンを作り込む技術や、インキなどの材料を均一に塗布するコーティング技術が、機能性フィルムの競争力を高める原点である。

 例えば同社は、自動車の車体向けに軽量化と燃費向上に役立つプラスチック製の窓を販売している。ガラス製の窓と比べて約半分の重さに軽量化できるのが売りだ。表面加工したフィルムでプラスチックをコーティングすると、傷が付きにくく、変色や劣化を抑えられ、風雨に耐える耐候性も高まる。2017年度までに累計10億円の売り上げを目指し、車や電車などへの供給を狙う。

 自動車だけではない。特に温度管理の厳しい生鮮品や工業資材の輸送でも評価を得ている。「多機能断熱ボックス」は、熱を逃しづらいフィルムを使った真空断熱パネルを採用している。これを使うと外気温度35℃の時に、保冷材なしで100ℓの水を8時間にわたって10℃以下に保てるという。冷蔵庫を使わず常温の輸送車で生鮮品を運べるため、流通業者はコストを減らせ、省エネにもなる。

 1876年の創業以来、培った印刷や容器・包装製造の技術を生かし、車の低燃費化や電力消費量の削減など、環境とエネルギーの分野で新しい価値を生んでいる。特に自動車は、安全装置や自動運転などの機能向上のため部品点数が増え、重量が増える傾向にある。軽量化を助けるフィルム製品の需要は一層、高まりそうだ。

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