日経ビジネス 別冊書籍・ムック・増刊のご紹介

不正の迷宮 三菱自動車

日経ビジネス
日経オートモーティブ
日経トレンディ編
発行日:2016年9月16日
定価:本体1,500円+税
ISBN:978-4-8222-3667-0
四六判、296ページ
発行:日経BP社
発売:日経BPマーケティング

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不正の迷宮 三菱自動車

スリーダイヤ転落の20年

三菱自動車の燃費改ざんはなぜ起きたのか。そして、三菱自動車ではなぜ何度も不正が繰り返されるのか──。
「日経ビジネス」「日経オートモーティブ」」「日経トレンディ」など日経BP社の各媒体の総力を集めて燃費不正問題を検証した。

軽自動車4モデルで発覚した不正は、三菱自動車の運命と自動車産業のあり方を大きく揺さぶった。危機的状況に陥った三菱自動車を、日産自動車が傘下に入れて救済。スズキでも燃費に関する不正が発覚し、国の制度が見直されるなど「パンドラの箱」を開けた。
不正の原因を探ると、そこには絶望の縁に立たされた開発現場の姿があった。ダイハツ工業やスズキとの燃費競争に勝とうと、目標は5度も引き上げられた。現場の「無理だ」との声は経営陣には届かない。走行試験などを担当する技術者は追いつめられ、不正に手を染めた。データを改ざんするための専用ソフトウェアまで開発され、不正の手口は代々引き継がれていった。

開発現場だけの問題ではない。三菱自動車はこの20年近く、経営の混乱が続いてきた。リコール隠しなどの不祥事もあり、株主や経営者が次々に変わった。技術者や次々に会社を去り、競争力は低下していった。経営が迷走すれば現場はモチベーションを落とし、それが不正の温床となる。本書が紹介する三菱自動車の「転落の歴史」は、そうした事実を改めて教えてくれる。

本書の紹介

【第1章】不正のメカニズム

◆無謀が生んだ絶望
突然の記者会見/燃費目標を5回引き上げ/「品質の関所」機能せず/経営陣は「知らなかった」のか/本社と現場の深い溝/追い詰められた子会社/益子会長は指示をしたのか/動機は「面倒だった」/虚偽資料作成を「引き継ぎ」/社外取締役の怒り/販売店と工場城下町の苦境/ついに現れた益子会長/相川社長が辞任表明/国交省のジレンマ/総会前に「幕引き」

◆開いたパンドラの箱
実走行を重視する制度へ/スズキと三菱自動車、不正の共通項/鈴木修会長依存で「ぶら下がり」体質に
Column 10年以上前から現場が知っていた「不正の根源」
Column ユーザーへの補償額「1台10万円」は妥当か

◆from Nikkei Automotive
自動車メーカーOBが斬る燃費不正―和田憲一郎氏・貴島孝雄氏・藤村俊夫氏
5回の目標変更が命取りに
不正を許す風土が蔓延していたかも/あまりにもいい加減な目標設定/フォードの教えが息づくマツダ/管理とフォローを徹底するトヨタ

◆技術者592人アンケート
8割が「不正は起こり得る」(日経オートモーティブ 2016年9月号)

言えない理由は有言・無言の圧力/無理な要求に「できない」と言えない理由/開発期間短縮と案件増大で多忙化/環境・安全への対応が負担に/多くが望む上層部による現場の把握/技術者を追い詰めすぎない環境を/追い込まれると不正に走る


【第2章】日産、電光石火の救済

◆凍りつく三菱グループ
薄れた救済の必要性/三菱重工出身者が「王族」/「重荷」の押し付け合い/消えた相川会長、白地社長案

◆スリーダイヤの値段
スリーダイヤの商標を使うため/ダイムラーとの資本提携で作られた例外/「日産さんに計測技術がないんじゃないですか」/日産と三菱自動車の明暗/2370億円出資の皮算用「底値」で取得株価を算出/東南アジア強化で北米依存のリスクヘッジ/プラグイン・ハイブリッドの技術を狙う/自動運転分野でもシナジー/「1000万台」クラブの仲間入り/90年代は「400万台クラブ」/電動化が生む新たな産業構造/「つながる車」で始まるITとの協業/「提携失敗」の連鎖を止められるか
Column 国境を越え飛び交う技術と資本

