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鈴木敏文 孤高

日経ビジネス 編集
発行日:2016年12月27日
定価:本体1,600円+税
ISBN:978-4-8222-3663-2
四六判、376ページ
発行:日経BP社
発売:日経BPマーケティング

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鈴木敏文 孤高

日経ビジネスが追い続けた流通王53年間のすべて
サラリーマンからカリスマ経営者に駆け上がった男が真相を明かす

日本を代表する巨大流通コングロマリット、セブン&アイ・ホールディングス。長く同社を率いてきたカリスマ経営者の鈴木敏文氏が、2016年5月に、経営の表舞台から退いた。
鈴木氏が退任に至るまで、異例の事態が続いていた。中核事業会社であるセブン-イレブン・ジャパンの社長人事に端を発した"お家騒動"は、「物言う株主の暗躍」「創業家の反撃」「取締役会内部の分裂」「カリスマが求めた世襲」など、さまざまな形で報じられた。
だが、日経ビジネスは改めて問いたい。鈴木敏文氏の退任とは、そんな近視眼的な言葉で済ませてもよいものなのか。日本にコンビニエンスストアという新しいインフラを生み出し、メーカーが支配していた流通業界の力関係を逆転させた立役者が、経営者・鈴木敏文氏である。
一人のサラリーマンは、どのようにカリスマ経営者となり、巨大な流通コングロマリットを率いるようになったのか。そしてどんな壁に直面し、長い年月をかけて築き上げた「帝国」を去ることになったのか。
本書では2つのアプローチで真相に迫った。
1つは、鈴木氏本人の肉声である。日経ビジネスは鈴木氏の退任以降、述べ10時間に渡って本人への単独インタビューを重ねてきた。鈴木氏自身がその半生を振り返りながら、真相を語った。
もう1つは、セブン&アイの「2人のトップ」を知ることである。鈴木氏本人と、イトーヨーカ堂創業者でありセブン&アイのオーナーでもある伊藤雅俊氏。鈴木氏はトーハンからヨーカ堂に転じ、創業者である伊藤氏の信頼を勝ち取って幹部として台頭した。日経ビジネスは1970年代以降、40年以上に渡って伊藤氏と鈴木氏の取材を重ねてきた。歴史を振り返れば、「2人のトップ」の絶妙かつ微妙な関係がどのように誕生し、維持されてきたのかを知ることができる。創業オーナーとサラリーマン経営者。セブン&アイが巨大グループに成長する過程で、2人による特殊な統治形態が必要だったことは、本書を読めばよく理解できるはずだ。
戦後の日本を変えたカリスマ経営者の半生を、本書で総括する。

★『鈴木敏文 孤高』日経ビジネスオンライン特設ページ
本書の紹介

 はじめに


【1章】 鈴木敏文、半生を振り返る

1節 「辞めさせられたわけではない」

 「伊藤さんは僕の考えを追認した」/「悔いは残らない」

2節 「中内さんの下だったら、1年で辞めた」

 「伊藤さんは我慢強い」/「金銭感覚は一致していた」

3節 「お金がなかったから、強くなった」

 1号店からFCで投資を抑制/鈴木流で「流通革命」を完成

4節 「業界のことなんて、何も知らない」

 素人集団だからできた変化対応/「便利」にこだわり銀行設立

5節 「コンビニは終わっていない」

 「コンビニでトラックだって売れる」/「きちっとやってくれるかどうか」

6節 「百貨店はもっと商品力あるかと思った」

 相次ぐ買収、商品力を重視/「世襲なんて考えたこともない」

7節 「米セブン買収、再建に自信あった」

 ハリケーン・スズキがやってきた/「もう怒鳴ることはなくなった」

8節 「やっぱりスーパーは米国の物まねだ」

 チェーンストア理論と「商人道」/V字回復、そして総会屋事件

9節 「ヨーカ堂は、やっぱり変わらなかった」

 「鈴木君は分からないでしょ」/在庫買い取り要請の真相

10節 「60歳を過ぎたら引退と思っていた」

 「後継者、育てる必要なかった」/「大したことはやってない」


【2章】 鈴木と伊藤、最強の2人

1節 伊藤雅俊の実像「夢追う大商売人」(1984年日経ビジネス掲載)

