トップページ国内企業インサイド

キュレーションメディア時代のコンテンツマーケティングとは
【特集】「まとめメディア」を味方につけよ(上編)

印刷する
  • 2014年6月23日 月曜日
  • 小林 直樹

提言集約メディア「BLOGOS」、まとめサイト「NAVERまとめ」、まとめニュースアプリ「Antenna」…、まとめ型メディアを生かす企業がコンテンツマーケティングを制す。

サイボウズのブログ「サイボウズ式」は、様々なメディアから記事の転載依頼が届き、自社サイトと合わせた総PVは月間20万に達する

 6月13日の夜、東京・六本木である勉強会が開かれた。テーマは「マネジメント視点で、PTAをけっこうラクにたのしくする!」。主催はサイボウズが運営する企業ブログ「サイボウズ式」だ。

 きっかけはサイボウズ式で3月17日に公開した記事「PTA会長は狂言師!──『イクメン』で『イキメン』な和泉元彌氏が挑む雰囲気のいいチーム運営の秘訣とは?」が大きな反響を呼んだこと。仕事で培ったリーダーシップやタイムマネジメントなどのスキルを生かしてPTA運営に積極的に関与し、楽しんで参加できるPTAに変えた経験者の熱いトークが繰り広げられた。自社製品・サービスを売り込むセミナーのイメージとは随分異なる。

 本特集はまず、サイボウズの異色の事例を通じて、コンテンツマーケティングの変化を紹介しよう。

コンテンツ提供編:他メディアを通じて情報を広げる

 チーム作りの応援に徹して自社製品のPRをほとんどしない勉強会は、サイボウズ式ブログの運営方針そのものでもある。サイボウズ式のキャッチフレーズは、「『新しい価値を生み出すチーム』のための、コラボレーションとITの情報サイト」。自社製品説明や顧客企業訪問記とは一線を画す。被災地で支援活動をする企業のチームワークを描いたり、在宅勤務に挑戦するワーキングマザーの奮闘記、上場して間もない話題の企業のランチ潜入記など、硬軟織り交ぜた構成だ。

 なぜ自社宣伝を控えるのか? 同社ビジネスマーケティング本部サイボウズLiveプロダクトマネージャーでサイボウズ式編集長を務める大槻幸夫氏は言う。

 「グループウエアは今やすっかり成熟市場になり、今までと同じやり方ではこれからの顧客を開拓できない。ITにあまり詳しくない、興味がない層に響くアプローチを検討した結果、チームワークをテーマに話題の企業や頑張っている部門にスポットを当てることで、『世界中のチームワークを向上する』という自社のミッションが伝わって信頼を得られるのではないか」。

記事で新しい働き方を提案

 サイボウズといえば、企業キャラクター「ボウズマン」を思い浮かべる人もいるだろう。グループウエアが普及初期の頃、まだ低かった同社の知名度を補う役割を果たした。プロダクトライフサイクルで考えた場合、「イノベーター」や「アーリーアダプター」は流行に敏感で自ら情報収集をして要不要を判断できる層であり、認知さえ取れれば導入検討の土俵に乗ることができたからだ。

 だが普及に弾みがつく「キャズム」を超え、対象者がITに関心の薄い一般層に移行していくと、細かな機能説明よりも、それによって何が変わるのか、問題が解決されるのかというユーザーにとっての「価値」に重点を置いて説明する必要がある。また先行者と比べるとその選択眼は保守的であるため、企業の信頼感も重要になる。

 そこでサイボウズ式では、機能説明よりも、情報共有でチームワークが高まる実例を描いて価値を伝えることにこだわり、新しい働き方を提案することで自社の信頼感を高めることを目指した。

 したがって想定読者は、企業の情報システム担当者にとどまらず、広く社会人一般を対象とし、会員登録は求めていない。より多くの人の目に留まるようにする施策を検討していた折、有識者の論説ブログで構成されるLINE(東京都渋谷区)の「BLOGOS」やザ・ハフィントン・ポスト・ジャパン(東京都千代田区)の「ハフィントンポスト」などのオピニオン系メディアからコンテンツ提供依頼の声がかかった。ほかにアイティメディアのビジネスニュースサイト「誠 Biz.ID」にも掲載。ネット媒体へのコンテンツ出しには積極的だ。誠 Biz.IDの記事は「Yahoo!ニュース」や「ライブドアニュース」にも転載されるため、広くリーチするようになった。

このエントリーをはてなブックマークに追加 ツイッターに投稿する Facebook mixiチェック

ログイン

記事をお読みになるには購読申し込み後に、ユーザーID、パスワードの登録が必要です。

登録・変更

最新号

  • 年間購読のご案内
  • カートに入れる
  • 編集部へのご意見、お問い合わせ

日経デジタルマーケティング

メールマガジンのお申し込み

日経デジタルマーケティングのサイトへ

本サイトは更新を終了しました

 「日経デジタルマーケティング」は2018年4月2日、「日経クロストレンド」に名称を変更しました。デジタルマーケティング関連の最新記事は日経クロストレンドでお読みください。

 本サイトは更新を終了し、19年3月31日に閉鎖する予定です。長い間のご利用、ありがとうございました。