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ecomom2017特別レポート 未来の地球を守ろう! 次世代の担い手たちがエコアクションを宣言 小学5年生と保護者の『夏休み親子チャレンジ』 Vol.3

(2017/09/05)

DAY-3 私たち・僕たちが大人になったときの地球って?

 川崎市の小学5年生13人とその保護者が、夏休みを利用して取り組んできた全3回の環境教育プログラム『食とくらしがつくる地球の未来 みんなでいっしょに考えよう~夏休み親子チャレンジ~』(食とくらしのサステナブル・ライフスタイル研究会、川崎市主催)。最終回となるDAY-3が8月26日に開催されました。

 これまで、ワークショップやレクチャー、工場見学などを通し、自分たちの暮らしと地球環境とのつながりを探り、そのつながりを守っていくために、川崎市や味の素、花王という企業がどのような取り組みを行っているのかを学びました。今回は学んだこと、気づいたことをもとに、自分たちにできることは何かを考えました。そして、最後には感動的な発表会が待っていました。 (取材・文=松田慶子、写真=北山宏一)

(活動概要)
 「夏休み親子チャレンジ」は、味の素、花王と、環境・CSRコンサルティングのイースクエアとが2011年に設立した「食とくらしのサステナブル・ライフスタイル研究会」と、環境先進都市である川崎市の主催による、体験型環境教育プログラムです。運営に当たるのは、NPO法人ビーグッドカフェと一般財団法人グリーンクロスジャパン。行政と、地域内で事業を行う企業が連携し、地域ならではの環境教育プログラムを開発・提供するという、新しい取り組みです。

 全3回のプログラムには、洗剤や食品の工場見学、環境についてのお話、ワークショップにクイズ、さらに、夏休み全体を通して、環境日記をつけるといった、多彩な活動が盛り込まれています。その目的は、子どもたちが日々の暮らしと環境課題とのつながりに気づき、その解決に向けた暮らし方を実践していく力をつけてもらうこと。そして保護者はその実践を応援し、親子で新たなライフスタイルに変えていくことをめざしています。

 『夏休み親子チャレンジ』DAY-3の会場は、川崎市内の高津区役所です。この日は、宿題のカレー作りの発表からスタートしました。

 というのも、みんなはDAY-1に「カレーから考える、家のエコ!」というワークショップに取り組み、食卓が国内外の自然環境から恩恵を受けていることを学びました。その実践編として、「カレーを作って、エコな工夫を考えてみよう」という宿題が出されていたのです。

「カレーを作って食べる」にも、100通りのエコがある

 おいしそうなカレーの写真とともに、子どもたち一人ひとりから、いろいろな工夫が披露されました。

 省エネを考えて、火の通りがよくなるように野菜を小さく切った。楽しく残さず食べられるようにニンジンをかわいくハート形にカットした。旬の野菜を地元の野菜の即売所で買った。自家栽培の野菜を余すところなく刻んで入れた。皿を洗う前に古いチラシで汚れを拭き取った…。

一人ひとり、家でつくったカレーを写真で紹介しました。どのカレーもおいしそう! 「家族もおいしいといってくれました」という言葉も。おいしく食べきることも、大切なエコのポイントです

 「汚れたお皿を重ねて運ぶと、汚れがお皿の裏にもついてしまい、洗う時に洗剤や水を余計に使うから、重ねないようにした」とは、かんたろうくんです。DAY-2のランチタイムに、花王コーポレートコミュニケーション部門の佐野洋子さんが教えてくれたエコな食器洗いの工夫を、ちゃんと覚えていたようです。

 他にも、子どもたちはさまざまなエコを実践していました。そこで、3チームに分かれて家庭で工夫したことを出し合い、「買い物の工夫」「冷蔵庫の工夫」「ごみを減らす工夫」「調理する時の工夫」「おいしく食べる工夫」「洗う時の工夫」の6つに分類。各チームから、お勧めのエコな工夫を発表してもらいました。

 3回目ともなると、グループワークも慣れたもの。「皮をむかないで食べるとごみが出ないよ」という子がいれば、「それ、うちもやった!」と、別の子から明るい声が響きます。

 「冷蔵庫に食べ物をしまうときは、必要な物をすぐに取り出せるように、同じ仲間の物をかたまりにしてしまう。そうすると、冷蔵庫を開けっぱなしにする時間が短くてすむよ」とは、チームブルーのお勧めエコです。「カレーに入れたトマトの缶詰の空き缶に水を入れて、缶に残ったトマトごと鍋に入れると、後から缶を洗わなくてすむからエコ」「お皿に残ったカレーをパンですくって食べると、洗うときに簡単」といったアイデアも。

 「旬の野菜を入れるといい。旬じゃない野菜は育てるときにエネルギーを使うから」という工夫は、チームグリーンからです。ほかにも、「火が通りやすいように野菜をミキサーで細かくする」「冷蔵庫に入れなくていいものは入れない」などすぐにできる工夫がいっぱい。

チームブルーからは、「野菜の皮をむかないで食べようとすると、洗うときにたくさんの水を使うから、むいたほうがエコなのではないか」という、一歩踏み込んだ疑問も。参加した子どもたちの思考の深さがうかがえました

 チームレッドからは、「賞味期限が近いものから食べる」「買い物の際はエコバックを使うといい」「残さず食べることも大事。ごみを運ぶ時に出る二酸化炭素を減らせるから」という意見が。また「じゃがいもは電子レンジで加熱してから使う。このほうが、消費するエネルギーが少なくてすむ」。

 聞いていた保護者も「なるほど!」と思うような意見が、3チーム合わせて100個近くも出ました。

 「カレーを作って食べるというところだけでも、これだけのエコの工夫がありました。じゃあ、家の中から市内へ、県内へ、国内へ、そして世界へと考える範囲を広げると、もっとできることがあるんじゃないかな?」

 こう問いかけた司会の飯田貴也さんの言葉に、子どもたちは真剣な表情でうなずいていました。

 『夏休み親子チャレンジ』は、行動する力を育むことが目的の1つ。そして行動を継続するためには家族みんなで取り組むことが不可欠。そんな思いから保護者向けのプログラムも多数用意されています。

「行政などの大きな組織がエコに取り組まないと、事態は動かないと思っていました。でも工場見学で企業の努力を知り、商品を選んで買う私たちの行動も大事なのだと気づきました」「コップ1杯の水でも歯みがきができるなど、子どもが等身大のエコを見つけて実践しています」と、保護者。この1か月間で、エコを実践していこうという意識が、参加者の家庭にしっかりと根を張ったようです

 子どもたちがカレーについてのエコな工夫を話し合っている間、保護者はDAY-1以降の、家庭でのエコ意識の変化について、意見を交換しました。

 「宿題として出されている環境日記のネタを探すために、家族でテレビのニュースを見たり新聞を読んだりするようになりました。おかげで家族の話題も増えました」

 「環境負荷を考えて、すぐに車に乗らず、自転車を使おうという意識を、親子で持つようになりました」

 DAY-1からの約1か月で、多くの家庭で環境意識と行動が大きく変わった様子がうかがえます。

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