• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

地震と中国が生んだ安倍政権、解散を占う

『日本―喪失と再起の物語』の著者、デイビッド・ピリングFT元東京支局長に聞く

2014年11月21日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 2011年3月の東日本大震災と福島第1原子力発電所事故は、日本にとって、黒船来航により開国を余儀なくされた明治維新、太平洋戦争での敗戦に匹敵する国難とされた。それでなくても中国の台頭と呼応するかのように世界での存在感を失いつつある日本、そして日本人はこの国難をどう受け止め、21世紀を生き抜こうとしているのか。

 2001年末から2008年まで英紙「フィナンシャル・タイムズ(FT)」の東京支局長として日本に滞在した経験を持つデイビッド・ピリング氏は、震災後も何度も日本に足を運び行った膨大な取材とこれまでの蓄積をベースに、今の日本の姿を『日本―喪失と再起の物語』と題してまとめ、このほど出版した。

 本を書いた狙いと日本が直面する課題、そして解散総選挙の実施を決めた安倍晋三首相の決断をどう見ているか聞いた。

(聞き手は石黒 千賀子)

デイビッド・ピリング(David Pilling)
1964年生まれ。86年にケンブリッジ大学ジーザスカレッジを卒業(専攻は英文学、副専攻ロシア語)した後、シティー大学ロンドンの大学院にてジャーナリズムを学ぶ。1990年に英紙「フィナンシャル・タイムズ(FT)」入社し、チリ、アルゼンチンの特派員や、製薬・バイオ関連産業担当などを経て2001年末に来日、2002年1月から2008年8月までFT東京支局長を務める。その後、FTのアジア編集長に就任、香港を拠点に中国、日本、インド、東南アジアにおける政治、経済から企業・投資活動などを幅広くカバーしている。ジャーナリストして、The Society of Publishers in Asia Awardや英国においてEditorial Intelligence Comment Awardなども受賞。(写真:的野 弘路、以下同じ)

明治維新から東日本大震災後までの日本を総括した今回の本は、日本人が読んでも「今、自分がどういう時代にいるのか」を俯瞰させてくれ、非常に読み応えがありました。本の中でも説明されていますが、まずなぜこの本を書こうと思ったのかお聞かせ下さい。

ピリング氏:理由はいくつかあります。1つは、最近、日本について英語で書かれた本がなかったということです。1980年代頃には、カレル・ヴァン・ウォルフレン氏*1、ジェームス・ファローズ氏*2、クライド・プレストウィッツ氏*3、ビル・エモット氏などによる本が沢山出ていました。しかし近年はめっきり減り、世界の関心は中国にシフトしてしまったわけですが、日本については書かれるべきことがあると感じていました。

*1=オランダ人ジャーナリスト。『The Enigma of Japanese Power』(1989年。邦題は『日本 権力の構造の謎』)、『人間を幸福にしない日本というシステム』(1994年)などが有名
*2=米評論家。『Contaning Japan More Like US』(1989年。邦題は『日本封じ込め』)や『沈まない太陽』(1995年)
*3=米元商務審議官。『Trading Places-How We Are Giving Our Future to Japan and How to Reclaim It』(1993年。邦題『日米逆転 成功と衰退の軌跡』)などがある

コメント11件コメント/レビュー

「イギリスの子供、日本の子供」という本だったと思うが、幼稚園児が花瓶を壊してしまったとき、隣にいた日本の子供は「だいじょうぶ?」「ひょっとして僕も悪かった?」と共感する反応を示すが、イギリスの子供は「僕は関係ないよ」「どうしてその子が壊したかなんて僕が知るわけ無いでしょ」とまず責任の所在を明確にするそうだ。5歳児にして。日本人は共感能力を伸ばすように教育されるせいで戦争犯罪に言及されると口をつぐんでしまいがちだが、グローバルに求められるのは、この英国人の著者のような、日本人からすると無責任極まりないとしか思えない態度であるのだろう。現代世界のほぼ全ての諸問題の根源は英国人にあるとしか思えないのだが、その英国人から過去は切り離して議論すべきであるというお墨付きをもらった気分である。良い事か悪い事かは知らないが。(2014/11/25)

オススメ情報

「キーパーソンに聞く」のバックナンバー

一覧

「地震と中国が生んだ安倍政権、解散を占う」の著者

石黒 千賀子

石黒 千賀子(いしぐろ・ちかこ)

日経ビジネス編集委員

日経BPに入社後、英LSEに留学し修士取得。日経ビジネス、日経ナショナルジオグラフィック、日経ベンチャーを経て、2003年日経ビジネスに編集委員として戻る。主に、本誌の「世界鳥瞰」の欄を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

「イギリスの子供、日本の子供」という本だったと思うが、幼稚園児が花瓶を壊してしまったとき、隣にいた日本の子供は「だいじょうぶ?」「ひょっとして僕も悪かった?」と共感する反応を示すが、イギリスの子供は「僕は関係ないよ」「どうしてその子が壊したかなんて僕が知るわけ無いでしょ」とまず責任の所在を明確にするそうだ。5歳児にして。日本人は共感能力を伸ばすように教育されるせいで戦争犯罪に言及されると口をつぐんでしまいがちだが、グローバルに求められるのは、この英国人の著者のような、日本人からすると無責任極まりないとしか思えない態度であるのだろう。現代世界のほぼ全ての諸問題の根源は英国人にあるとしか思えないのだが、その英国人から過去は切り離して議論すべきであるというお墨付きをもらった気分である。良い事か悪い事かは知らないが。(2014/11/25)

他のコメントに「同時に欧米の植民地主義も見習って、ひどいことをしてしまった。」とありますが,事実誤認も甚だしい.例えば,朝鮮半島を日本の植民地として認識する見方はあり得ますが,半島人に日本国内の選挙権さえ与えたのが日本です.欧米は現地人に現地の選挙権さえ与えていませんよ.よく歴史を学んでから発言して頂きたい.(2014/11/25)

英国在住ですが、日本に関してバイアスを賭け勝ちな英国メディアで、デイヴィッド・ピリング氏は大手のジャーナリストの中では日本に対して最もフェアな意見の持ち主です。日本駐在時代、お子さんの誕生日パーティーには近所のお婆さんなど多数の普通の日本人が呼ばれていた、と同じ学校に子供を通わせた友人から聞きました。ここまで「普通の日本人」を理解しようとする英国人ジャーナリストは少数派だと思います。在日外国人や英語ができる日本人、著名人としか付き合わないのが普通ですから。読者コメントに「反日記事を書いた」とありますが、英国メディアではその様な論調が好まれるために駐在初期にはその傾向があったかもしれません。ただ、駐在期間が長くなりその後の中国駐在を経てからは日本に対する記事は的確でフェアであり、いわゆる「反日」的論調は私の知る限り見当たりません。英国大手メディアはどれも(たとえ左翼系であっても)自国の国益第一ですから、基本的に「親日記事」など有り得ません。他国に対しては「国益にかなう範囲」でフェアに、そして読者の目線に合わせて、が基本です。日本のメディアとかなり違うのは、他国への厳しい批判と他国からの批判は検証した上でキッチリと反論する、という点ですね。日本のメディアもこの点は見習って欲しいものです。(2014/11/24)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

外交において個人プレーで短期的な成果を手にしようというのは交渉相手の術中にはまり、うまくいかないものです。

齋木 昭隆 三菱商事取締役・元外務次官