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九州・福岡に生まれた、ママにも子どもにも優しい保育園

(2016/05/31)

福岡市で5月にスタートした保育園「イクモ」。無認可の園ですが、早朝、延長預かりにも対応、晩ごはんもシャワーもあり、しかも、ママも一緒に晩ごはんをいただけるといううれしいサービスを提供しています。働くママも、専業主婦のママも応援する、新しい保育園の話題を、世界を飛び回る自動車と環境のジャーナリストであり、自らも働きながら子どもを育てるママである川端由美さんがリポートしてくれました。(文:自動車ジャーナリスト/環境ジャーナリスト 川端由美 写真提供:イクモ)
明るい印象のイクモ。今年の5月にオープンしたばかりの真新しい保育園です

 仕事帰りに急いで保育園に子どもをお迎えに行って、急いで家に帰って、ご飯を作って食べて、お風呂に入って…私も、息子が小さなときは毎日がそんな状態で、平日の夜は特に息をつく暇もありませんでした。でも、もし、息子が小さなときに、家の近くにこんな保育園があったら通わせたかったなあ、と感じるステキな保育園「イクモ」におじゃましてきました。

 場所は、福岡市・百道浜。繁華街からほどよい距離で、緑の多いちょっとお洒落な新興住宅地です。そのなかでも、「イクモ」があるのは、お医者さんが多いことでも知られるエリアです。

 5月9日にオープンしたばかりの新しい施設に着くと、ちょうどお昼時でした。まずは給食の試食からスタート。給食なんて何年ぶりかしら?と思いながら、自然光がさす明るいイクモ・キッチンに案内されました。大きな黒板に、チョークで楽しい食事の絵が描かれていて、ワクワクしてきます。ただ、私自身は子どもの頃、給食が大嫌いだったので、「出された給食を全部食べられるかなあ」という子どもの頃の不安が蘇ってきました。

旬の素材を使ったおかず、納豆やぬか漬けも

旬の素材を使った給食は1人分ずつ木製プレートにのせられています

 でも、心配は無用。木製のプレートの上に、ごはんやおかずが並び、見るからにおいしそう。しらすご飯とお味噌汁、ぶりの煮付けといった旬の素材を活かしたメニューに加えて、納豆とぬか漬けといった発酵食品が並んでいます。

 食器に一人分ずつ盛りつけられているので、食欲が湧きます。しかもこの給食は、特別に大人も食べさせていただいたのではなく、「オトナの給食」といって、希望すれば、子どもと一緒にお母さんも「イクモ・キッチン」でお夕飯をいただくことができるのです。

 もし、週に一日でもこんな日があるなら、どんなに気持ちが休まるだろうと思います。忙しいお母さんにとって、保育園に駆け込むようにお迎えに行ったあと、こだわりの食材を使った手作りのお食事を子どもが慣れた空間でリラックスしながら食べることができたなら、どんなにほっとすることでしょう。

 私自身、保育園から家に帰ったあと、子どもがお腹を空かせているのではと気にしながら、座る間もなくご飯を作っていたことを思い出します。イクモでは、朝7時30分からの延長保育の提供や、夜9時まで延長保育も実施しており、希望者には延長保育の前にシャワーのサービスも行っています。

 話を子どもの給食に戻しましょう。盛り付けにもこだわりがあります。例えば、お子さんの食欲にあわせて盛り付けする量を変えてあげることで、小食な子でもみんなと同じように「おかわり!」と言えるようにしています。普段、「残さないでたくさん食べなさい」と言われているプレッシャーから解放されて、「おかわり!」と胸をはって言えることで、食事をすることが好きになるお子さんも多いそう。

給食は添加物などは使わない方針。盛り付けは一人ひとりの食欲に合わせて調整しています。しっかり食べて「ごちそうさま!」

少人数の縦割り保育、育脳メソッドも採用

 保育の現場を担当するのは、施設長の江上嘉子さんと園長の坂田美由紀さん。江上さんはご自身も2児の母であり、保育の現場に約20年も身をおいてきました。坂田さんは、長年、病院内の保育園の園長を勤めてきたベテランの保育士。忙しいお母さんの気持ちを、よく理解してくださっています。

