一人ひとりに合わせたダイエットや病気予防のための最適なサポートメニューを提供するパーソナルコーチが、じわじわと広がっている。スマートフォン(スマホ)を活用したオンラインコーチングである。今後、その大部分を担うのはAI(人工知能)だ。より低コストで気軽に健康支援を受けられる時代へと突入していく。

スマホと健康アプリによるモバイルヘルスが普及の兆しを見せている。スマートウォッチや活動量計といったウエアラブルデバイスの進化も相まって、歩数やカロリー、睡眠データを手軽に蓄積できる点が特徴だ。

健康管理のツールは飛躍的に便利になったものの、データを記録しただけでユーザーが健康になれるわけではない。重要なのは、それらの記録データを基に「次にどのようなアクションを起こすか」である。

ただ、次のアクションとして適切な運動メニューや食事改善方法を、誰もがすぐに思いつくわけではない。

そこで生まれたのが、オンラインによる健康指導である。2014年に設立された米Vida Healthは早くからこの分野に参入し、肥満や、糖尿病ほか慢性疾患の予防に関するサービスを提供している。運動トレーナーや栄養士、看護師など専任のパーソナルコーチが、テレビ電話やチャットを通じてユーザーと二人三脚で個人に合った指導を行う。

1対1のパーソナルコーチによる指導が特徴のVida Health(出所:米Vida Healthのホームページ)

日本での先駆者はFiNC(フィンク)だ。同社が提供する「FiNC ダイエット家庭教師」(以下、ダイエット家庭教師)も2014年にスタートした健康指導サービスで、その名の通りダイエットに特化して会員数を伸ばしてきた。栄養士やトレーナーといった専門家が対応するスタイルはVida Healthと同様で、30~60日間にわたって指導する。専任コーチの存在がユーザーのモチベーションを高め、期間内に大幅なダイエットに成功する人たちが続出。日本のダイエット市場に、モバイルヘルスコーチングという新風を吹き込んだ。