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報酬に金銭的価値はなくていい

  • 深田 浩嗣

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2013年2月21日(木)

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 これまでの2回の連載で、ゲーミフィケーションとは、顧客のロイヤリティーを高めるためにゲームの要素を駆使するマーケティング手法で、ゲームの世界と同様に実に複雑で多様さに富んでいることをご説明してきました。ただ、あえて一言で表現するならば、「ゲーミフィケーションとはリワード(報酬)を設計すること」なのではないかと私は考えています。

 リワードとは、ゲーミフィケーションの中でユーザーを動機づけるために与えられるものの総称で、消費者を動かす「燃料」のようなイメージがあります。「報酬」という訳語では想像しにくい抽象的な考え方を含むため、この連載では単にリワードと呼ぶことにします。

 ゲーミフィケーションにおけるリワードはその特性によって、以下の図のように3つに分類できます。

リワードは3つに分類される

 1つ目は「マネタリーリワード」と呼ばれる、金銭的な価値を伴うリワードです。割り引きやクーポン、景品などがこれに当たります。2つ目の「ソーシャルリワード」は、評判やステータスなど、無形ではあるものの、社会的な要素を伴うリワードです。3つ目は「インナーリワード」。文字通り、自己承認や自己実現など、内面的なリワードを指します。

 この3つのリワードは、消費者を動機づける効果において違いがあると考えられています。順をおってご説明しましょう。

マネタリーリワードには弊害も

 これまでの企業のマーケティング活動では、消費者に何らかの行動を起こしてもらおうと誘導する場合、まず初めに出てくるアイデアは金銭的な価値を持つ割引券やクーポン、懸賞などのマネタリーリワードが中心でした。ただし、近年のゲーミフィケーションの実例からは、マネタリーリワードには弊害もあることが明らかになりつつあります。

 よく知られているのが、レシピ検索サイトの事例です。国内のあるネット大手では、消費者がレシピ検索サイトに情報を投稿するたびに、自社のEC(電子商取引)サイトなどで使えるポイントを付与するサービスを取り入れています。金銭的な価値をもつポイントによって投稿を促そうとする、マネタリーリワードの一種です。

 現状を申し上げると、このネット大手のレシピ検索サイトは競合サイトに比べると利用が活発ではありません。ポイントの獲得がレシピを投稿する目的になってしまい、投稿の質が十分ではなくなっている可能性が考えられます。

 一方、金銭的な価値を持つ報酬を用意していないほかのレシピ検索サイトは、利用者を順調に伸ばしています。優れたレシピに読者の反応が集まる工夫が随所に凝らされており、投稿者を社会的あるいは内面的に動機づける仕組みが整っていることがその大きな理由と考えられています。

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