 “森永撤去”を自ら事情説明/「気持ち悪いことはしたくない」/
 母親に磨かれた商人感覚/“老舗好き”と拡大路線/格好いい理屈はいらない/
 したたかなバランス感覚/商人は後ろ姿を見て学ぶ

2節 建前を本音で実践 イトーヨーカ堂の美学(1985年日経ビジネス掲載)

 社員は身ぎれいな商人たれ/社員2万人が“自己採点”/
 「約束を守っているか」「ゴミを拾うか」/昼食の中身も分かるIDカード/
 「お客様」「気味悪い」「怖い」/儲けは2位、ジャスコの2倍/
 二重、三重の監視体制/業革で取引先もしつける/
 「入って良かった」会社にしたい/「マネジメント能力は私より上」/
 手堅さと革新性が同居する/確実性重視で西武とは対極/
 百貨店は「つまらない選択」か/「伊藤と鈴木」の継承は可能か

3節 鈴木敏文の矜持「己を殺して自我を貫く」(1986年日経ビジネス掲載)

 テコでも動かぬ強情さ/小売店との共存共栄を/まず“死に筋”商品を排除/
 一流の人と接し、劣等感が/発想・行動の奥に伊藤の影/
 自然体を大義名分で補強

4節 リーダーの研究 鈴木敏文「成功体験を捨てよ」(1995年日経ビジネス掲載)

 米サウスランド社を3年で軌道に/小手先の合理化案、次々に拒否/
 トップは明確な改革案を示せねばダメ/「業革」で鈴木哲学を伝授/
 売り上げよりも利益率を優先/「仮説と検証」で変化に対応/
 鶴の一声、5800店を駆け巡る/会議経費、年間15億円/
 10年同じ話をするバイタリティー

◆コラム 「伊藤さんと鈴木さんは“ニコイチ”」

 ライフコーポレーション清水信次会長が明かした2人の関係


【3章】 鉄壁のセブン帝国

1節 成功体験が常勝集団を苦しめる(2001年日経ビジネス掲載)

 「成功体験の呪縛が過信を生んだ」/機能不全に陥った「チームMD」/
 セブンとヨーカ堂の落差/情報システム導入が裏目に/
 デフレ対応迫られるセブン/甘い見通し、伸び悩むEC/
 鈴木社長インタビュー「変化には時間がかかる」/
 「小売業は急には変われない」/「アイワイバンクは3~4年で黒字化する」

2節 ミレニアム統合に込めた成長への執念(2006年日経ビジネス掲載)

 統合は「壮大な実験」/縮小時代、業態の壁破る/統合、ヨーカ堂改革も視野に

3節 鈴木帝国の覚悟「血の入れ替え」(2013年日経ビジネス掲載)

 「血を入れ替え、洗脳する」/残酷なコントラスト/広がる「相互不信」の溝/
 パートで巨大店を回す/ヨーカ堂を苦しめる「一物一価」/
 セブンゴールドの“闇価格”/ビジネスモデルの危機

4節 築き上げた「鉄の支配力」(2014年日経ビジネス掲載)

 「非常識」な開発を要求/NBメーカーに「部品」を作らせる/
 セブンこそ技術革新の牽引役/加速する「ドミナント戦略」/
 有無を言わせぬ販売実績/20分で全売り場から撤去/販売機会の損失が一番怖い/
 全部信じて言われた通りにする/絶対者の存在を幹部は利用/
 オムニに透ける2つの真意/「仮病を使ってでも米国に飛べ」/
 誰もが欲しがる独自商品/「セブンプレミアム」モデル/
 ネットも「セブン化」する/宅配でヤマトと競合も/
 「私が引退する日は必ず来る」

◆コラム 「鈴木さんも僕も、革命者だ」

 ニトリホールディングス似鳥昭雄会長が語る鈴木敏文氏の強さ


【終章】 舞台を降りたカリスマ

 ヨーカ堂社長の更迭と在庫買い取り/鈴木の人事案に創業家が「ノー」/
 対立のまま取締役会になだれ込む/物言う株主が鈴木体制に圧力/
 「獅子身中の虫」が内通/最高顧問か、名誉顧問か/
 新体制、百貨店や人事にメス/記者会見で異例の「創業者賛辞」/
 「サラリーマン経営者」の矜持


 おわりに

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