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潜在“脳力”:【1】脳は「入力」より「出力」で覚える

  • 池谷 裕二

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2008年4月7日(月)

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 勉強は教科書を復習するより問題を解くほうが効果的だ──。そんな論文が『サイエンス』誌の2008年2月15日号で報告された。

 米パデュー大学のカーピック博士の研究だ。より専門的に説明すれば「入力を繰り返すよりも、出力を繰り返すほうが、脳回路への情報の定着がよい」ということになる。カーピック博士はよく練られた実験デザインを活用して、この面白い事実を発見した。実験内容は次の通りだ。

 ワシントン大学の学生を多数集めて、スワヒリ語40個を暗記する試験を行う。adahama=名誉、farasi=馬、sumu=毒…といった具合に単語のペアを5秒ずつ提示して次々に覚えさせる。しかし、名門大学の学生とはいえ、40個を一回で覚えることはほぼ不可能である。そこで何度も繰り返して覚えてもらうのだが、この時、学生たちを4つのグループに分けて学習してもらった。

 1つ目のグループには40個を通しで学習させ、その後に40個すべてについて確認テストする。この学習とテストの組み合わせを、完璧に覚えるまで何度も繰り返す。2つ目のグループは、確認テストで思い出せなかった単語だけを選んで学習させる。ただし、確認テストでは毎回40個すべてを試験する。そして、テストで満点が取れるまで学習と試験を繰り返す。

 3つ目のグループはこの逆のパターンだ。覚えていない単語があったら、初めから40個すべてを学習してもらう。そして、先ほど覚えていなかった単語だけを確認テストする。そして、満点が取れるまで学習と試験を繰り返す。

 最後のグループは、学校の授業でしばしば使われるパターンである。確認テストで思い出せなかった単語だけを学習して、再確認テストでも先ほど覚えていなかったものだけを試験する。そして、再試験すべき単語がなくなるまで学習と試験を繰り返す。

 面白いことに、この4つのグループには習得の速さには差はなかった。実際、5回も学習と試験を繰り返すと、全員が40個すべてを覚えることができた。そこでカーピック博士は、1週間後に再テストを行うことにした。さて、成績はどうだったか。グループ1と2は約80点と好成績であったのに対し、グループ3と4はともに約35点しか取れなかった。

コメント11件コメント/レビュー

「入力よりも出力を重視 ── 脳はそうデザインされているらしい。」という締めくくり。「らしい」でいいんですか?「らしい」を「である」といえるように解明するのが脳科学者の仕事なのでは?日常感覚で分かっている当たり前のことを、もっともらしい実験データで裏付けようとしているだけで、物足りない。なぜそうかというとという脳科学の知見はないのか?たとえば、出力時のほうがニューロンを流れるインパルス量が多いとか、数値が高いとか…。 実験条件の説明も、わかりにくい。分かりやすく表現する努力、解明済みの事実で裏づける努力・工夫をしてほしい。人の書いたものを批判するのは簡単だが…。でも、「脳科学者が解明する」と銘打ったコラムなのだから、それ相応の責任があるはず。(2008/05/20)

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「入力よりも出力を重視 ── 脳はそうデザインされているらしい。」という締めくくり。「らしい」でいいんですか?「らしい」を「である」といえるように解明するのが脳科学者の仕事なのでは?日常感覚で分かっている当たり前のことを、もっともらしい実験データで裏付けようとしているだけで、物足りない。なぜそうかというとという脳科学の知見はないのか?たとえば、出力時のほうがニューロンを流れるインパルス量が多いとか、数値が高いとか…。 実験条件の説明も、わかりにくい。分かりやすく表現する努力、解明済みの事実で裏づける努力・工夫をしてほしい。人の書いたものを批判するのは簡単だが…。でも、「脳科学者が解明する」と銘打ったコラムなのだから、それ相応の責任があるはず。(2008/05/20)

やはり全内容を繰り返し覚えることが記憶に残るということが、理解出来ました。(2008/05/19)

40代後半になって資格試験をいくつも受験する機会があり思ったのですが、ご指摘のとおりテキストをマーカー引きながら読むより練習問題を解いている方が記憶に残るのが実感(実証?)できています。(2008/04/16)

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