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インタビュー

2017年11月13日

イベコ社長・ピエール・ラウッテ氏「環境でも、経済性でも 次の本命は天然ガス車」

聞き手/田中 太郎(日経エコロジー編集長)

伊イベコのラウッテ社長とNGVイタリーのバローニ会長に、天然ガス車が次の本命であると主張する理由を聞いた。

Pierre Lahutte(ピエール・ラウッテ)
オランダの建機・農機大手CNHの国際部門の事業部長など経て、2012年にイタリアの商用車大手、イベコ(IVECO)に。グローバルバス事業の副社長を担当後、2014年から現職。仏ルーアン・ビジネススクールでマーケティングおよびテクノロジー管理の修士号を取得、米マサチューセッツ大学Isenberg School of ManagementでMBA取得
写真/中島 正之

――フランスや英国が2040年までにディーゼル車、ガソリン車の販売を禁止するとの報道を受けて、日本では電気自動車(EV)の時代がすぐに来るような印象をもたれています。

ピエール・ラウッテ氏(以下、敬称略) ディーゼル、ガソリンの後に電気というのは不可能だと思います。その理由はまず十分な台数を供給できないこと。そして電力が供給できないことです。というのもEVのために火力発電を増やしてしまってはCO2の削減にはなりません。さらに、使用済みバッテリーの処理の問題もあります。材料が複雑なためにまだ良い方法は確立されていないはずです。

世界の普及台数は2400万台

マリアローザ・バローニ氏(以下、敬称略) 現在、世界で2400万台(2016年)の天然ガス車(NGV)が走行しています(下のグラフ参照)。これに対してEVは、統計によって違いがありますが、最大でも200万台ほどです。NGVの方がはるかに普及しています。

■ 世界の天然ガス自動車の増加状況

――少なくとも2026年までは天然ガスが主役であると主張しています。

ラウッテ なぜ今、天然ガスかと言えば、まずPM(粒子状物質)を発生させるなどディーゼルの危険性がより明らかになったからです。欧州では危険物を走らせているという理由で政府関係者が市民に訴えられるケースが出てきています。このため規制によってPMやNOx(窒素酸化物)を減らす方向に動いています。

 一方、産業界では先進企業がブランド価値の向上につながるという理由で、規制がかかっていなくてもCO2の削減を進めています。例えば仏カルフールの場合はスーパーから出る廃棄物を使ってバイオメタンを作り、自社の車両を動かすといった取り組みを実施しています。ディーゼル車よりも騒音が低いため、夜間に商品を店舗に搬入することが多い欧州のスーパーには、とても歓迎されています。

 2点目はNGVの技術が上がっていることです。天然ガス専用の車両が開発され、ディーゼルと同じだけのパワー(トルク)が出せるようになっています。乗り心地もほとんど変わりません。NGVが、経済的に使える車両になってきました。先日、欧州の商用車のショーがあったのですが、8割が天然ガス仕様になっていました。

欧州の都市で導入されている天然ガス連結バス「クレアリス」

 フランスや英国の規制の主眼は、ガソリンやディーゼルを使う内燃機関を廃止することではなく、都市部に乗用車を入れなくして、公共交通だけを使うようにすることです。公共交通、特にバスが担う役割が大きくなるので、当社の天然ガス連結バス「クレアリス」の導入が都市部で進んでいます。誰もが乗りたいと思うようにデザイン性を高めて、車いすでも乗り降りがしやすいようにフルフラットの床にしました(右上の写真参照)。

バロー二 欧州では2030年を目標にディーゼルからの代替を目指しています。欧州連合(EU)の代替燃料車用設備指令(DAFI)で代替燃料として指定されているのは、主に電気、天然ガス、水素の3つです。これらを用途に応じて最適なものを各国で選び、目標を定めることになっています。

 まず、水素を使う燃料電池車(FCV)は、現在の技術ではまだ量産が難しく、2050年以降に普及するのではないでしょうか。代替燃料車を普及させるためには、特に商用車に関しては、経済的に成り立たなければなりません。EVに関しては、バッテリーの価格がまだ高く、補助金を相当使わなければ普及しないでしょう。車両代や燃料代を含めて経済的なのはNGVです。

 ここで重要なのは、エネルギーの生産から使用まで比較すると、NGVはEVに遜色ないことです。EVは使用段階でのCO2排出量は少ないですが、火力で発電すればCO2の排出量は多くなります。私たちの研究では、太陽光発電の電気を利用してEVを動かすのと、有機廃棄物を発酵させてつくったバイオガスでNGVを動かすのでは、CO2削減効果はほぼ同等です。

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