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一敗地にまみれた“ECの雄”、因縁の「価格競争」に実店舗との連携で決別へ

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  • 2011年9月7日 水曜日
  • 中村 勇介

 メーカーや問屋から商品を仕入れて販売する小売り業は、競合と比較したとき商品に差異を付けづらく、総じて価格競争に巻き込まれやすい。とりわけネット業界では、価格比較サイトや、EC(電子商取引)モールの価格順の検索機能などによって、全国を対象とした複数の店舗間での価格比較が容易なため、より価格の下方圧力が強い。

 さらにここ数年で、「楽天ブックス」や「Amazon.co.jp」といった大手EC事業者を中心に送料無料化が進んでいる。これに真っ向から挑んでも、体力勝負となってしまいECサイトは疲弊してしまう。こうした価格競争からの脱却として1つの方向性を示すのが、釣具とアウトドア用品のECサイト「アウトドア&スポーツ ナチュラム」を子会社を通じて運営するミネルヴァ・ホールディングス(HD)だ。

 同社は6月に仏アウトドアメーカー大手のオキシレングループとの業務・資本提携し、オキシレンブランドの商品を日本で独占販売することで、価格競争からの脱却を目指す。提携を決めるきっかけとなったのは1つのテントだった。

EC黎明期に参入し、一世を風靡したが…

 同社の事業は、釣具メーカーのナカジマが小売り業として大阪に開店させたアウトドアショップから始まった。1996年、当時はまだ珍しかったECサイトを開設して、ネット通販事業に参入した。

 釣具とアウトドア用品の専門店としてのブランドをいち早く築き、他社より先行する。EC黎明期に上昇気流をつかみ、企業規模を拡大させた。

 その後、ナカジマから分社化して、「ナチュラム」が設立された。驚くべきは、それまで実店舗とECの併用だった形態から、実店舗をすべて閉鎖して、会社の資産を一気にネット通販へとシフトしたことだ。独自のブログシステムを構築して、顧客と交流する場を作り囲い込む。そんなマーケティング戦略もたくみに展開して、売り上げを伸ばしていった。

 自社サイトの開発や運営の知見を生かしながら、ECの支援事業にも乗り出す。そして、2007年にはヘラクレス市場(現ジャスダック市場)への上場を果たし、EC界のスタープレーヤーとなった。

 しかし、時代の寵児も、激しい価格競争やリーマンショックによる消費の低迷により、経営が徐々に厳しくなっていく。

 2005年、Amazon.co.jpがスポーツとアウトドア用品の販売に参入して、国内最大級のEC事業者が競合となった。ミネルヴァHDもそこに出店したが、手数料が取られるため利益率は自社サイトで販売するより悪い。また、以前は少なかった釣具やアウトドア用品を取り扱うECサイトの数も急激に増え、競争は激しさを増していった。

 追い討ちをかけたのがリーマン・ショックだ。消費者の生活防衛意識が高まり、釣具やアウトドア用品といった、趣味・嗜好品は真っ先に消費の抑制対象となった。ナチュラムにおいても高額商品が敬遠され、安価な商品への移行が目立ち利益率が悪化した。結果、2010年1月期のEC事業の営業利益は、前期比66%減の3084万円まで落ち込んだ。今年1月期には営業赤字に転落した。

EC大手を中心に送料無料化が加速

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