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ecomom2017特別レポート 環境を考えた工夫がいっぱい! 身近なモノづくり企業の、エコへの取り組みを知ろう 小学5年生と保護者の『夏休み親子チャレンジ』 Vol.2

(2017/08/22)

DAY-2 味の素川崎工場&花王川崎工場の見学

 川崎市の小学5年生13人とその保護者が、夏休みを利用して取り組んでいる環境教育プログラム『食とくらしがつくる地球の未来 みんなでいっしょに考えよう~夏休み親子チャレンジ~』(食とくらしのサステナブル・ライフスタイル研究会、川崎市主催)。その第2回が8月9日に開催されました。

 川崎市のエコへの取り組みや、自分たちの食卓と地球環境とのつながりを学んだ初回に続き、今回は味の素川崎工場と花王川崎工場の見学です。

 味の素も花王も、ごく身近な製品を作る企業ですが、そのモノづくりには意外に知られていないエコな工夫がいっぱい。子どもたちは工場見学と体験、レクチャーを通し楽しく学びました。(取材・文=松田慶子、写真=北山宏一)

(活動概要)
 「夏休み親子チャレンジ」は、味の素、花王と、環境・CSRコンサルティングのイースクエアとが2011年に設立した「食とくらしのサステナブル・ライフスタイル研究会」と、環境先進都市である川崎市の主催による、体験型環境教育プログラムです。運営に当たるのは、NPO法人ビーグッドカフェと一般財団法人グリーンクロスジャパン。行政と、地域内で事業を行う企業が連携し、地域ならではの環境教育プログラムを開発・提供するという、新しい取り組みです。

 全3回のプログラムには、洗剤や食品の工場見学、環境についてのお話、ワークショップにクイズ、さらに、夏休み全体を通して、環境日記をつけるといった、多彩な活動が盛り込まれています。その目的は、子どもたちが日々の暮らしと環境課題とのつながりに気づき、その解決に向けた暮らし方を実践していく力をつけてもらうこと。そして保護者はその実践を応援し、親子で新たなライフスタイルに変えていくことをめざしています。

 『夏休み親子チャレンジ』DAY-2は、DAY-1の振り返りと宿題の共有から始まりました。『夏休み親子チャレンジ』は、子どもたちが環境課題を知るだけでなく、その解決に向けて自ら考え実践する力をつけることが目標。そのため、「小さなことでもいいから、エコについて発見や体験、行動したことを環境日記に書く」という宿題が出されています。

 子どもたちは苦労しながらも毎日、環境日記をつけました。「自転車は地球に悪いものを出さないし、空気を肌で感じられて気持ちいい。愛用していきたい」とは、さゆちゃんのある日の気づきです。

 ほかにも「汚くなったタオルを雑巾にした」「激しい雨が降った。温暖化の影響かなと思った」など、日記にはさまざまな発見や行動がつづられています。子どもたちがDAY-1のメッセージを十分に理解し、積極的に取り組んでいる様子がうかがい知れました。

環境日記には、子どもたちの日々の発見や考えが記されています。保護者からは「日記を書くことで、エコを話題にすることが増えました」「水をムダにしないように、自分から行動するようすが見られました」という言葉も

“食”の資源を守る味の素のエコとは

坂本さんが味の素のエコ活動を紹介してくれました。「味の素は、『ほんだし』の原料であるカツオがいなくならないように、カツオの生態調査を行っています。調査活動は認められ国際的な広がりをみせています」

 午前中の会場は、味の素の川崎工場です。工場の見学に先立って、同社グローバルコミュニケーション部の坂本眞紀さんから、味の素の取り組みについてのお話がありました。

 「なぜ人間は食べるのでしょうか?命をつなぐためですよね。食料は無限にあるわけではないです。なのにムダにしたり、もったいないと思ったりしたことはありませんか。

 さて今日は「ほんだし」の製造工程を見学します。「ほんだし」は3種のかつお節を使っています。かつお節を作るときに残った頭や内臓を発酵させて魚醤(ぎょしょう)に、骨はカルシウム食品に、一匹あますことなく活かし切っています。

 また、この川崎工場ではエネルギーを自分たちで作り、残った水はきれいにして川に還しています。廃棄物は100%再資源化しています。工場とみんなのおうちでやっていることを比較しながら見学してみてくださいね」

一歩、中に入るだけでわくわくしてくる『ほんだし』工場の入り口です

 DAY-1にみんなで考えた、水、ごみ・資源、エネルギーのつながりが思い出されます。それにしても、ごみを出さずに100%資源にしてしまう工場とは。高まる期待を胸にさっそく見学に出発。味の素川崎工場は、敷地面積10万坪、京浜急行大師線4駅にまたがる広大な工場。敷地内はバスでの移動です。

 「ほんだし」工場に足を踏み入れた途端、かつおだしのいい香り! それもそのはず、かつお節を粉砕して調味料と混ぜ、顆粒状にして乾燥させ包装するという、一連の工程がここで行われているのです。

 「ほんだし」工場長の田村亘さんに案内され、子どもたちの視線は製造工程に釘付け。

顆粒が製造される様を熱心に見学する子どもたち

 年間おみそ汁120億杯分の「ほんだし」が作られることに子どもたちは関心を寄せていました。

 「ほんだし」が顆粒なのには理由があります。顆粒にすることで香りとおいしさを封じ込め、長時間変わらない風味を保つことができます。また、顆粒なら汁物だけでなく、和え物などさまざまなお料理に活用することができるのです。

 工程を見学中に試食した「ほんだし」おにぎりもその一例。あたたかいご飯に混ぜて握るだけなのですが、「おいしい!」「いい香り~」と、みんな味わいながら口に運んでいました。

「『ほんだし』のエコな工夫は、原料を使い切るだけではありません。個箱は再生紙でできているし、ミシン目がついているので捨てるときに分解しやすいのです」(田村「ほんだし」工場長)

「ほんだし」おにぎりの試食に笑顔の子どもたち。レシピも添えられていました。「簡単に作れていいですね」と、保護者たちもにっこり
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