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子どもの心と成長にまつわるお悩みに、答えます!

(2016/03/23)

3月18日発行の『ecomom』春号では、「子どもの心と体の成長を見守る」特集を掲載中! 誌面のなかで、家庭での性教育の必要性について識者の方々とともにじっくり考えていますが、すでに多くの方から大反響をいただいています。ここでは読者のみなさんから寄せられた、子どもの心と体の成長にまつわるお悩みや心配事をピックアップ。誌面でもご登場いただいている、子どもたちに正しい性知識を伝える活動を行うNPO法人ピルコンの染矢明日香さんが、ズバリお答えします!(構成・文/いなもあきこ、写真/武藤奈緒美)
Question 1:「7歳の息子が、コンビニで性の本に興味津々の様子。まだ意味もよくわかっていないとは思うのですが、どう対応すればいいでしょう? ここはやっぱりパパの出番?」(長女10歳、長男7歳)

染矢さん:「パパに相談するのも一つの手ですが、残念ながら、性について正しい知識を子どもにきちんと伝えられる男性はまだまだ日本では少数派です。『なんとか言って』という曖昧なママのリクエストにどうしていいかわからなくなったり、『男は興味を持つもの、そういうもの』『そのうち自然にわかる』と開き直ったりして、正直頼りにならないこともあるかもしれません。

 まずはご自分で、『これは大人が読む本で、子どもが見るものではない』とはっきり伝えてみてはいかがでしょうか。

 そのうえで、『大人に近づいていく中で、女性の裸を見たいと思ったり、Hなことに興味を持ったりするのは自然なこと。困ったことがあればママが力になるし、もし同性の方が話しやすければパパに聞いてね』などと伝えると、子どもが安心して性について話せる親子の関係性を築くことにつながると思います」

Question 2:「スマホなどが普及し、授業でiPadを使う小学校もあるようです。性に関する情報にいくらロックをかけても、親が十分に監理しきれない状況に不安を感じます。何か安心できる方法はないでしょうか?」(長男10歳、次男8歳)

染矢さん:「最近は小学校高学年の子でもスマホやSNSを使うことが当たり前になってきています。そうした現状のなかで、たとえば親が子どものスマホやタブレット端末のフィルターをかけたとしても、お友だちや先輩から性情報を見せられるというケースもあり、性情報のインプットを完璧に管理することは難しいと感じます。

 物理的にロックする方法を考えるよりもまず、スマホやネットを使う前に『人の画像や個人情報をアップしない』『人の悪口を書き込まない』など、使い方やルールを前もって伝えておくのと同様に、『ネットでは大人が見るHな画像や情報が出てくることもある』『ネット上の性に関する情報は必ずしも本当のことではない』『困った時はすぐに大人に相談する』ということをしっかりと教えておくほうが近道かもしれません」

Question 3:「テレビのニュースや友人との会話などで言葉を耳にして、純粋に疑問を持ったのだとは思うのですが、『援助交際って何?』『ワイセツって何?』と11歳の長女に無邪気に聞かれて、困り果てました。いざ説明しようと思っても、難しくて……。どう教えればいいでしょうか?」(長女11歳、次女10歳、三女7歳)

染矢さん:「また質問された際には、『その言葉、どこで聞いたの?』と耳にした状況を確認しながら、率直にその言葉の意味やご自身が思うことを伝えればよいと思います。ただし、人前で聞かれた場合は『後で話そうね』とその場で話すことを避けた方がベターでしょう。

 といっても、やっぱりすぐに説明するのはちょっと難しいなと感じたら、時間をおいて伝え方を考えたり情報を集めてみたりしても大丈夫。たとえば援助交際なら、『女の子が大人からお金をもらってHなことをすること。ただ、それはダメなことって法律があるし、私もそんなことをしてほしくないと思っているよ』など、してはいけないことであるという事実と、親としての気持ちを伝えてみては。

 また、言葉の意味を知ること自体は悪いことではありませんが、性に関することはとてもプライベートなものであり、人前で大きな声で話したり、おもしろがって友だちに話したりすることではないという“性について話すマナー”も、ぜひ一緒に伝えていただきたいなと思います」

Question 4::「最近、近所の公園に下半身を露出した男性がいた、とママたちの間で話題になっています。娘がいるので、とても心配。自分の身の守り方を娘にきちんと伝えたいのですが、いつ頃からどのように教えればいいでしょうか?」(長女11歳、次女10歳、三女7歳)

