大嶽 充弘 氏(写真:中島 正之)

 2017年7月、気候変動対策指針を発表した。自社の事業活動で生じるCO2排出量を2050年までに実質ゼロにするというものだ。

 指針の作成は、パリ協定の発効で低炭素から脱炭素に大きく流れが変わったことが大きい。IRミーティングをするなかでESG投資を判断する底流に中長期目標の設定があることも十分理解した。2018年は指針にSBTを導入し、より客観的に外部から理解できるものにしていきたい。

「緩和」と「適応」に注力

 2020年度にサプライチェーン全体のCO2総排出量に対して、5倍の環境負荷削減貢献を目指す環境経営目標がある。

 この目標実現のために2017年は、気候変動の「緩和」と「適応」の両面で力を入れた。「緩和」では高効率なデータセンターなどを造った。「適応」ではカゴメと協業し、農業ICT(情報通信技術)ソリューションを開発するなどの取り組みをした。

 AI(人工知能)とIoT(モノのインターネット)を活用し、最適な栽培方法などを導き出した。2018年も「緩和」と「適応」の両面での取り組みを強めていく。

 2017年7月にGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が3本のESG指数を選定した。当社はすべての指数に構成銘柄として採用されており、ESGの取り組みが客観的な評価を受けたと考えている。

 ただし、現在のESG活動が十分だとは思っていない。EとSとGは個々に頑張っているが、今後はESGを連携させた活動に取り組みたい。

 2014年に6つのメガトレンドを踏まえ、「地球との共生」や「個々人が躍動する豊かで公平な社会」など7つの社会価値創造テーマを掲げた。ここであげたテーマは、2015年に国連で採択されたSDGsととても親和性が高い。社会価値を創造することでSDGsの目標にも貢献していく。

 2018年はNECの強みであるテクノロジーをフルに活用して社会課題の解決に取り組みたい。例えばAIを使って食品廃棄物を削減する取り組みは、我々の事業と社会課題の解決がうまくマッチしている事例だ。こうした事例をもっと増やしていきたい。

 そのためにはESGやSDGsを踏まえて行動に移す必要がある。全社員の意識のステージをもう一段上げなくてはならないだろう。