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ポテトチップス販売販売停止のニュースから見えてくるもの

(2017/04/18)

ポテトチップス販売販売停止のニュースから見えてくるもの

 社会派レシピスト、食の探偵団・団長、のサカイ優佳子です。

 4月上旬、カルビー(株)と(株)湖池屋が、一部のポテトチップス製品の販売停止を決めました。国内のポテトチップスのシェアの約7割をカルビーが、2割強を湖池屋が占めており、二社合わせて9割を超えるとなれば、ポテトチップスファンにとっては、このニュースは驚きを持って迎えられ、実際買占めに走る人も出てきているようです。

♪昨年夏の気候で大きな打撃

 さて、販売停止の理由はといえば、昨年の夏の気候が挙げられます。

 ポテトチップスの原料は、言わずもがな、じゃがいもです。都道府県別で見ると、国内のじゃがいも生産の約8割を占めるのが北海道。2位以下は5%にも及ばず、じゃがいもの産地は圧倒的に北海道なわけです。その北海道では、昨年6月の日照不足でじゃがいもが大きく育たず、また8月にはメディアでも大きく取り上げられた台風の影響で畑が水没するなどの甚大な被害が出て、収穫量、出荷量ともに前年比9%も減ったのだそうです(農水省ホームページより)。

 じゃがいもは一年中いつでも入手できるイメージですが、収穫は年に一回。5月に九州で新ジャガの収穫が始まり、産地はだんだん北上。北海道では品種によって7月から10月くらいまで収穫が続きます。翌年春に九州でじゃがいもの収穫時期を迎えるまでは、前の年に北海道で収穫されたじゃがいもを少しずつ出荷することで食べつないでいるのが実際なのです。

♪「当たり前」の食卓を支えているのは

 古くは1993年、記録的な冷夏で大幅な米不足が生じて、主にタイから米の緊急輸入を行ったものの、大混乱になったことがありました。2003〜2004年にかけては、鶏インフルエンザの大流行によって発生国の鶏肉が輸入停止され、スーパーの店頭で鶏肉が不足する事態が発生しました。2008年には当時のブッシュ米国大統領がバイオエタノールの使用量を6年で倍増する政策を打ち出したことで、その原料となるトウモロコシや大豆の価格が高騰し、日本では豚肉の価格が高騰しました。アメリカ産のトウモロコシをエサとして大量に輸入していたからです。

 普段は当たり前に店に行けば手に入るものと思い込んでいる食料ですが、さまざまな要因によって、いつ手に入らなくなるかわからないのです。慌てず柔軟に今手に入るもので食卓を調える気持ちを持っていたいなと思います。そして、今回のポテトチップスの販売停止を機に、私たちの「当たり前」の食卓は多くの人たちの努力によって支えられていることを改めて考える契機としたいな、とも。

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********サカイ優佳子(さかい・ゆかこ)プロフィール 「五感を重視した食育ワークショップ『食の探偵団』を2002年より田平恵美とともに主宰。田んぼを残したいという思いから07年より米粉の利用法の提案を続け、11年からは『乾物は未来食』という思いから伝統的乾物の新しい使い方や、世界各地の乾物の知恵、料理法の研究を開始。DRY AND PEACEプロジェクト推進中。著書に『感じる食育 楽しい食育』『米粉ランチ』等。
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