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違和感あり!日本の「国民幸福度」は正しいのか?

“幸せランク”はイギリス12位、日本が21位

  • 吉田 耕作

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[2/5ページ]

2013年5月8日(水)

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移民(国外転出)数の比較

 次に、移民(国外に転出)に関するデータを集めた。国外に居住する自由が極端に制限されている国々を除くと、国民が外国に移民する割合と、自国に何らかの不満を持っている国民が多くいる可能性との関連性は高いと仮定したからである。つまり、移民の数は、その国の人々の幸福度を測る1つの指標に成り得ると考える。

表2 国外に移民する人の人口に占める割合
(資料:人口:World Factbook, Central Intelligence Agency, 2013 推定値)
(資料:移民:“Counting Immigrants and Expatriates in OECD countries, A New Perspectives”)

 表2から、アジア、特に東南アジアでは、シンガポールとフィリピンが突出して国外に移民する人の割合が大きい。 フィリピンは300年ほどスペインの植民地であり、その後もアメリカの統治領であったこともあり、ほとんどの国民は英語を話し、1000万人に及ぶフィリピン人が海外在住労働者となり、本国に送金しているという状況である。1965年にアメリカの新しい移民法ができてからアメリカへの移民が比較的容易になり、現在アメリカでは東洋系で2番目に多い400万人が住んでいると言われる。表1にあるように、世界における1人当たりのGDPは121位と非常に貧しい国である。少しでも豊かな国で稼ぎたいと思うのは当然で、フィリピン人の移民比率が高いというのは合点がいく。

 しかしながら、フィリピンを別として除外すると、シンガポールからの移民率が約2%であり、アジアでダントツに高く1位である。表1にあるように、シンガポールは経済政策が成功し、急激に豊かになり、個人の収入が世界ランク第3位になった。そのシンガポールの国民の100人のうち2人が移民する、という国内事情はいったいどういう状態なのだろうか。

 以下にSeah Chaing Neeというシンガポールの新聞記者のレポートを要約する。実は、もっと信頼に足る資料を得るべく努力したのだが、結局、移民に関して、シンガポール政府は統計的データを発表したがらない傾向があるという結論を得た。つまり不都合な真実なのではないか。それゆえ、以下のような資料を引用することになったことをお許しいただきたい。

 非常に好調なシンガポール経済は何百万の外国人を引きつけたが、自国を捨てて外国に定住するシンガポール人の数は記録破りの状況である。事実、国民1000人当たり26人が国外に移民するという数字は、世界で2番目に高い。1998年には5000人未満だった移民の数は2007年には1万2000人を超え、10年間では9万7990人にも上った。

 ある調査によると、3分の2のシンガポールの若い人たち(21~34歳)は定年退職後にはもっとゆったりとしたペースの暮らしで生活費も安い国に住みたいと思っていることがわかった。15歳から29歳までの若い人たちの53%は外国へ移民したいと考えている。 

コメント10件コメント/レビュー

小笠原村父島によく行きますが、平均年齢が東京都で一番低く(出産する女性が多い)、子供の笑顔がいっぱい見られます。物価が決して安く無く、移動に不自由なこの島で日本、いや世界でもこれほど幸福度の高い場所は無いだろうな、と思っています。老人(医療)にとって幸福かは別として。(2013/05/08)

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小笠原村父島によく行きますが、平均年齢が東京都で一番低く(出産する女性が多い)、子供の笑顔がいっぱい見られます。物価が決して安く無く、移動に不自由なこの島で日本、いや世界でもこれほど幸福度の高い場所は無いだろうな、と思っています。老人(医療)にとって幸福かは別として。(2013/05/08)

記事に全面的に同意します。市場至上主義は、長期的に見れば経済的にも不合理ですし。経済の目的は何なのかということを改めて考えさせられました。●ちなみに、日本人が幸福度が低いのは、精神的なよりどころを失っているからだと思います。自国へのプライドは持ってはならない、無宗教がよいとされる、とにかく個人主義が正しい。このような価値観がまかり通ると、一部の強い人間を除いた国民は、価値観のよりどころを失ってしまいます。日本人の主観的な幸福度が低いのはこのせいで、逆に言えば、私は日本は最も幸せな国になりうる社会構造をギリギリまだ維持できている国だと思っています。これからアベノミクスで明るい世の中になる事を望みます。(2013/05/08)

幸福度を扱う時は、自殺者数も同時に考慮したほうが良いと思います。(2013/05/08)

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