◆from NIKKEI TRENDY
カタログ燃費はどこまで信じられる?
軽自動車4モデルを実走テスト実燃費は三菱自動車が最下位に(日経トレンディ 2016年8月号)
カタログ燃費をかさ上げ/実燃費はカタログ燃費の6~7割/4モデルで走行実験/上り坂に弱い三菱自動車/アイドリングストップにも性能差


【第3章】迷走と凋落の20年

◆「パジェロバブル」の傷跡―1998年~
「戦略なき開発が招いたヒット車不在」RV先行で生まれた技術陣の過信
「ボルボ提携で苦渋の決断、取り残された乗用車部門」

◆ダイムラーに命運託す―2000年~
「ダイムラーと提携。経営の自主権は風前の灯火」収益回復なければ切り売りも
「試される新経営体制と新たな再生計画」
「もう不振の販社を救済はしない」。園部は静かに言い切った/「園部社長はよく決断した」。河添は顧問制廃止を評価する/「シナジー効果を得られるように」槙原はシュレンプに呼びかける
「ダイムラーと三菱グループが新たな金融支援へ」意見割れる三菱グループ
「トラック脱輪、リコール隠しの教訓生きず」

◆三菱グループの庇護へ―2004年~
「三菱グループの呪縛 自立心なき自動車メーカーに危機」
スリーダイヤの矜持を優先/反動招いた自主独立路線/リーダー不在及び腰の再建/
新車開発でクライスラー救済/「情報の抱え込み強まる」
「資金集め優先し強気の再建策」
日本・北米で負の遺産の余波続く/開発力ダイムラー頼みで技術停滞/
「三菱版再生機構」の強面たち/商事が出す20人の「やり手」
“新リコール隠し”表面化で再建に暗雲
「戦犯OB守って現役は涙。人災経営の清算いまだ成らず」
「黙って従うのが企業文化」
「ダイムラーの試算『再建に7000億円必要』が的中」
東京三菱は独自に資産査定/すれ違う“親たち”の思惑
「最後の財閥 三菱の聖戦」
国内の黒字化は難しい/銀行が専門家チームを起用/議論は紛糾、翌日まで続く/
3つの条件は再生計画に/午後3時、2つの本社間を移動/「アジアの帝王」と呼ばれた男/三菱流再建は続けられるか

◆再生への険路―2005年~
アジア依存で増益できるか 販売会社の半分は赤字
電気自動車は窮地を救えるか
2回も開発中断の危機に/生産担当者の半分が消える/64件の改善でスピードアップ/EVを集客の目玉に/暗闇を照らす“松明”の役割/逆境でも実現可能な再建策が必要
復配阻む品質問題
「名より実」で生き残る研究開発費はトヨタの4%/車種を1桁台にまで減らす


【第4章】歴代トップの証言なぜ変われなかったのか

中村裕一氏(相談役、元社長) 「RVで敗北、国内販売不振が元凶」(2001年4月30日号)
河添克彦氏(相談役・前社長) 「不要な事業から撤退する勇気なかった」(2001年4月30日号)
ロルフ・エクロート氏(社長) 「技術主導を変え、透明性高める」 (2002年7月22日号)
岡﨑洋一郎氏(会長兼CEO) 「親不孝から『孝行息子』に」(2004年7月26日号)
相川哲郎氏(常務執行役員) 「三菱自動車のクルマは私が変える」(2004年8月2日号)
西岡喬氏(三菱重工業会長、三菱自動車会長兼CEO)「自動車再建、責任は自分に」(2005年3月21日号)
三木繁光氏(東京三菱銀行会長) 「合理性あっての支援だ」(2005年3月21日号)
益子修氏(社長) 「悔しさバネに社員前進」(2006年3月20日号)
益子修氏(会長兼CEO) 「拡大路線には戻らない」(2014年12月15日号)


◆from Nikkei Monozukuri
相川哲郎氏(社長兼COO) 「風土改革、技術者たちを鼓舞」(日経ものづくり 2015年8月号)


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