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乾椎茸、あなたはどちら派?

(2017/03/14)

乾椎茸、あなたはどちら派?

 社会派レシピスト、食の探偵団・団長、のサカイ優佳子です。

 乾椎茸と聞いた時、丸のままの椎茸の形を思い浮かべますか?それともスライスしたものを思い出しますか?

 「丸のままのものを買う人と、スライスしたものを買う人とは被らない」と、乾椎茸を扱う会社の社長Sさんから数年前に伺いました。

 実は先日も、ある講座でスライスの乾椎茸を使ったところ、「こんな乾椎茸もあるんですね」と何人もが感想を口にしたので、棲みわけがあるのだなと改めて思ったものでした。「たぶん、普段いらしているスーパーにも探してみればスライスのものもあると思いますよ」とお答えしました。意識していないものは、目の前にあっても意外に目に入らないもののようです。

♪水に入れて冷蔵庫で一晩おいてみて

ミートローフの中にスライス乾椎茸を戻したものを入れています

 丸のまま派の方も、戻し方で損をしているケースが意外に少なくないようです。素材のポテンシャルを最大限に引き出すには、ふた付きの保存容器に水と乾椎茸を入れ、冷蔵庫で一晩おくこと。もしも今までお湯や砂糖水を使ったり、電子レンジで短時間で戻すのが常だった場合、「同じ乾椎茸とは思えない!」と驚くこと間違いなしです。

 スライス乾椎茸の長所は、手軽に使えること。味噌汁やシチュー、煮込みなどには戻さずにそのまま入れても、煮ている間に柔らかく戻ります。とはいえ、事前に水につけて15〜20分ほど置けばさらに美味しくなりますので、時間がある時は是非その方法をお試しください。スライスしたものは、乾椎茸ならではのふっくらした食感は望めませんし、旨味もやはり丸のままのそれには劣りますが、そこは割り切って使うのもよしと思います。

♪旨味の相乗効果で料理はもっとおいしく

 ところで、乾椎茸にはグアニル酸という物質が多く含まれています。旨味のもとであるグルタミン酸にグアニル酸が加わると、人はグルタミン酸の旨味をより強く感じるのだそうです。以下は上記のSさんに伺ったのですが、スライスの乾椎茸を一枚、ローリエ(ベイリーフ)を使うのと同様に料理に加えれば旨味が増して感じられるとのこと。

 グルタミン酸は昆布に多く含まれることで有名ですが、私たちが口にしている食材の多くに実はグルタミン酸が含まれています。例えばトマトやチーズもグルタミン酸を多く含んでいます。であればミートソースやトマト味のシチューを作る時に、スライス乾椎茸を一枚加えたら、旨味が増して美味しく感じられるかも!

 丸のままの乾椎茸、スライスした乾椎茸。どちらもその特性を理解し、日々の食卓に美味しく活かしていきたいですよね。

お知らせ

サカイさんの著書「毎日食べたい乾物ヨーグルトレシピ決定版」(世界文化社)。

乾物をヨーグルトで戻すという食べ方を提唱したサカイさんならではの、とっておきレシピが多数紹介されています。肉や魚と合わせた主菜やスイーツ、朝食レシピまで、毎日の食卓のヒントがたくさん載っています。

********サカイ優佳子(さかい・ゆかこ)プロフィール 「五感を重視した食育ワークショップ『食の探偵団』を2002年より田平恵美とともに主宰。田んぼを残したいという思いから07年より米粉の利用法の提案を続け、11年からは『乾物は未来食』という思いから伝統的乾物の新しい使い方や、世界各地の乾物の知恵、料理法の研究を開始。DRY AND PEACEプロジェクト推進中。著書に『感じる食育 楽しい食育』『米粉ランチ』等。
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