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東京23区内に農地を残し、果物・野菜の地産地消を!世田谷で小学生親子向け野菜講座開催

(2016/08/02)

都会の中にも農地を残そう!東京23区内で練馬に次ぐ農地面積を誇る世田谷区。区内にある東京農業大学「食と農」の博物館で、NPO法人農業情報総合研究所(植村春香理事長)が、小学生親子を対象とした「世田谷で採れる旬の野菜と果物のおいしい食べ方の体験教室」を開催しました。野菜を育てる大変さや、野菜や果物の特徴について学んだり、世田谷産の野菜を調理して試食したイベントの様子をお伝えします。(取材・文・写真=大友康子)

農家の人が苦労して育てる野菜、残さず食べよう!

 東京23区と農業を結びつけて考える人はあまり多くないかもしれません。けれど、練馬大根で名高い練馬区はもちろん、世田谷区にも駅から少し離れると農地が広がる地区があります。農地面積や農家戸数は23区内2位を誇ります。

 住宅街で知られる世田谷区の中で、建物の崩壊などのおそれがない農地は、農業用水もあることから震災の際には水も食糧もある“避難場所”にもなります。そのため世田谷に住む人の中には、農地が残ってほしいと考える人が多いようです。しかし相続税などの問題もあり、世田谷の農地は年々減り続けています。そこで農地の役割を知ってもらい、人々の関心を高めることで、農地の減少に歯止めをかけようと、NPO法人農業情報総合研究所は東京農業大学「食と農」の博物館と共同で、世田谷の作物や食に関する講座や体験教室を度々開催しています。

 7月16・23日に2回連続で開催されたのが「小学生親子向け野菜講座」。開会の挨拶のあと、まずはJA世田谷目黒の営農経済部長・高橋浩二さんから世田谷ではどんな野菜が育てられているかについての解説がありました

 写真を提示して野菜の名前を聞いていくクイズ形式で、子どもたちは喜んで手を挙げて答えます。ナスの写真を見てすぐに「ナス!」と子どもたちが答えたあとには、高橋さんが「紫色はナスニンという色素のためだよ」と説明しました。面白い言葉の響きに、子どもたちは口々に「ナスニン」とつぶやきます。

 続いて東京農業大学短期大学部生物生産技術学科・五十嵐大造教授が、野菜の生産から出荷までを説明。例えば大根なら成長したら、抜く→揃えて運ぶ→洗う→乾かす→市場へ出荷する、とたくさんの手をかけて初めてスーパーの店頭に並ぶ、と話しました。

こんな形の野菜、スーパーでは見たことない。野菜を作ってお店で売るのは大変なんだね

 しかも、育てている間には病気が発生したり、虫に食われたりすることもあります。土に栄養が足りなくてもうまく育たないし、トマトなら急に水を吸い過ぎると裂果が起きるなど、写真を見せながら野菜を育てる大変さを紹介しました。

 さらにキュウリ、トマト、ナス、トウモロコシ、小松菜などの種についても学びました。小松菜の種はとても小さくてビックリです。実際にキュウリを切って種があるかも確かめました。輪切りにしても、縦に切っても、はっきりとした種は見当たりません。

「普通、実はめしべにおしべがくっついてできるけど、食用のキュウリは単為結果といって、おしべがくっつかずに実ができているから種はできなくて、種ができるはずの場所の痕跡しかないんですよ」と、五十嵐教授。

カッコいい糖度計を使ったり、キュウリの飾り切りにチャレンジ

本格的なカッコいい道具、糖度計を使って研究者気分

 講座も中盤となり、イベントを手伝う東京農業大学短期大学部の学生たちが、子どもたちに糖度計を配りました。トマトひと切れを少しつぶして汁を糖度計の中に入れて、糖度を調べるのです。糖度計の中をのぞくと、目盛りの面にくっきりと青と白の境界線が現れ、目盛り6を指していました。五十嵐教授によると、トマトで6度は甘いほうだそうです。

「このトマトはスーパーでよく売っている『桃太郎』とは違う、『麗夏』という種類です。甘みとともに、酸味もあるのがトマトの良さだと思い、あえてこの品種を育てています」と、世田谷の農家の方。

 そこで、「いつも食べているトマトと味が違う?」と、ある男の子に聞いてみると、「うん、甘くて新鮮な味がする!」という感想が。

クルクルに切れた、おいしいよ!

 いよいよ、お楽しみの野菜調理体験です。栄養士の矢後暁美さんの指導で、トウモロコシの皮をむいたり、餃子の皮にチーズ、切ったトマト・ナスをのせてピザを作りました。さらに、キュウリの蛇腹(じゃばら)漬けにもチャレンジ。キュウリを割り箸で挟み、端を切らないようにしながら、なるべく薄くまっすぐにキュウリを切っていきます。次に引っくり返して、また割り箸で挟んで、今度は斜めに薄くキュウリを切っていきます。

 多少厚くなっても、ひと口大に切って中華風の甘酢に漬けると、味がちゃんとキュウリに染みて子どもたちにも大好評でした。

世田谷のママたちには行きつけの農園野菜直売所がある!

 みんなで作った世田谷産野菜料理を試食します。ピザも、蛇腹キュウリの甘酢漬けも、おいしいと大好評。みんな大喜びです。

 とても上手に蛇腹キュウリを作った女の子のお母さんに、世田谷の野菜を買うことがあるかどうか聞いてみました。なんと、こちらのママは、世田谷区祖師ヶ谷大蔵で料理教室「日常の食卓」を営む“料理のプロ”でした。

 お名前は鹿野沙緒里さん。この日は食に興味があるという、小学校2年生のお嬢さんと参加していました。

 鹿野さんは5年前に世田谷の農園でイチゴ狩りを体験。すぐ近くに農地があり果物の摘み取り体験ができる環境に感動して、世田谷に引っ越してきたといいます。世田谷で暮らし始めてからは、ミカン、ブルーベリー、リンゴなどさまざまな野菜や果物摘み取りをお子さんと一緒に体験したそう。週に2回は自宅の近くにある「河原農園」の直売所で世田谷産の新鮮野菜を買い、料理教室やご自宅で利用している、と話してくれました。

「やっぱり採れたてなので、新鮮で本当においしいんです。世田谷のママ友たちはそれぞれお気に入りの農園や行きつけの直売所があるんですよ。常時ではなく、実りのピークの時期にオープンするので、『あそこが開いてたよ』と情報交換したりもしています」(鹿野さん)

 23区内で地産地消ができる世田谷の暮らしぶりを聞いていると、うらやましくなります。

 大人も子どもも楽しんだ、イベントは盛り上がりのうちに終了しました。

 NPO法人農業情報総合研究所は11月13・27日に今回と同じ「食と農」の博物館で小学生親子お米体験教室を開催予定です。10月頃から申し込み受付を開始する予定なので、興味のある方は「食と農」の博物館のウェブサイトをチェックしてください。

野菜のことを教えてくれた先生方や栄養士さんにお礼の拍手をして終了
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