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社員を全員「ノマドワーカー」にした会社

本社オフィスをなくして見えたもの

2012年7月27日(金)

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 今年初め、社内に「ノマド宣言」を発令。10月までに現在の拠点がある東京・飯田橋の本社オフィスを引き払い、役員及び全社員をノマドワーカーとする。コミュニケーションにはスマートフォンとパソコンを活用。会議は原則としてスカイプで実施する。どうしても対面での会議が必要な際に使える「東京コア」と呼ぶ打ち合わせ拠点だけを、社員の共有空間とする。

 先にも触れた通り、同社の主業務はソフトウエア開発であり、社員の大半を占めるエンジニアは、大半の作業をパソコンで完結できるという特徴があった。開発プロジェクトの進捗は、すべてクラウド上のグループウエアで管理できる体制も整備されており、ノマド化への移行を円滑に進められる下地はあった。

「オフィスの必要性はほとんど感じない」

 オフィスの退居を待たずに、一部の社員は既にノマドワーキングを始めている。移行を進めて分かったのは、「オフィスを構える必要性はほとんど感じない」という事実だった。「企業の登記など、法的な側面以外は、物理的に場所を固定しておく必然性はない」と高柳社長は断言する。

 一方で、オフィスをなくすことの恩恵は小さくない。まずは金銭面のメリット。従来のオフィス賃料は年間2000万円以上にのぼったが、これを小規模な打ち合わせ拠点に縮小したことで、4分の1程度に削減できる見込みだという。そのほか、社員の通勤費用なども実質的に減るため、費用削減効果はこれ以上になる。ノマド化のために投じた初期投資を勘案しても、長期的には大きなコスト削減につながる。

 ただ、それ以上に高柳社長が手応えを感じているのは、社員のワークスタイルの変化である。文字通り、時間と物理的な制約から解放され、各人のスタイルやペースに合わせて業務に就くようになった。例えば、ある社員は実家のある福島県に滞在し、そこを拠点にしながら、必要な時だけ上京して業務をする。また別の社員は、欧州を旅行しながら、週に数日、プロジェクトに関わるというスタイルを取っている。それまで時間の取れなかった育児に積極的に関われるようになった男性社員もいる。

 もともとの狙いが社員の働き方の改革だったが、「時間と場所の制約を外すだけで、これだけの効果があるとは」と、想像以上の結果に高柳社長も驚いている。

 長期でみれば、こうした自由な働き方を選択できる環境を提供することは、社員のロイヤリティを高められるようになる。先に紹介した欧州を旅する社員の例でいえば、一般の会社なら退職しなければ実現不可能だろう。自分のやりたい事に合わせて、仕事のスタイルを選択できるようになった結果、意欲ある優秀な人材をつなぎとめる効果も見え始めている。

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「社員を全員「ノマドワーカー」にした会社」の著者

蛯谷敏

蛯谷敏(えびたに・さとし)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション編集を経て、2006年から日経ビジネス記者。2012年9月から2014年3月まで日経ビジネスDigital編集長。2014年4月よりロンドン支局長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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