 イクモでは、京都大学名誉教授・脳科学者である久保田競先生とカヨ子先生によって開発された0歳からの育脳法である「クボタ・メソッド」を採用しています。大脳の神経回路が一生のうちでもっとも発達する乳幼児の時期に、五感を含めたあらゆる感覚に適切な刺激を与えることで、前頭葉を鍛えて、記憶力や思考力、そして判断力に優れたお子さんを育てるというポリシーです。

 クボタ・メソッドによる育脳に加えて、基本的な習慣を通してしつけを行って、子ども自身による自立を促すことにも重きを置いています。

 また、少人数の縦割り保育なので、年齢の違うお子さんとふれあいを通して、思いやる心を育てることも重視しています。我が息子は一人っ子なのですが、延長保育の時間に異なる年齢のお子さんと一緒に過ごしたことが良い思い出のようで、中学生になった今でも、時々、保育園に遊びに行ったりしています。兄弟が少ない今の時代、縦割り保育はとても良い取り組みに思えます。もちろん、そのためには、年齢の差だけではなく、一人ひとりの違いを気遣って見守る、細やかな保育体制が必要です。

保育は少人数の縦割りで、異なる年齢の子どもたちとのふれあいを大切にしています。子どもの脳の発達を促すメソッドも取り入れています

経営者はウェブ制作の会社を起業した経験を持つママ

 イクモでは、近隣の自然とのふれあいや博物館に行くなどして、屋外・屋内を問わずに、外の世界と接しながら学ぶことに重きをおいています。画一的に保育するのではなく、子どもの興味に合わせた遊びながら、子どもが自らの意志で学んでいく環境を提供するのです。ベビーマッサージやベビーヨガのようなちょっと珍しいプログラムもあります。

 また保護者とは、密なコミュニケーションを心がけているそう。子育てノートやスライド写真を使って、毎日の子どもたちの様子を、先生方と保護者が共有できる仕組みをとっています。

 実は、私にとって、イクモの経営者の奥本水穂さんは、一度じっくりお話したいと思っている女性でした。元々は美大生の頃にウェブ制作の会社「イクリプス」を起業し、業界でも存在感のある会社に成長させたという経歴の持ち主です。結婚・出産を期に事業を売却して、実家のある九州へ家族で移住することを決意し、福岡での子育てをスタートしました。

 息子さんの成長を経て、今年、「イクリプス」を再スタートしたいと考えたとき、従来から得意とするウェブ制作に加えて、新規に今の時代にあった子育てのブログラム「イクモ」をスタートさせました。事業所内保育園の位置づけですが、働くママはもちろん、専業主婦のママのお子さんも含め、広く一般の方のお子さんを預かる方針です。

イクモの経営者である奥本水穂さんは美大の出身で、食堂の黒板にある絵は水穂さんが描いたもの。奥本さんは、母親と起業家の両面から、育脳に軸足を置いた保育の事業化を目指しています

 東京で起業家として会社を運営していた奥本水穂さんですが、今、新たに保育という新しい分野に取り組む話を聞いていると、5年の子育て期間が与えた影響の大きさを感じました。江上さんと坂田さんが、子どもの健やかな成長を大切にしながら、長年、保育園の現場で培ってきた経験を活かしつつ、子どもたちの育脳を促せる理想的な保育環境を作りたいという気持ちは、女性らしく、母親らしくもあります。その思いに、東京の最先端で会社を運営してきた起業家としての経験や手腕が加わることで、子育て理念の素晴らしさと、それを実行するスタッフの真摯な姿勢を、サステナブルな事業にすることができるのではないかと感じました。

 始まったばかりのイクモですが、彼女たち自身の経験とスキルを活かした保育のあり方は、多くのママが待ち望んでいる保育の形に思えます。

 「ウチの近所にも、イクモがあったらよかったのになあ」と奥本さんにつぶやいてみたら、「私も、イクモの考えに共感してくださるママの近くに、同じような考え方の保育園ができるといいなあと思っています」とのお返事が返ってきました。今現在は百道浜のイクモで育脳のプログラムを確立することを目指して頑張っていますが、のちのちはここを発信源に、日本全国にイクモの方法論や仕組みを提供することを目指しているといいます。

 ママとして、起業家として、両方の経験を活かした奥本さんがスタートしたイクモ保育園。「うちの近くにも……」が、実現する日を楽しみに待ちたいと思いました。

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