ケーススタディ

スマート家電の真価は顧客利用実態の把握、パナソニックが進める分析の一端が明らかに

2014.02.26多田 和市

電機・機械 企画・開発 製品・サービス向上 その他行動ログ センサー

パナソニックが「スマート家電」顧客の利用実態の把握・分析・活用へ、体制を大幅に強化していることが判明した。データ分析に基づいた販促や商品開発、さらには故障診断・予約サービスの提供まで視野に入れる。

 1年半ほど前からビッグデータの本格的な収集・分析・活用に取り組んできたパナソニック。今後の柱の1つと位置づけるスマート家電事業において、その活用の一端が明らかになった。アプライアンス社技術本部スマート家電事業推進グループの宮崎雅也グループマネージャーは「特定ユーザー層の利用実態を把握してスマート家電のサービスや商品企画に生かしている」と話す。

 スマホによるエアコンの遠隔操作や調理家電向けレシピの閲覧…。同社のスマート家電は、これまでの家電を使いやすくし、付加価値の高いサービスの提供を目指している。

 例えば、スマホでエアコンの電気代を確認して節電効果を実感したり、体組成計で得られた各種健康データをグラフ表示して運動継続への意欲を高めたりできる。製品の使い方の案内や修理対応、新しいレシピの提供など、製品購入後もパナソニックが顧客と直接つながり、サポートし続けられる。

 スマート家電はスマホと連動して使うことで、製品の魅力の向上につながるが、それ以上にパナソニックにとって重要なのが、顧客の利用実態を把握できることである。

 各機能がいつどの程度使われているのかを把握して蓄積できる。従来の顧客へのアンケートやグループインタビューに比べ、データのリアルタイム性や正確性は格段に高い。

パナソニックのスマート家電におけるビッグデータ活用のねらい

全顧客の属性を把握する仕組み

 蓄積したビッグデータと、利用している顧客属性(年齢、性別、地域)を分析すれば、セグメントごとのニーズが把握可能だ。スマート家電を利用するには、同社の会員組織「クラブパナソニック」への個人情報の登録が必須なので、顧客の属性はすべて分かる。

 顧客がAndroid端末(おサイフケータイFeliCaまたはNFC対応機種)で専用アプリから料理レシピを選び、電子レンジ本体のタッチセンサー部にかざすと、レシピに合った加熱が自動設定される。その際にどのレシピを選んで実際に調理したのかという利用実態が把握できる。

 例えば、30代と40代では働く女性が多く、料理にかける時間が少なく、短時間でできる料理レシピの利用が多いことが分かる。そこで店舗販促では、短時間で料理できるレシピが数多く利用できることをアピールしている。一方で閲覧しているのに料理しないレシピを外すなど、スマホで見られるレシピを切り替えて、満足度を高めているという。

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著者プロフィール

日経ビッグデータ

多田和市

日経ビジネス記者・副編集長、日経情報ストラテジー編集長、日経ビジネス編集委員、日経BPビジョナリー経営研究所上席研究員などを経て、2014年1月から日経ビッグデータ記者。

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