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パパの願いから生まれた「ギルトフリースナック」の定額購入サービス

(2017/03/29)

人工着色料、香料、保存料、化学調味料、HFCS(ブドウ糖果糖液糖)、精製した白砂糖、マーガリン、ショートニング不使用のお菓子が送料込1650円で届きます。写真は1回分の内訳の一例

お菓子、特に大量生産される商品の食品表示を見ると「健康的にはどうかな……」と気になる成分もあります。そんな中、おいしいうえに“気になる成分”を使わない、だから食べても罪悪感(guiltギルト)のない「ギルトフリー」のお菓子が定額で届くサービスが顧客を増やしています。スマートフォンから注文し、コミュニケーションはLINEで。若者が作ったサービスかと思いきや、子の健康を思うパパの願いが生んだものでした。snaq.me(スナックミー)CEOの服部慎太郎さんに、サービスを始めた理由と、食への想いを聞きました。(写真・文=阿部祐子)

間食の罪悪感をなくしたい、子どもに安心な間食を与えたい

 忙しい毎日、お菓子を買うのが楽しみという人もいるでしょう。お菓子は子どもにも大人気。一緒に買い物に行くと、お菓子(おまけが目的のことも)をせがまれることも多いのでは。

 お菓子は食欲をそそりますが、カロリーの高さや白砂糖を多く含むため、食べてから、あるいは買い与えてから、ちょっと後悔した経験を持つ人も少なくないようです。

 総務省統計局の家計調査によると、「一世帯あたりの間食への支出は月に5800円にもなります。罪悪感(guiltギルト)を感じることなく、間食を楽しむ、もっとポジティブな習慣にできるのではないか。そうした問題意識からsnaq.me(スナックミー)は生まれました」とスナックミーCEOの服部慎太郎さん。

 snaq.meは2016年3月にスタートした、「ギルトフリースナックの定期購入サービス」です。

 注文にはスマートフォンを使います。まずユーザーはスマホでアンケートに回答し、自分の好みをリクエストします。スナックミーは今、話題の、小麦粉を使わない「グルテンフリー」などにも対応しています。

まるでノートパソコンのような「BOX」のサイズに注目。一般的な家庭のポストに入る大きさにし、社会的な課題になっている再配達が起こらないよう工夫しています

 注文をすると、月に1度もしくは隔週で、自宅ポストに150種類から選ばれたギルトフリースナック6種(2000円相当)の「BOX」が送料込1650円で届きます。

 味やサービスについてもスマホで感想を伝え、食べられないものがあった場合は次回の配送のとき、無料で1品追加してもらえます。「気に入ったから、このお菓子は毎回入れてほしい」といったリクエストも、欠品でない限りOKです。

子育てを経験し、「安心して与えられる食べ物」に敏感になった

スナックミーCEO服部 慎太郎さん
慶応義塾大学卒業、同大学院修了。2008年ボストンコンサルティンググループ入社後、戦略コンサルタントとして活躍。2013年ディー・エヌ・エー入社後、ベンチャー企業投資に携わる。2015年スナックミー設立

 服部さんはもともと、企業の経営戦略コンサルタントや、ベンチャー企業の経営支援の仕事をしていました。2015年にスナックミーを設立した背景には、現在3歳になる娘の紗羅(さら)ちゃんの存在が大きいと語ります。

 「食事であれば、ある程度は家庭で選ぶことができます。しかし間食は市販品を買うことが多く、娘に間食させるときも『これ、与えてもいいのかな』と迷うことがありました。いい間食を揃えれば『おいしいけれど、体にはどうなんだろう』から、『おいしいし、体にも悪くない』へと間食に対する認識を変えることができると、と思ったんです」

 都市部では、自然食のスーパーマーケットなどもありますが、その中から、“体に悪くない間食”を自分で探す手間は大変です。

 「だからこそ、お客様のこだわりや味の好みに合わせてセレクトすることが大切。さらに、こだわりのスナックは値段が高いことが多いので、お店で買うのに比べて安価で届いたらうれしいはず」(服部さん)。そんなところから、事業の内容が固まっていきました。

