パナソニックと東急電鉄が合弁会社を設立、協働のメリットと今後の課題

この先端技術の事業化にあたり、パナソニック システムソリューションズ ジャパン株式会社と東京急行電鉄株式会社は、2017年4月に合弁会社(「株式会社リンクレイマーケティング」)を設立した。この協働のメリットを、株式会社リンクレイマーケティング 代表取締役社長 今西 雅也氏は、

株式会社リンクレイマーケティング
代表取締役社長
今西 雅也 氏

「パナソニックは東急電鉄や東急グループ施設での活用をきっかけに、エンドユーザーが利用できる場を広げていく。東急電鉄はパナソニックの先端技術によって、東急グループ各社の事業における新たなソリューション開発やサービス向上を実現することができるのです」

と語る。LinkRayに期待される汎用性は先述の通りだが、そのための課題としては、現時点での認知度の低さと、専用アプリのダウンロードが必要なことによる心理的ハードルがある。その解消策として、今西社長は「LinkRayの活用イベントを増やしたり、既存のメジャーアプリと連携するなどして知名度を上げていきたい」とする。

今後はインバウンド向け旅行アプリ、公共交通機関の乗換案内アプリ、ファストフードショップやアパレルショップで割引になるアプリなど多ジャンルでの事業協働・展開を想定しているという今西氏。LinkRayの利用者が増えれば、提供されるコンテンツも質量ともに上がっていくであろう。

インタラクティブな顧客感動体験を創造 ~SHIBUYA109のケース~

LinkRayをインバウンド以外の目的として活用した、もうひとつの事例を紹介したい。

流行に敏感な若者で賑わうファッションビル「SHIBUYA109」。その8階にあるエンタテイメントポップアップストア「DISP!!!(ディスプ)」では、アジアで活躍する人気ガールズグループ「TWICE」の期間限定ストアがオープンしていた。

10代の女性に圧倒的に人気が高く、TWICEらしいカラフルなボードやグッズで彩られた店内では、時折、設置されたディスプレイに向けてスマートフォンをかざす人の姿を見ることができる。直後、手にしたスマートフォンの画面には、「TWICE」がこのポップアップストアのために撮り下ろした限定動画が映し出された。「お越しいただきありがとうございます」と微笑む彼女たちのメッセージ動画を見たファンは、笑みを浮かべた。

これがSHIBUYA109の提供する、新しいカスタマー・エクスペリエンスだ。

店内にあるディスプレイをスマートフォンのカメラで撮影すると、限定動画を見ることができる。

DISP!!!でしか味わえない感動体験

店内のディスプレイをLinkRay専用アプリを使い、スマートフォンのカメラで撮影すると、来店した客が簡単に特典映像などを受信することができる。ポップアップストア第1弾では、アプリ利用回数は1日平均122回、累計4,162回を記録した。

いち早くこの技術を導入した株式会社SHIBUYA109エンタテイメント マーケティング戦略事業部 エンタテイメント・コミュニケーション部 部長の丸山 康太氏は、その狙いをこう語る。

株式会社SHIBUYA109エンタテイメント
マーケティング戦略事業部
エンタテイメント・コミュニケーション部 部長
丸山 康太 氏

「エンタメは感動を提供するもの。ストアに来てグッズを見て終わりではなく、ここでしか見られないアーティストの面に触れられるというレアな体験は、大きな感動を与えることができます。LinkRayは映像の持つ大きな力を引き出してくれるところに魅力がありますね。」

実際にストアへ足を運びLinkRayを通して特典映像を入手できるという、限定的でインタラクティブな体験は、ファンにとって大きな魅力であり、限定映像も好評だという。

今後は音楽に限らず映画やアニメ、イベントなど多ジャンルとのコラボレーションを行ったり、モニターやディスプレイだけでなく、スタッフの衣服にLinkRayを導入するなどして、よりショッピングのエンタテイメント性を高めていけるのではないかと、その可能性に期待しているという。ECとの競合が激化している小売業において、「実際のショッピングでこそ味わえる感動体験」は大きな付加価値となるだろう。

近い将来、街のあちこちでスマホをかざすだけでカスタマイズ化された有用な情報が手に入るようになれば、私たちの消費活動はより便利に、大きな価値体験を実感できるに違いない。





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