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EMFリポート

2017年6月19日

日本マクドナルドホールディングス 食品ロスの「見える化」徹底

相馬 隆宏(日経エコロジー)

低迷していた日本マクドナルドホールディングスの業績が急回復してきた。新メニューなどで顧客を呼び戻す一方で、食品ロスを削減し、収支管理を徹底する。

 日本マクドナルドホールディングスの業績回復が鮮明になってきた。約2900店舗を直営とFC(フランチャイズチェーン)で展開する同社の既存店売上高は、2015年12月から17カ月連続で前年同月を上回る。2016年12月期決算は経常利益と純利益が3期ぶりに黒字に転換した。

日本マクドナルドは、既存店売上高が17カ月連続で前年比プラスとなり、業績が急回復している。2017年4月に発売した「グラン」シリーズ3種類(写真下)などが好調を支える

 同社は、2014年に中国のサプライヤーが使用期限切れの鶏肉を使用していた疑いが発覚、続く2015年には国内で商品に異物が混入する問題が発生したことから客離れが進み、業績が低迷していた。その後、取り組んだ不採算店の閉鎖や店舗改装、メニュー改革などが奏功し、業績が回復基調に乗ってきた。

■ 日本マクドナルドホールディングスの業績

 マクドナルドの評価を高めているのは業績だけではない。長く取り組んでいる食品ロスの削減がそれだ。2017年3月には、日本有機資源協会が表彰する「第4回食品産業もったいない大賞 農林水産省食料産業局長賞」を受賞した。

業界の常識を覆す

 取り組みの核となるのは、2001年に導入を開始した調理システム「メイド・フォー・ユー(MFY)」だ。出来立てのハンバーガーを素早く提供するシステムだが、食品ロスの削減にも寄与している。

■ 「メイド・フォー・ユー」導入で食品ロスを大幅削減

 スピード重視のファストフード業界ではそれまで、あらかじめ作っておいた商品を提供する「作り置き方式」が常識だった。この方式では、需要予測を外せば売れ残りが発生する。一定時間が経過した商品は廃棄するため、食品ロスの多さを指摘されていた。マクドナルドも10分を超えた商品は廃棄していた。

「メイド・フォー・ユー」が置かれたマクドナルドの厨房。顧客から注文を受けてからハンバーガーを作り、出来立てを提供する。作り置きをしないので、食品ロスが発生しにくい

 これに対してMFYは「オーダーメード方式」のため、店員が食材を落とすといったミスをしない限り、基本的に食品ロスは発生しない。注文を受けてから作り、約50秒で提供できるため、顧客はそれほど待たされる感覚はない。MFYの導入後、完成品の食品廃棄物は半減した。

 調理に時間がかかるアップルパイやサラダは現在も作り置きしている。ただし、これらについては、需要予測の精度向上によってロスの発生を抑えている。例えば、90分経過すると廃棄するルールにしているアップルパイは、30分単位で需要を予測して作り過ぎを防ぐ。需要予測の精度は90%を超えるという。

 MFYを中核とする厨房での食品ロス削減に加えて、接客やメニューの工夫によって削減を徹底している。

 接客では、コーヒーを注文した顧客には、砂糖やミルクが必要かどうかを必ず聞く。従来は、どの顧客に対しても決められた数を提供していたため、使われなかった砂糖やミルクがロスになっていた。フライドポテトなど食べ切れなかった物は、持ち帰れるよう紙袋を提供する。

 事業会社の日本マクドナルドコーポレートリレーション本部CSR部の岩井正人マネージャーは、「食品廃棄物の発生を抑えるとともに、食べられる物を捨てる罪悪感をお客様が抱かなくて済む」と話す。

 メニューには、顧客が食べ残しをしない工夫が隠されている。誰でも自分の好きな食べ物を選べるように、牛、豚、鶏、魚、エビと幅広い食材を使ったメニューをそろえる。フライドポテトやドリンクは、S・M・Lの3種類の大きさを用意しているので、顧客が自分の食べられる量に合わせて注文できる。さらに、顧客の要望に応じてピクルスやマヨネーズなど苦手な物を取り除いている。

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