染矢さん:「とくに未就学児や低学年のお子さんの場合、保護者の方が目を離さないことが大切です。そのうえで、まず、プライベートゾーン(水着で隠れる場所)は自分だけの大切な場所だということを伝えてください。このプライベートゾーンは、誰かに見られたり触られたりしてはいけないし、逆に無理やり誰かに見せられたり触らせられてはいけない場所だということを、子ども自身にも意識してもらいましょう。これは幼児期から教えておいて、早すぎるということはありません。

 子どもへの暴力防止プログラムを実施するNPO法人、CAPセンター・ジャパンでは、具体的にロールプレイをしながらNO(『いや』と言う)、GO(逃げる、その場を離れる)、TELL(誰かに話す)という自分の身を守る方法を伝えています。こちらを参考にしながら、たとえば知らない人に『おいで』と声をかけられたり身体を触られたりしたら、どのように対処すべきか、家庭でも子どもと実際の場面を想定してやりとりを予行練習しておくのもよいと思います。また女の子だけではなく、男の子も性犯罪のターゲットになる可能性は十分にあります。男の子をお持ちのママも人ごとだと思わず、ぜひ実践してみてくださいね」

Question 5:「10歳の娘は、今もパパと一緒にお風呂に入っています。私はそろそろやめさせたほうがいいのでは、と思っているのですが、夫は『まだいいだろう』という考え。それで大丈夫でしょうか?」(長女10歳、次女8歳)

染矢さん:「異性の親と子同士が一緒にお風呂に入ることについて、双方に違和感がないのであれば、犯罪というわけではないので、小学校5年生くらいまではよいのでは、と個人的には思います。

 ただ、パパが『まだいいだろう』と思っても、子どもが大人の身体に近づいていく中で『嫌だ』『恥ずかしい』という気持ちが芽生えてきたら、そのタイミングがやめ時です。そして、そのタイミングはまだ訪れていないようだけれど、パートナーであるママが『やっぱりちょっとおかしいな』と思うのであれば、パパときちんと話し合い、お互いが納得できる対応を模索してはいかがでしょうか」

Question 6:「まだ息子は幼いのですが、テレビでセクシャルなシーンが出てきたとしても親として落ち着いて性について話せるよう、今から準備しておきたいのです。具体的に、どう対処すべきかアドバイスをください」(長男3歳)

染矢さん:「そうしたシーンが出てくると、気まずくなって黙り込んだり、親も子もソワソワして落ち着かなくなったりする家庭が多いのではないでしょうか。

 お子さんの年齢にもよると思いますが、12歳までの思春期前や、あまりに刺激が強いと感じるシーンについては、『これは大人が見るもの、まだ早いね』、あるいは『恥ずかしくて、ママ、見られないわ〜』と言って、チャンネルを変えたりテレビを消したりするのがいいかもしれません。

 思春期に入って中高生になり、性について考える年齢になったら、セクシャルなシーンが出てもあたふたせずに、展開に応じてご自身の感想を言ってみてはいかがでしょうか? たとえば、ロマンチックなラブシーンやハッピーなシーンでは『お互い一緒になってよかったね』『素敵ね〜』、突然の展開には『ちょっと展開が早過ぎない?』、暴力的で女性を従わせようとするようなシーンは『こんなことするなんてひどい!』などと率直な感想を口にしてみる。すると、子どもは『大人(うちの親)ってこう思うんだ〜』と受け止め、性についてのよい学習の機会になるのではないかなと思います」

Question 7:「うちの娘が近所の中学生や高校生から、性の話を聞いて来た様子。ちらっと確認すると、知識が歪んでいて、マイナスなイメージを持っているように感じました。でも親としては、できれば性をポジティブに捉えてほしいなと思っています」(長女9歳)

染矢さん:「今、ママがお考えになっている、“性のポジティブなイメージ”とはどのようなものでしょうか? また、お子さんから聞いたお話は、どのように歪んでいて、ご自身としてはどう感じられたのでしょうか? そうしたことを、娘さんと一緒にじっくりと話し合ってみることをおすすめします。

 その際、たとえば、パートナーの方と一緒に連れ添って自分が幸せであることや、お子さんを授かった時に嬉しかったこと、パートナーの方とのコミュニケーションで大切にしていること(お互いを尊重したり、思いやったりすることなど)をお話しされてみるといいのではないかと思います。

 ただ気をつけたいのは、一方的な価値観の押し付けになってしまわないこと。性はとてもプライベートなことですし、捉え方は人それぞれです。親子であっても考え方が違って当たり前。お子さん自身がどう思うか、どう感じるか、という点もぜひ大切にしてほしいと思います」

