内田 浩幸 氏(写真:北山 宏一)

 2017年内には、2050年を目標とする環境長期計画を策定する予定だ。日本政府は、温室効果ガスを2030年度に2013年度比26%削減する目標を掲げており、物流業界も対応を求められる。

 当社はこれまで、天然ガス(CNG)車やハイブリッド車といった環境対応車を積極的に導入してきた。約2万4000台の車両を保有しており、CNG車は約3800台、ハイブリッド車は約240台ある。こうしたハード面での対策に加えて、これからは運び方や走り方といったソフト面での対策に力を入れる。

 既にCNG車の配置を見直し始めた。従来は、当社が所有するCNGスタンドの周辺に配置していたのを、走行距離や運行条件に応じて配置するように変更している。これができるのは、トラック1台1台の実走行データを蓄積、分析した結果、CNG車の燃費が最も良くなるパターンが分かったからだ。

 新しい運び方として、「スマート納品」や「コンビニ受取」などに取り組んでいる。環境負荷の削減に加えて、労働負荷の軽減や交通渋滞の解消など複合的な効果がある。例えば、商業施設に搬入する荷物をテナントごとに仕分けて納品するスマート納品は、荷受け担当者の作業時間が減る上、何台ものトラックが施設周辺の道路に並ぶこともなくなる。

 さらに、2016年は鉄道に旅客と一緒に荷物を載せて運ぶ「貨客混載」に着手した。過疎化が進んで利用客が減っている路線の維持に貢献でき、トラックで運ぶ場合に比べてCO2排出量を減らせる。

地域活性化のニーズをすくう

 全国の自治体と「包括連携協定」の締結も進めている。観光振興や農産物の流通・販売、災害支援などで協力し、地域の活性化や市民生活の向上を目指す取り組みだ。当社の輸送インフラを利用することで、環境負荷削減にもつながる。例えば、当社が複数の農家を回って農産物を集荷し、道の駅やスーパーなどに運べば、農家が個別に自家用車で運ばずに済む。農家は農作業に集中できるようになり、輸送距離の短縮によりCO2排出量を減らすこともできる。

 地域活性化のニーズは全国にたくさんある。社会貢献と事業の拡大の両立に結び付けていきたい。