• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

雇用は守られるべきか?

【第4回】日本企業の変革と業績回復のスピードを抑える2つの壁

  • 名取 勝也

バックナンバー

[1/5ページ]

2012年9月12日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 前回では、日本企業のV字回復を難しくしている2つの制約のうち、内的制約すなわち社内の先輩経営者からの承継によって経営の権威が正当化されることからくる制約について触れた。本稿では、もう1つの制約である日本における硬直的な雇用制度について考えてみたい。

 多くの熱戦が繰り広げられたロンドンオリンピックが終わり、日本代表選手の中でも、いわゆる勝者(メダリスト)と敗者とが分かれる結果となった。その結果が良い意味でも悪い意味でも予想外だった選手もいれば、期待通りの結果をもたらした選手もいる。

 まさしくメダリストになれるだけの結果を出せたかどうか、という1点のみが称賛の分かれ目になっていると言えよう。もちろん、試合中の負傷にもかかわらず競技を続けようと必死にがんばった女子バドミントンの選手を始め、メダルを取れなくても称賛に値するような素晴らしいプレーを行った人たちも多くいたことは事実だ。

 ただ、一般的な傾向として「格差」や「優勝劣敗」を嫌う(強く求めない)日本人が、メダル獲得という結果に執着して、日本選手がそれを達成した時には大きな拍手を送り、逃した時にはとても悔しがる(あるいはそれを阻んだ他国選手を恨んだり憎んだりする)のが、オリンピックという機会であることは確かなようだ。

定年まで和を乱さずがんばればよかった日本型雇用

 これが、いわゆる一般の人たちの世界においてはどうか? 例えば、会社で働く多くのビジネス・パーソンたちについて、結果(のみ)によって厳しく評価する(される)といった実績主義・成果主義評価制度を受け入れているであろうか? おそらく評価する方もされる方も多くの人たちは、できればその様な方法は避けたい、避けてほしいと感じるのではないだろうか。オリンピックではあれだけメダルという結果(のみ)にこだわったのにもかかわらず、である。

 これが、日本企業の競争力の回復と向上を妨げていると私が考えている雇用制度の硬直性である。競争よりも協調(チームワーク)を重んじ、変化よりも経験(先例)を重視するスタイルだ。

 このスタイルは、「こうすれば勝てる(ゴールを達成できる)」という方向性が明確で、しかも今までやってきたことを少しずつ良くしていけばそれが可能となる状況においては、極めて効率的で効果的なやり方であろう。それは、もともと日本人がDNAとして保ってきた協調性とか継続的改善といった意識や価値観に合っているのかもしれない。そのおかげで日本は第二次大戦後に奇跡的な急回復と急成長を達成できたのであろう。

 企業においては雇用を守り(終身雇用)、経験者を中心に地道な改革を続けていく(年功序列)、といった制度がそれを支えてきた。結果や実績は、あくまでチーム(さらには会社全体)としてのものであり、個人の寄与部分は少ない、従って、人事評価も基本的には余り差をつけない、という考え方だ。定年まで、チーム・組織の一員として和を乱すことなく、他者と協力し合ってがんばってほしい、というのが雇用者側の願いであったし、被用者もそれを望んでいた。

コメント12件コメント/レビュー

既に成果主義制度の導入の際に、議論しつくされた感の記事です。また競争主義を崇拝するかのような論調も、既に古いと感じます。社会全体のシステムがどうなっているのかの議論を抜きに、短絡的に成果主義だけを理想の姿のように論じるのは危険です。弁護士の世界は違うのかもしれませんが、成果主義の表面的導入の結果、格差の拡大と非正規雇用を大量に排出したことは、既に自明のことです。そして、短期的な成果に結びつきにくい創造的思考の育成には、日本式雇用方式の方が有用かもしれないと、欧米がいい始めている時に、何故この議論なのか理解に苦しみます。(2012/09/12)

オススメ情報

「弁護士のミタ」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

既に成果主義制度の導入の際に、議論しつくされた感の記事です。また競争主義を崇拝するかのような論調も、既に古いと感じます。社会全体のシステムがどうなっているのかの議論を抜きに、短絡的に成果主義だけを理想の姿のように論じるのは危険です。弁護士の世界は違うのかもしれませんが、成果主義の表面的導入の結果、格差の拡大と非正規雇用を大量に排出したことは、既に自明のことです。そして、短期的な成果に結びつきにくい創造的思考の育成には、日本式雇用方式の方が有用かもしれないと、欧米がいい始めている時に、何故この議論なのか理解に苦しみます。(2012/09/12)

残念ながら筆者の書かれていることはずいぶん前に日本の多くの企業がこぞって真似した成果主義導入の際に論じられた内容そのものです。 欧米でも短期的な成果を重視する所謂アメとムチ式の成果主義は特にクリエイティブな仕事にはかえって逆効果さえあることに気が付いて、違う仕掛けで従業員のやる気を引き出して好業績を上げている先進企業の話や日本でも富士通ショックの話などは人事評価や報酬制度に少なからず関わっている人なら有名な話。もう少し勉強されてからご意見を述べられた方がよろしいかと思いますが。(2012/09/12)

名取氏の説にも一理ある。我々は既に「昔なじみの肉屋や八百屋」では買わず「安い店」や「ネット」で物を買っている。つまり「商品やサービス」の購入はもはや年功序列時代の「少し高くてもいつもの店で」ではなく、冷徹に「コストパフォーマンス至上主義」で店を選んでいるのだ。だから競争力のない企業は赤字や倒産となる。我々がもしも経営者に対して「社員を大切に、みんな仲良く横並びで協調性を重んじて仕事をさせる風土」を求めるのならば、消費行動も「安さや品質を求めず、いつもの店でいつもの国産ブランドの商品を買う」という行動を取るべきだろう。そうすれば日本全体として経済も雇用もある程度安定する。安くて良いものならば海外製品を選ぶという自分達の消費行動が経営者たちを「そうせざるを得ない」状況に追い込んでいるのである。一方で名取氏の策にも手放しでは賛成できない。大人から子供まで9割はまだ「終身安定」志向である。おそらく小学校教育から「新しい価値観」教育をしたり「親を教育」しなければ「経営者だけ」が価値観を変えても日本社会全体としては方向性は変わらない。「価値観を早く変えなければ沈没する」その意見には全く賛成だ。(2012/09/12)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

世界から優秀な人材を集めるためには、 世界の基準に合わせた働き方が必要だ。

西井 孝明 味の素社長