ユーザーからの声を、そのまま作り手に届ける

 snaq.meのウェブサイトにはこんな宣言があります。「スナックミーは下記の成分を使いません ・人工着色料、香料、保存料・化学調味料・HFCS(ブドウ糖果糖液糖)・精製した白砂糖・マーガリン、ショートニング」

 いずれもスナック菓子など、お菓子のパッケージの原材料欄でよく見かける名前です。1項目でもあてはまればsnaq.meのラインナップには入れられないため、大手のメーカーの製品がほとんど取り扱えない状況です。

農家さんの手作りの、干しリンゴ(左)とドライみかん(右)。「口に入れると、少しずつじわっと果物の味がしてきます」と服部さん。娘の紗羅ちゃんのお気に入りです

 しかし地方の物産展やマルシェに足を運ぶと、手作業で作ったドライフルーツなど、snaq.meのコンセプトに合うお菓子が見つかります。気になる材料を使わないお菓子にどんなものがあるか、ていねいなリサーチを経て、ビジネスパートナーを探しています。

 snaq.meの利用者は、大部分が20〜40代の女性。内訳は子育てママ、妊婦さん、会社に配送を希望するオフィスワーカーです。

 届いた「BOX」の写真をインスタグラムに投稿する人、届いたお菓子を材料として使い、自分でお菓子を作って投稿してくれる人もいて、ユーザーのコミュニティも大きくなっています。特にインスタグラムの力は大きく、広告を出していないにもかかわらず、2016年2月のサービス開始から口コミでユーザーが増えてきています。

ユーザーがアップしてくれた写真を見るのも、服部さんの楽しみ

 「BOX」で届いた6種類のお菓子には、ユーザーが点数を付けます。感想を書いてくれる人も多く、感想はsnaq.meを通して作り手にも送られます。通常、お菓子の製造元に食べた人の感想が届くことはないので、励みになったり、改良のヒントにもなっています。

 お菓子によっては、レシピを少しだけ変えればsnaq.meで扱える「ギルトフリー」になる場合もあります。最初は半信半疑で「ギルトフリー」にした作り手も、感想を読んで「こんなに喜んでもらえるなんて」と驚くことも多いそうです。

 さらには、例えばドライフルーツとカカオパウダーを使った、食感や風味が生チョコレート風のドライフルーツ菓子「ギルトフリーチョコレート」など、プロとの共同開発によるsnaq.meのオリジナルスイーツも次々と誕生しています。

 期間限定品として少しだけ作り、ユーザーの声を取り入れながら改良していくことは、snaq.meの仕組みだから実現できるものでしょう。

暮らしに「なくてはならないサービス」になるように

お菓子を前に討論。左はマーケティング担当の地曵(じびき)さん

 スナックミーの社員は現在5人ですが、社内で欠かせないのは、定期的に行う試食会です。1人ひとりがsnaq.meで扱いたいお菓子を持ち寄り、試食して点数を付けます。誰が何点を付けたか、採用後、ユーザーの評価は何点だったかといったデータはすべて残るので、楽しい反面、ちょっとドキドキする時間です。

 社員のうち服部さんを含む3人は子育て世代。自分や家族が感じる食への疑問や課題も、よりよいサービスにつながっていきます。

 2年目に入り、今後はユーザーとの交流をもっと増やせたら、と服部さんは語ります。

 ギルトフリースナックは「これを食べれば痩せる」「健康になれる」といったものではありません。間食へのちょっとした罪悪感をなくし、ストレスを取り去るものです。食生活は少しずつ積み重なっていくものなので、短期間で効果や効能を求めるのではなく、このくらいのゆるやかさで長く続けるのが、逆のストレスも感じずに心地いいのでは、と筆者は感じました。

 「snaq.meの『BOX』が届くことが習慣の1つになり、ギルトフリースナックがあることが生活に欠かせない、そんなライフスタイルを作れたらいい、と思っています」(服部さん)



(2017年3月29日)
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