Question 8:「性感染症の子どもが増えていると聞きました。今の中高生の性の現状って、どんな感じなのでしょうか? 我が家には今年中学校に上がる娘がいますが、そうした状況に対して、どう予防すればいいでしょうか?」(長女12歳、次女10歳)

染矢さん:「中高生の性の現状について、地域や学校、友達グループによっても差があることが多いように感じますが、2000年代前半に行われた厚生労働省の大規模調査では、性経験のある高校生のうち、女子の13.1%、男子の6.7%が性器クラミジアに感染しているという結果が出たものもあります。(資料:高校生のクラミジア感染症の蔓延状況と予防対策)最近は若い女性に梅毒感染が急増していることも問題視されています。

 性感染症は性経験があれば誰もがかかる病気ですし、性経験がなかったとしても膀胱炎や細菌性膣炎などの性器やおりもの等のトラブルから起こることもあります。ただ、性感染症の中には自覚症状が乏しいものもあり、感染に気付かず症状の深刻化や将来の不妊、母子感染につながってしまうこともあります。

 家庭では、女の子の場合は性器や月経で関することで困ったら産婦人科・婦人科を、男の子の場合は泌尿器科や皮膚科を、躊躇せずに受診することを伝えてください。また男女交際していても性関係を持つことを焦らない、将来妊娠を希望しない性行為をする際は必ずコンドームを使うこと、保健所や医療機関で性感染症感染の検査が可能なことなどを、予防策として伝えてみてはいかがでしょうか」

Question 9:「中学2年生の息子がいます。性感染症予防や避妊の意味で、コンドームを持たせるべきでしょうか? その際、どう伝えると受け入れてもらいやすいでしょうか?」(長男14歳)

染矢さん:「親がコンドームを渡すことによって、『コンドームさえ付ければセックスしてOK』と子どもに受け取られるのは避けたいところです。

 コンドームを手渡すとき、たとえ中学生であっても性行為があれば性感染症や妊娠のリスクがあること、お付き合いをする時は相手を傷つけてほしくないこと、将来性行為をする時は避妊についてもきちんと話し合える関係性を2人できちんと築くことが大切であることも、一緒にお子さんにお話できるといいですね。コンドームを正しく着けることができずに失敗するケースも多いので、『今はまだ早いかもしれないけど、将来この人とならいいなと思った時の練習用に使いなさい』などと声をかけるのもいいのではないでしょうか。

 なかなかきちんと親子で話す時間がとれないようであれば、手紙や性教育の書籍と一緒に、部屋に置いておくのもいいと思います」

Question 10:「中学3年生の娘が、友だちの家に泊まりにいくと言っています。でも最近好きな人ができたようで、一緒に泊まる相手が実は男の子なのではないかと心配でなりません。今の中高生の男女交際の実態を知りたいです。また実際に男女で宿泊すると判明したら、親としてどう対応するべきでしょうか?」(長女15歳、長男10歳)

染矢さん:「子どもが外泊したいという時は、保護者として一緒に泊まる友だちが誰で、家はどこにあるのかを確認し、事前に先方の保護者の方にもひと言ご挨拶をするのがよいと思います。それでも友だちのおうちの方にも口裏を合わせてもらうという子もいるようで、親がどれだけ子どもの行動の制限や監視をしても、子どもが大きくなるほどすべてを管理・把握することは不可能かもしれません。

 “今の中高生の男女交際”と一括りにするのは難しいですが、俗にいう、見た目が派手な子に限らず、お付き合いがあれば性関係を意識する子も多いように思います。

 もし男女での宿泊や性的な関係を持っていることが判明した場合は、感情的に怒っても親子の溝が深まるばかりです。親としてお付き合いは認めても、性的関係までは認めたくないことや、心配している気持ちを率直に2人に伝えてはどうでしょうか。お互いを大切にするのであれば、今の段階での性行為が2人にとってベストな選択なのか、また、性行為をするのであれば避妊や病気についての対策がきちんととれるのか。そうした親の思いを、子どもたちと一緒に話しあえるとよいのではないかと思います」

染矢明日香さん
NPO法人ピルコン理事長。大学在学中に予期せず妊娠・中絶をした経験から、「子どもたちに正しい性知識を伝え、自分らしく豊かな人生を送ってほしい」という思いでピルコンを設立。全国各地で講座や公演、啓発イベントを行う。著書は『マンガでわかる オトコの子の「性」 思春期男子へ13のレッスン』(合同出版)

(2016年3月23日)
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