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「女性はすべてを手に入れられない!」―Time machoの不毛と本当の幸福

米国で話題のスローター論文に感じた妥当性と違和感

2012年9月25日(火)

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 “ Why Women Still Can’t Have It All”(女性はなぜ、すべてを手に入れることができないのか?)

 これは、米国務省のヒラリー・クリントン長官の補佐役として2011年2月まで同省政策企画本部長を務めていたアン・マリー・スローター米プリンストン大学教授が、米誌『アトランティック』の2012年7、8月合併号に寄稿して大論争を巻き起こした論文のタイトルである。

 「男だって、“すべて”を手に入れるなんてことできないだろう」
 「はっきり言って、今の時代って女の人の方がいろいろと手に入れていないかい?」
 「何言ってんのよ。だから日本はいつまでたっても男社会なのよ。女の苦しみが分かってないわね」

 刺激的なタイトルだけに、こんな異論反論が聞こえてきそうなのだが、日本よりかはるかに女性の社会的地位が確立されている米国でも、スローター教授の論文は大きな反響を呼んだ。

 エリート中のエリートとして政府の要職に就いたスローター教授はこの論文で、「今のアメリカ社会で、女性たちが家庭とキャリアを両立するのは無理」と言い切っている。

 「よくぞ言ってくれた!」という反応から、「何をぜいたくなことを言ってるんだ!」という批判まで賛否両論。その余波は国境を越えて海外にも広まった。

スローター論文は女性だけに向けられたものではない

 で、遅ればせながら私もその記事を読んでみた。率直な感想を一言で言わせてもらうと、「その通り」という以外にない。

 以前、横軸のワークライフバランスではなく、縦軸のワークライフバランスを考えなくてはならない時代に突入していると書いたことがあったが(関連記事:「労働」の奴隷に成り下がった“私たち”の不幸)、同様のことをスローター教授は、この論文の中で自身の体験をに基づいて述べている。

 しかも、冷静に論文を読めば、それは女性のためだけに向けられたものではなく、人が人として生きるための、「究極のワークライフバランス」を提言した内容になっていることが分かる。

 今のような“人”よりも“数字”が偉い働き方をしていて、いったい誰が幸せになれるのか?──。

 そんな疑問を私自身もずっと感じ、発信し続けているだけに、とてもとても腑に落ちる提言だったのである。

コメント66件コメント/レビュー

時間に追われた働き方は男女問わずだと思います。昔も24時間365日働くのが美徳とされて居た様ですが。一時的にそれが就業時間で制限されました。IT革命で電子メールが24時間世界のどこにでも飛んで行きます。土日でも電子メールで仕事をする姿に打たれましたとかいうセリフがありました。これでは家庭も崩壊します。しなかった家庭は奥様が我慢強かったのだと思います。時間に追われてピリピリして、いろいろな事を失ってから気がつきましたが、のんびり働く事にしました。
今進んで居る働き方改革には期待して居ません。働いても税金でとられて何処かで役人の給料と政府に取り入った企業と政治家に無駄に使われるばかりです。(2018/03/06 06:12)

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「「女性はすべてを手に入れられない!」―Time machoの不毛と本当の幸福」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

時間に追われた働き方は男女問わずだと思います。昔も24時間365日働くのが美徳とされて居た様ですが。一時的にそれが就業時間で制限されました。IT革命で電子メールが24時間世界のどこにでも飛んで行きます。土日でも電子メールで仕事をする姿に打たれましたとかいうセリフがありました。これでは家庭も崩壊します。しなかった家庭は奥様が我慢強かったのだと思います。時間に追われてピリピリして、いろいろな事を失ってから気がつきましたが、のんびり働く事にしました。
今進んで居る働き方改革には期待して居ません。働いても税金でとられて何処かで役人の給料と政府に取り入った企業と政治家に無駄に使われるばかりです。(2018/03/06 06:12)

6つの提言についてそうあるべきではあるが、そうある為に必要な事やそうなった場合の影響については疑問が残る。楽観的かつ希望的観測によって論じられていると感じる。そうなるべきではなく、そうなるにはどういう行動やスキルが必要かではないか。そして、そのスキルや行動が足りないから現在の状況であるとまず認識する事が必要だ。(2013/09/25)

河合さんのコラム、結構好きです.いつも読ませていた伊達降ります.全てが手に入らないというのは、現実かもしれません.キャリアと育児と家族の問題で頭を抱えている共働き世帯には,肩の力を抜こうとか思える言葉ですね.しかし、遙さんといい,河合さんといい,独身でお子さんがいらっしゃらない.そういう方々が,家族やお子さんを抱えた共働き世帯の方やワーキングマザーのことをどうのこうのいったりしても,客観性を持っているとは思いますが,ちょっと説得力が欠けるな,と感じたりします.あと,少し気になるのが,日経ビジネスオンラインの何か方針のようなものか,広げたい思想にそって,この両名の方はコラムを書いている気がしてなりません.結婚や子供がいると,社会で活躍できなくて当たり前よ,だけど社会に出て日本という国の経済活動に貢献して下さい,みたいな.子育てとキャリアとの両立は,我々は応援していますけど,実際は自分たちはあまりそういうのと関わりたくない,遠くから見守だけです的なスタンス.何か,机の上の空論的な物を感じます.本当に真剣に日経ビジネスオンラインが,キャリアと家族の両立について考えていたとしたら,日経ビジネスオンラインの社員自身のキャリアと家族の両立についての奮闘記の記事があったっておかしくないとおもいますし.イクメンイクメンと記事でよく紹介するなら,自分の会社で育児休暇をとった男性社員の例を紹介するとか.もしかして,まったく育児休暇を取った男性社員が、全くいなかったりするのでしょうか? 私は日経ビジネスオンラインの記事は,特にアジアや中国関係のことがよくわかり,大好きです.しかし,家族とキャリアの問題については,御社の社風か何かの雰囲気を反映しているのでしょうか,何かもの足りなさを感じています.何かしらの進歩が見られることを望みます.(2012/10/06)

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ジェームズ・マクリディ アドビシステムズ日本法人社長