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出世を諦めて下山を覚悟した“マンネン課長”の悲哀

仕事まで諦めなければ、自分らしい下り方が見えてくる

2011年7月21日(木)

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 最後まで諦めずに金星を挙げて世界一に輝いたなでしこジャパンが凱旋し、日本中がわき立つ中、大関・魁皇が引退を表明した。

 若貴ブームに乗ったギャル(古い言い方だ)が国技館に殺到する何年も前から、オヤジたちに交じって大相撲を観戦し続けた一相撲ファン(←私のこと)としては、満身創痍で戦い抜いた古参大関に、「ありがとうございました」と感謝する気持ちと残念な気持ちとが複雑に入り混じり、何とも妙な心境である。

 曙、貴乃花、若乃花と同期で、花の63年組ともてはやされた力士の1人であった魁皇の引退は、「1つの時代が終わったのかもしれない」と思わせる出来事でもあった。

 だいたい先週、あの千代の富士の大記録を破って、角界新記録となる通算1046勝を達成したのに、世間はなぜ盛り上がらなかったのか。

 昨今の相撲人気の低迷が影響していると言われてしまえばそれまでなのだが、『続ける』ことって、想像以上に大変だ。その大変なことを成し遂げた結果、生まれた大記録……。「もっと称賛してもいいのに」と悲しく思った。

土俵を下りる魁皇に自分を重ねた“マンネン課長”

 一方で、“中高年の星”と呼ばれた魁皇に、「あっぱれ!」と大きな拍手を送り、自らの人生とオーバーラップさせて感慨深い思いに浸った人もたくさんいたことだろう。

 今回紹介する自称“マンネン課長”の53歳の男性も、その1人。

 「魁皇のすごさは、潔く“横綱”を諦めながらも、粘り強く“相撲”を諦めなかったことだ」と彼は言う。

 「普通だったら、あれだけ昇進が確実視されていてダメだったなんて、燃え尽きちゃうと思うんですよ。ところが、魁皇は見事に踏ん張った。横綱になることを諦めても、とことん自分と戦い続けたってのが、すごいんですよ。私も、そろそろ山に登ることを諦めて、下山を始めなきゃいけない状況にあるんで、余計に魁皇の頑張りに胸を打たれました」

 下山する──。

 右肩上がりの時代が終焉を迎えた今、新卒で一括採用されて以来、ひたすら“出世”という山登りを強いられてきた多くのビジネスマンたちにとって、「いかに山を下るか?」、つまりは、「出世競争からいかに降りるか?」は、大切なテーマの1つだ。

 そこで、今回は、「下山」について、考えてみようと思います。

 おっと、その前に。

 忘れている方も多いと思うので、前述の男性が、「期待させられてダメだった」と評した、2004年の11月場所での綱取りのいきさつを記しておこう。

 9月場所に5回目の優勝を遂げ、4度目の綱取りを目指した11月場所は、魁皇の相撲人生において最も世間から注目を集めた時でもあった。2003年の春場所から続いていた日本人横綱の不在。「それに終止符を打ってほしい」と多くの人が期待を寄せたのだ。

 ところが、12日目。3敗目を喫した魁皇は、早くも優勝争いから脱落。それでも「千秋楽で横綱の朝青龍を破っての準優勝なら昇進の可能性がある」という発言が押尾川審判部長から飛び出し、朝青龍との大一番に、再び、注目が集まった。

 そして、誰もが期待した千秋楽。魁皇は見事、朝青龍を万全の相撲で下す。そして「横綱昇進決定か!」と世間はわき立った。

コメント23件コメント/レビュー

満身創痍で大記録を打ち立てた魁皇、確かに立派です。でもそれと万年課長の話は別物のような気がします。魁皇に横綱昇進の機会があったように、万年課長にも部長昇進の機会はあったはず。それを逃した理由は何でしょうか。外圧があって「今回は見送りましょう」とでも言われたのでしょうか。ただ部長になるだけの力量がなかっただけでは?誰かが言った「世界一でなければいけないんですか?二番ではダメですか?」ではないけれど、「課長で何が悪い」んですか?製造現場で長年働いてきた人たちは、定年間際でも平社員のままなんてザラです。それと、魁皇は下山した?とんでもない。親方としての立場が約束された引退でしょ?どちらかといえば天下り先が決まっている役人じゃないですか。下山なんて意識はないと思いますよ。(2011/08/07)

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「出世を諦めて下山を覚悟した“マンネン課長”の悲哀」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

満身創痍で大記録を打ち立てた魁皇、確かに立派です。でもそれと万年課長の話は別物のような気がします。魁皇に横綱昇進の機会があったように、万年課長にも部長昇進の機会はあったはず。それを逃した理由は何でしょうか。外圧があって「今回は見送りましょう」とでも言われたのでしょうか。ただ部長になるだけの力量がなかっただけでは?誰かが言った「世界一でなければいけないんですか?二番ではダメですか?」ではないけれど、「課長で何が悪い」んですか?製造現場で長年働いてきた人たちは、定年間際でも平社員のままなんてザラです。それと、魁皇は下山した?とんでもない。親方としての立場が約束された引退でしょ?どちらかといえば天下り先が決まっている役人じゃないですか。下山なんて意識はないと思いますよ。(2011/08/07)

私の場合 現役時代には幸か不幸かこの時期がほとんど無く定年までがむしゃらに業績向上のために邁進せざるを得なかったが、定年退職後、半年間嘱託として同部門の1業務課題を実現する仕事をした時、明確にこの様な山の下り方を自覚した。仰せの通りと思います。元部下のために仕事の進め方とポイントが見える様に気をつけたこともこの通りです。ーーーーー部下のために、部下たちが働きやすい職場を作ることが自分の仕事だと考え、それを見える化することで、部下に自分のやっていることを示そうとする。ーーーーー(2011/08/04)

会社での出世と相撲って本来は質的に違うもののような気がします。相撲には横綱を目指すということと相撲道を精進するということ、この二つのバランスが存在するような気がします。道を究めることを重視すれば、周囲との相対評価は結果論として考えるのではないかと思います。現実の生活と道の探究の両方を叶えられる人ってほんとにほんの一握りなんですね。あの偉業の称賛が小さいことは私も残念に思っていました。競争、順位社会の中で道という考えは価値が下がったり忘れ去られたりしつつあるのでしょうか。それとも相撲界にいろんなことがあったから、多くの人が今相撲に対して誇りや愛着を失っているのでしょうか。(2011/07/29)

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