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国に直言する福島の「戦う市長」、僅差で苦杯

桜井勝延氏[前南相馬市長]

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2018年7月21日(土)

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任期満了に伴う福島県南相馬市長選で、現職の桜井勝延氏が僅差で苦杯をなめた。 桜井氏は米タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれるなど高い知名度を持つ。しかし、国に直言する「戦う市長」に対し、自公が送り込んだ新人候補の攻勢に抗いきれなかった。

(日経ビジネス2018年5月14日号より転載)

[前南相馬市長]
桜井勝延氏

1956年、福島県原町市(現・南相馬市原町区)生まれ。78年、岩手大学農学部を卒業し、地元に戻り就農。稲作・酪農に長年携わった後、2003年から原町市議を務める。10年、合併により誕生した南相馬市の2代目市長に就任。

SUMMARY

南相馬市長選の概要

今年1月に投開票の福島県南相馬市長選で、3期目を狙う現職の桜井勝延氏と、元市経済部長の門馬和夫氏が対決した。いずれも無所属だが、民進党と共産党が桜井氏を、自民党と公明党が門馬氏を支援。震災・原発事故からの復興政策の進捗などを巡って舌戦が展開され、201票という僅差で門馬氏に軍配が上がった。

 南相馬市の今後の発展のために協力を頂いてきた方々に対し、期待を裏切るような形になってしまったことは申し訳なく思っています。

 民進党と共産党から支援を受けたものの、資金のない選挙戦でした。市内をマラソンしながら遊説する草の根の戦いで挑みました。一方、自民党・公明党が自主投票を決めた前回の選挙戦と違い、今回は自公が一丸となって新人の門馬和夫氏を支援しました。個人的に支援を約束してくれていた与党議員にも、私の親類にすらも「応援はできなくなった」と頭を下げられました。自公の組織力はやはり、非常に強力でした。

永田町を通さない陳情

 門馬氏は私の国との対決姿勢が復興を遅らせたと主張されていましたが、私自身はそうした批判は全く的を射ていないと思っています。

 私は永田町の代議士からは「クレーマー」と言われ続けてきました。霞が関の官僚にも当初、そう陰口を言う人はいました。それでも、復興庁のみならず、経済産業省、厚生労働省など復興に関わる全ての官庁の課長クラスから事務次官まで、足しげく通って面会を続けてきました。その結果、携帯電話やメールで直接やり取りして、職員を介さずに私がじかにアポイントを取れるような関係を築くことができました。私の自宅でも官僚と酒を飲み交わしながら福島の今後のあり方について何度も膝詰めの議論を交わしました。

 私の方法論は国と対決するものではなく、永田町を介さずに霞が関に直接陳情することでした。「戦う市長」と呼ばれてきたのも、国とけんかをしてきたわけではなく、現場の状況をいち早く国の中枢に伝えるための戦いをしてきたからだと思っています。

 与党からは反発を受けるやり方だったのかもしれませんが、南相馬の復興のスピードを速めるために必要不可欠なことでした。こうした活動により、2012年の市内の警戒区域の早期解除など、他の避難対象自治体と比べても独自の取り組みが実現できたと自負しています。

 東日本大震災・福島第1原子力発電所事故の発生当時、国や東京電力から事故の状況を伝える情報が届かず、マスコミも現地に集まらないため、こちらの窮状を伝える情報発信もできませんでした。そんな中、地元の高校の後輩の勧めで動画サイト「ユーチューブ」による発信を試み、動画を見た多くのボランティアから支援を頂きました。全く福島に縁のない米国の大学生が単身駆けつけてくれたこともあり、強く感銘を受けました。

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