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彷徨う“未婚40代非正規”の鬱々たる現実

負のスパイラルから抜け出す糸口は職場にある

2014年5月20日(火)

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 非正規労働者の相対的貧困率は、若年男性(25~34歳)では23.3%と5人に1人であるのに対し、壮年男性(35歳~44歳)では3人に1人(31.5%)、配偶者のいない女性ではさらに増え、2人に1人(51.7%)に上ることがわかった――。

 これは先日、独立行政法人労働政策研究・研修機構が行った「壮年非正規労働者の仕事と生活に関する研究」で明らかになったことである。

 就職氷河期に、学校を卒業した人たちが40歳前後となった。40になれば、親も高齢になり、若い世代とは、違う問題があるに違いない――。そんなリサーチクエスチョンのもと、「ミドルの非正規社員」にスポットを当てた調査を、労研が実施したのだ。

 「今はまだ、母の面倒を見なきゃならないんで、なんとかなってますけど。自分1人になったら……ヤバいなぁって思うんです」

 昨年夏、元女性歌手の転落死に関する報道が問題になったとき、非正規で働く40代の男性に、こう打ち明けられたことがある。おそらく彼にとって、この報道は、“ヤバい”と感じずにはいられないモノだったのだろう(この問題について知りたい方は、「転落死 報道違反」などでググれば出てきます)。

 厳しい就活を乗り越え、正社員として雇用された彼は、2度のリストラにあったのち、非正規社員として働いていた。最初の会社では事業縮小で、所属部署が消滅。会社の紹介で転職した会社では、1年後に買収され、再びリストラされた。そして、製造業関連会社の非正規社員になったのである。

 「助けて」と言えずに孤独死する、就職氷河期のフリーターの人たちの存在が問題視されたことがあったが、彼のように、スタートが正社員であっても、厳しい状況に追い込まれた人たちもいる。

 35~44歳までの非正規労働者は(既婚女性を除く)、2002年の51万人から2012年の104万人と、10年間で倍増(総務省「労働力調査(詳細集計)」参照)。

 最近は、非正規の正社員化を進める企業も増えてきたが、40前後の非正規の人たちは、少々置き去りにされている感も否めない。今後、増え続ける可能性が高いにも関わらず、だ。

 そこで今回は、「彷徨う40代の非正規社員」について、考えてみようと思う。

40過ぎると正社員で採用してくれる会社はありません

 まずは、前述した男性の状況から、お聞きください。

 「40過ぎて正社員採用してくれる会社ってないんです。募集要項には、そんなことは書いていない。でも、明らかに無理。何度、面接に行っても落とされる。連敗が続くと、『生きてる価値ないぞ』って言われているみたいで。そんな中で、『非正規でよければ、来ませんか?』って言ってくれたのが今の会社です。生活もかなり厳しくなっていたんで、お世話になることにしました」

 「やっぱり正社員になりたいですよ。でも、『あきらめるしかない』かなって。うん、あきらめるしかないなって。まるで底なし沼にいるようで。あがけばあがくほど、沈んでいく。そういう自分しかイメージできないんです。世の中、なんやかんやいっても仕事。40過ぎて、母親と2人暮らしで非正規だと、世間はまともな職につけない、どうしようもない『パラサイト中年』だっていう目で見ます。『しっかりしなさいよ』とか、『お母さんも心配してるぞ』とか周りから言われると、相当キツイ」

コメント26件コメント/レビュー

昔の職場にも40歳くらいの派遣の人がいた。翻訳を頼んでいたがいつの間にかいなくなった。仕事が出来た人なのに。その人が言うには、『翻訳会社も競争厳しくて、この歳では正社員は難しい。』非正規の人達にも年功賃金を適用したらどうでしょうか?あるいは時限立法で、35歳から45歳の人を正社員にしたら1年間は法人税をゼロにするとか。具体的施策をしてみないと解決が進まない。この問題を放置していると、この人達が60歳過ぎたころはもっと大変なことになる。このままでは国家財政破綻は避けられない。(2014/05/22)

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「彷徨う“未婚40代非正規”の鬱々たる現実」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

昔の職場にも40歳くらいの派遣の人がいた。翻訳を頼んでいたがいつの間にかいなくなった。仕事が出来た人なのに。その人が言うには、『翻訳会社も競争厳しくて、この歳では正社員は難しい。』非正規の人達にも年功賃金を適用したらどうでしょうか?あるいは時限立法で、35歳から45歳の人を正社員にしたら1年間は法人税をゼロにするとか。具体的施策をしてみないと解決が進まない。この問題を放置していると、この人達が60歳過ぎたころはもっと大変なことになる。このままでは国家財政破綻は避けられない。(2014/05/22)

私も失職しました。でも、50代で正社員となり、今は管理職です。学歴も大学中退。現在の会社でもアルバイトから結果を出し、幸いにも部下を持つに至りました。何度も心が折れそうになりましたが、AKB48の「恋チュン」ではないですが、人生そんなに捨てたものではない!と、思います。(2014/05/21)

○こういうコラムを読むといつも思う事がある。今現在を切り取って見てみれば確かに河合さんの言うとおりだろう。だが昔はどうだったのかな?昭和の時代から平成の今まで、冒頭の男性の様な人間は居なかったのだろうか?いや、例え少数であっても必ず居たと思う。ではその人たちはどうしてきたのか?悲劇だが、のたれ死んだ人も居るだろう。浮浪者に身をやつした人もいるだろう。そうやって自然淘汰の末社会は動いてきたんだと思う。○みんながみんが幸せな社会など、ありえないと思う。みんなが平等に報われるなんて、社会主義が掲げる理想の最たる例ではないかとも思う。基本、ありえない。しかしなぜかそういう所にスポットを当て「これでいいのか!?」と問いかける河合さんのような意見もある。「これでいいんだ」と思う。・・・とこう書くと「自分がそうなったらどうするんだ」と言われそうだが、そうならないように努力しているし、そうなってしまっても最後まで足掻く。冒頭の人も、自分が腑抜けになった理由を環境のせいにするな。腑抜けになるのは己のせいなのだ。そしてそういう人間だったからこそ、淘汰されようとしているのだ。嫌なら死ぬまで足掻け。(2014/05/21)

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齋木 昭隆 三菱商事取締役・元外務次官