• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

壊滅的不漁のウナギ稚魚、密猟対策にも苦戦

西山 勝氏[元高知県漁業管理課課長]

バックナンバー

[1/2ページ]

2018年7月2日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

高知県においてウナギの稚魚であるシラスウナギが極端な不漁に陥っている。2月末時点で前年同期比で6.8%しか採捕できておらず、採捕期間を延長する措置に打って出た。それでも前年の半分にも到達せず、密漁者の存在もあって、地域の関連産業全体が苦境に陥っている。

(日経ビジネス2018年5月28日号より転載)

[元高知県漁業管理課課長]
西山 勝氏

1965年兵庫県生まれ。2018年3月まで漁業管理課課長を務め、4月から水産政策課長。高知県は有数のシラスウナギの採捕地であり、養鰻業が盛んな土地でもある。漁業管理課は採捕の許認可に加え、密漁者の取り締まりも手掛ける。

SUMMARY

高知県ウナギ稚魚不漁の概要

高知県において地元の名産であるウナギの稚魚、シラスウナギが極端な不漁に陥っている。ウナギ自体の個体数が減少していることに加え、黒潮の大蛇行が起こるなどシラスウナギが川を遡上しづらい状況が重なった。県内の漁業や養鰻関係者への生活面での影響を考えて採捕期間を例年より15日間延長したが、前年の半数以下しか取れなかった。

 高知県は全国的にも有数のウナギの稚魚、シラスウナギの採捕地です。その結果、ウナギを養殖する養鰻も盛んで、県内経済で重要な位置を占めています。そんなシラスウナギが今年、異常とも言える不漁に陥りました。

 当然相場は高騰しています。シラスウナギは1kg20万~30万円ほどで長く推移していましたが、今シーズンは1kg250万円になっています。日本の最大の消費時期である土用の丑の日に養殖ウナギを間に合わせるためなのか、あるところでは400万~500万円ほどで取引されているようです。簡単に言えば、数cmのシラスウナギ1匹が500円という計算になります。

シラスウナギ不漁で価格が高騰し、ウナギは庶民にとって本当に「高根の花」になりつつある(写真=時事通信フォト)

多くの自治体の共通問題

 シラスウナギの資源確保に有効な手がなかなか打てないことや、不漁への苦肉の策として採捕期間を延長したことなどで、多方面にご心配をおかけしてしまいました。多くのお叱りの声も県庁に届いています。今回の問題の背景には、単なる環境問題だけではなく、地域経済の活性化と地元資源の確保をどうバランスさせていくかなど、多くの地方自治体が抱える複雑な問題が横たわっています。そこで事の経緯を詳しくご説明いたします。

 シラスウナギを採捕していい期間は資源確保の観点から国で決められており、12月1日から翌年4月30日までの間で設定することになっています。高知県内では独自にさらに厳しい制限を設けており、12月16日から3月5日の80日間しかありません。シラスウナギ以外にも漁はありますので、その関係者との調整もあり、この期間に決めています。日数も数年前から95日や90日、85日と徐々に縮めてきました。

 年間で採捕していいシラスウナギの総量も決めており、今シーズンは最大で350kgでした。全盛期だった平成の初めは年間2トンという時期もありましたが、これも徐々に厳しくしており、3年前に500kgから350kgに減らし現在に至ります。シラスウナギを採捕する許可を出す人数も前年を上回らないように厳しく制限しています。

 こうして資源確保に取り組んできたのですが、異変は突然やってきました。月2回シラスウナギの採捕量を報告してもらって集計しているのですが、何と1月末の時点で採捕量はゼロだったのです。毎シーズン、12月や1月でも採捕できていましたので、イヤな予感がしました。不安は的中し2月に入っても状況は変わらず、2月末での採捕量は前年の161kgに対して11kg。前年同期比で6.8%しか取れていない計算になります。

コメント9件コメント/レビュー

北欧の漁業が近代的な体制で成功している話と対照的に、日本の漁業は、一部の漁協の自主的取り組みによる育てる漁業の成功例以外、ほぼどの魚種でも、収穫量の漸減傾向を放置し、反対に収量確保努力と称して言うならば乱獲をとことん進めてばかりで、やがて資源枯渇し、さあ困ったどうにもならん。では情けない。そうなってもなお、捕りすぎて無くなってしまったのが悪かった、改める、と言う声は聞こえてこない。国も既得権を野放しにする(漁業者が捕りたいのを抑えられない)ばかりで規制できず、古くはニシンから最近のウナギ、イカ、サンマ、マグロ、桜エビ、(見方によってはクジラも外圧が無ければ同じことになっていたろう)にいたるまで、有る物を捕り尽すばかりで増やす手を打たずに来た。最近捕れなくなってきたと言いつつ、居る処には居ると言い張って捕る算段ばかりしている。あきれて物が言えない。(2018/07/02 17:01)

オススメ情報

「証言」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

北欧の漁業が近代的な体制で成功している話と対照的に、日本の漁業は、一部の漁協の自主的取り組みによる育てる漁業の成功例以外、ほぼどの魚種でも、収穫量の漸減傾向を放置し、反対に収量確保努力と称して言うならば乱獲をとことん進めてばかりで、やがて資源枯渇し、さあ困ったどうにもならん。では情けない。そうなってもなお、捕りすぎて無くなってしまったのが悪かった、改める、と言う声は聞こえてこない。国も既得権を野放しにする(漁業者が捕りたいのを抑えられない)ばかりで規制できず、古くはニシンから最近のウナギ、イカ、サンマ、マグロ、桜エビ、(見方によってはクジラも外圧が無ければ同じことになっていたろう)にいたるまで、有る物を捕り尽すばかりで増やす手を打たずに来た。最近捕れなくなってきたと言いつつ、居る処には居ると言い張って捕る算段ばかりしている。あきれて物が言えない。(2018/07/02 17:01)

種の絶滅に対する官庁の言い分として、吐き気を起こすが、ぜひ読むべき。(2018/07/02 16:49)

キビナゴも、サクラエビも同様の状況らしいですね。
いい加減、気づくべきです。(2018/07/02 16:35)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

貧乏な家に育ったから、とにかくお金に飢えていた。

神田 正 ハイデイ日高会長