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客室乗務員全員にiPadを配ったわけ

全日本空輸 「『本当にITでやる話なの?』と問いかけたい」

2013年11月7日(木)

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幸重孝典・全日本空輸 上席執行役員 業務プロセス改革室長(右)と日高信彦・ガートナー ジャパン 代表取締役社長(写真:的野 弘路、以下同)

 世界の大手が消滅するなど、航空業界の競争激化は際立っている。ライバル他社と差異化し、生き残るためにIT(情報技術)をどう使いこなすべきか。全日本空輸の幸重孝典上席執行役員業務プロセス改革室長とITリサーチ最大手、ガートナー ジャパンの日高信彦代表取締役社長が語り合った。

 幸重室長は「コンシューマー向けのタブレット、インターネット、モバイル、それからクラウドコンピューティングの動向を見て、会社として取り入れられるものはどんどん取り入れていく」と語る。

(構成は谷島宣之=日経BPビジョナリー経営研究所研究員、中村建助=ITpro編集長)

日高:11月1日に新しいLCC(格安航空会社)、バニラ・エアが誕生して年内に運航が始まりますね。楽しみにしています。幸重さんのご苦労は増えるのかもしれませんが。

幸重:今回、より日本に合ったLCCにしようということで、マレーシアの航空会社エアアジアとやってきた共同事業を解消し、ANAホールディングス100%出資のLCCにして、ANAが全面的に支援することになりました。

 我々、IT(情報技術)の部門も全面支援して、日本に合ったサービスを提供でき、成功できるビジネスモデルを作っていきたいと考えています。これまでITはエアアジアのものを使っていましたので、我々がかかわる形ではありませんでした。

日高:LCCのように、航空ビジネスにすぐ参入できる背景にはITの進化がありますね。

幸重:ええ。LCCもそうですし、中東の湾岸にある航空会社が、スポットライトを浴びています。飛行機は最新のものを調達する。ITは既にあるシステムを借りて用意する。

 このようなやり方で、後から入ってきたLCCや湾岸の航空会社がジャンプアップして、最新の機材と最新のITを一気に備えることができます。既存の航空会社にとって脅威になっているのは間違いないと思います。

ITがないと航空ビジネスは成り立たない

日高:LCCを含めた低価格化をはじめ、エアラインほど大きく変化した業界はそうはないですね。国際化、経営統合、もちろんサービスの競争もありますし。

 今日はビジネスとITというテーマでお伺いします。まず、激変する航空業界の中でITはどういう役割を果たしてきたのか、その辺りからお教えください。

幸重:飛行機がないと航空会社は成立しないですが、ITがなくても航空ビジネスは成り立たないでしょう。よく金融業界が引き合いに出されますが、航空業界でも同じくらいITが重要です。

 そもそも大型の汎用コンピューターは、アメリカン航空の経営トップとIBMのトップが飛行機で一緒になった時に話が出て作られたものだ、というエピソードを若い頃聞いたこともあります。

 ただITの役割はだいぶ変わってきています。もともと航空ビジネスは労働集約型のサービス業ですので、それを効率化することや商流を整えるための利用が以前は中心でした。

 今はインターネットが世の中を変えていく動きがあります。こうした動きに合わせたお客様向けのサービスを充実させるためのIT利活用が、航空業界を変えていく要因になってきています。

 LCCにANAグループとして取り組む話が出ましたが、世界中の航空会社は皆、LCCについて悩んでいます。国によっては、LCCが大手の航空会社を買収した例も出てきています。

 生き残っていくカギは、基本的なことですが付加価値と価格です。そこでお客様の評価をどう得ていくのかを今まで以上に考えていく必要があります。

コメント3件コメント/レビュー

JALよりはANAの方がサービスは良いです。過剰な点はどっちも一緒ではありますが。事を客への餌の時間的とCAが考えなければ、サービスは大方満足できるのだと思います。距離が長くなるほど、ソフトよりもハードですよね。椅子が広くて気持ち良ければ、CAの多少の不手際は我慢できます。食(2013/11/07)

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「客室乗務員全員にiPadを配ったわけ」の著者

谷島 宣之

谷島 宣之(やじま・のぶゆき)

日経BP総研

一貫してビジネスとテクノロジーの関わりについて執筆。1985年から日経コンピュータ記者。2009年1月から編集長。2015年から日経BP総研 上席研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

中村 建助

中村 建助(なかむら・けんすけ)

ITpro編集長

日経デザイン、日経ストアデザイン、日経コンピュータ、日経ソリューションビジネス編集長、日経エコロジー編集長、日経ビジネス副編集長などを経て、2012年よりITpro編集長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

JALよりはANAの方がサービスは良いです。過剰な点はどっちも一緒ではありますが。事を客への餌の時間的とCAが考えなければ、サービスは大方満足できるのだと思います。距離が長くなるほど、ソフトよりもハードですよね。椅子が広くて気持ち良ければ、CAの多少の不手際は我慢できます。食(2013/11/07)

海外居住の者です 航空会社のこだわりは、安全な事だけで、海外の生活が長いと、日本の過剰なサービスは時に要らないだろうとも思うのですが、海外の友人によるとそれこそが”日本”だねとなります。 以前に隣になった外国の方は、日本から帰るときに出された機内食に大変喜んでおられ、次もこの航空会社を使うだろうと言ってられました。日本に行って、自国に帰る方にとって最後の日本食となりますからね。LLCには無い楽しみの一つでしょう。 IT化によりコストの見直しや、無駄なサービスがカットが出来たら、その分日本では当たり前の思いやりのある振る舞いを日本人以外の客室乗務員の方からも受けるように、教育費に回していただきたいものです。(もてなしてくれとはいいません。相手を思いやる失礼の無い振る舞いだけで十分です)ITに付いてのお話でしたが、世界標準な部分と、日本企業らしい部分とを併せ持って、世界の中で選ばれる企業になっていただきたい。(2013/11/07)

先日、久し振りに全日空の国内腺に乗りました。客室乗務員による機内放送ですが、日本語版の過剰放送はどうにかならないでしょうか。英語版の内容で十分です。過剰放送は決して「おもてなし」ではありません。騒音です。真に国際企業を目指すのであれば、幹部は、世界の各種航空会社の旅客機に職業を隠して乗ってみて、自社のサービスを見直すべきでしょう。(2013/11/07)

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