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会員カードをスマホアプリ化、購買履歴に応じたクーポンを配信する良品計画
【特集】スマートCRM最前線――「顧客に伝える」より「顧客を知る」ことこそスマホの価値(前編)

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  • 2013年6月20日 木曜日
  • 中村 勇介

 例えば、MUJI passportは、ニュースやクーポンを配信するページを用意している。そして、アプリ起動中でなくてもスマートフォンのホーム画面に情報を届けられるプッシュ通知機能を採用しており、メール以上にリアルタイムな情報配信が可能だ。

 アプリ利用者がプッシュ通知機能を停止したとしても、ポイントの確認や店舗での利用時に、配信した情報を目にする可能性は高い。ポイント付与と情報提供という両面を持った“ハイブリッド型”を実現できるのも、紙の会員証と比べたときのアプリの優位点だろう。

 では良品計画は、具体的にどのような顧客の利用動向を用いて、配信する情報をパーソナライズしていくのか。例えば、よく食品を購入するような顧客に対して、食品が割引になるクーポンを配信するといった、王道的な活用法は当然実施していく。

 優良顧客を優遇することも視野に入れる。最も優遇するのはMUJI Card利用者だ。同カードでは以前から、カードの購入額に応じて買い物に使えるポイントを提供してきた。わざわざMUJIブランドのクレジットカードを選ぶ人は、優良顧客と言えるだろう。クレジットカード番号をアプリに登録している会員には、ほかの会員よりも割引率が高い、あるいは利用期間の長いクーポンなどを提供する方針だ。

 「購買データから、エバンジェリスト(アンバサダー)の発見につながる可能性もある」と奥谷氏は言う。例えば、よく商品を購入して、積極的にクチコミを発信してくれる人。そんな人を見つけ出し、直接アプローチをして、アンバサダーに任命する。そんな展開も視野に入れる。

 また、先述した通り、MUJI passport利用者は、店舗やECサイトで商品を購入するとMUJIマイルというポイントがたまる。マイルは買い物をする以外にも、アプリ上でチェックイン(来店登録)することでもためられる。「来店情報は必ずしもSNSなどで共有してもらわなくて構わない。来店したという情報を得ることが重要だ」と奥谷氏。アプリ利用者ならチェックインした後の、レジ通過の有無も分かる。「購買前後の顧客時間を把握する」(奥谷氏)。そうして、購買に結びつけるための情報発信の参考情報にしていく。

顧客理解の道具としてのスマホ

 MUJI passport利用者は、購買単価が平均の2倍という高い数値を示しているという。優良顧客が先陣を切ってダウンロードしていると考えるのが自然だろう。利用者が増えるにつれ、購買単価は下がってくるのは間違いない。ただ、「(CRMを実施することで)平均購買単価より高い状態を維持することは可能だ」と奥谷氏は意気込む。

 パーソナライズされたクーポンの配信は秋口から取り組んでいく計画だ。「今は利用者を増やし、CRM施策に必要なデータをためている段階」と奥谷氏は言う。店舗での店員による声がけなどで利用者数を増やし、オフラインとオンラインの購買データをためながら、具体策のシナリオを練っていく。

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