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駐韓米大使が爆弾発言「慰安婦問題は人権侵害だ」

米国にとって「歴史認識問題」は「現在の問題」

2014年3月14日(金)

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アメリカは「河野談話」の舞台裏を熟知

 この朴槿恵政権の寄って立つ根拠は韓国最高裁の判決にある。司法の最高機関に「対日要求しないのは憲法違反だ」と要求されれば、朴槿恵大統領でなくとも従うだろう。

 韓国のそうした「家庭の事情」に対して、アメリカが「外交の継続性に照らして考えると、これはおかしい」(米政府関係者)と考えても極めて当たり前の話だ。日韓の対立の主題が韓国内の行政と司法の関係であるならば、第三者であるアメリカ政府が云々言う筋合いではない。ましてや仲介役を買って出るわけにもいかない。

 こうした事実関係は、2007年4月3日、米議会調査局が公表したメモランダム、「Japanese Military's 'Comfort Women' System」(旧日本軍の『従軍慰安婦』制度)にも明確に記されている。「アジア女性平和基金の設置は日本政府による純粋な努力(a genuine effort by the Japanese government)の結果と言える。関係諸国のうち数カ国はすでにこれを受け入れている。同基金を巡る補償と要求の論争は主として法的主張とモラル上の主張とのせめぎあいだった。日本政府はサンフランシスコ講和条約および日韓基本条約で補償問題はすべて決着済みだと主張してきた。戦時中、日本政府および企業に強制労働させられた中国系、韓国系アメリカ人が起こした対日謝罪・補償要求訴訟(Joo vs. Japan)を、米連邦最高裁判決は2006年2月に却下している。この判決は日本政府の立場を強くしたものと見られる」。

 「宮沢書簡について、批判する者は元従軍慰安婦に対する的確な謝罪にはなっていないとしているが、どこがどう的確でないのか、その理由について詳細に指摘してはいない。一部では国会決議で謝罪を表明せよと主張しているが、こうした決議が全会一致で可決されることはまずありえないだろう」
("Japanese Military's 'Comfort Women' System," Larry Niksch, Memorandum, Congressional Research Service, 4/3/2007)

07年の時点で米国は日本の謝罪を評価していた

 このメモランダムは、こうした事実関係を踏まえた上で、(1)日本軍は朝鮮半島で直接的に従軍慰安婦を徴集していない、(2)日本はこれまでに謝罪や賠償努力を行ってきたし、これ以上の賠償を要求することには疑問がある――と結論付けていた。

 ところが安倍政権(第1期)が登場したことで、この結論がぐらつき始めた。時系列的に沿った説明が少し必要かもしれない。慰安婦問題に対するアメリカの理解と認識は、まさに安倍晋三首相の言動に大きく左右されているのだ。

<2007年3月>安倍首相(第1期政権)が「従軍慰安婦に関する旧日本軍の強制性を裏付ける証言は存在しない」「斡旋業者が事実上強制していたケースはある。広義の解釈では旧日本軍の強制性はあった」と発言した。

 この発言を受けて米政府や外部の外交専門家は「安倍は何を考えているのか」と危機感を抱いた。安倍首相はその後、「村山談話」「河野談話」を継承することを認めたが、在任1年で病気のため辞任。従軍慰安婦問題はそのまま沈静化した。上記のメモランダムはこのタイミングで公表されたものだった。

コメント16件コメント/レビュー

そろそろ日本はアメリカに対して従軍慰安婦問題をこれ以上論ずるなら、戦後の占領下GHQが利用した慰安所や朝鮮戦争時にアメリカの求めに応じて韓国政府が手配した慰安婦の件にも話を広げる旨、意思表示した方が良いと思います。さらにいえば大戦前後のあらゆる国の軍にいわゆる「従軍慰安婦」はたわけですし。(2014/03/14)

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「駐韓米大使が爆弾発言「慰安婦問題は人権侵害だ」」の著者

高濱 賛

高濱 賛(たかはま・たとう)

在米ジャーナリスト

米政治・経済・社会情勢を日本に発信している。1969年、米カリフォルニア大学卒業、読売新聞社に入社。米特派員、総理官邸・外務省担当キャップ、デスクを経て、調査研究本部主任研究員。98年からUCバークレー校上級研究員。同年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

そろそろ日本はアメリカに対して従軍慰安婦問題をこれ以上論ずるなら、戦後の占領下GHQが利用した慰安所や朝鮮戦争時にアメリカの求めに応じて韓国政府が手配した慰安婦の件にも話を広げる旨、意思表示した方が良いと思います。さらにいえば大戦前後のあらゆる国の軍にいわゆる「従軍慰安婦」はたわけですし。(2014/03/14)

駐韓米大使というから読みましたが、帰化しただけで中身は韓国人でした。帰化して国籍が変わっても韓国人の本質は変わらないので全く参考にならない記事でした。(2014/03/14)

このコラムも米国の無謬性の前提に立って書かれているようだが、最近の誤算続きのオバマ外交はそれが揺らいでいることを示している。読売新聞によれば先の米国上院の外交委員会では、駐ノルウェー大使に任命された人間が、ノルウェーが立憲君主制であることも知らず一度も訪れたことがないことが明らかになり、他の政治任命の大使候補も赴任地の基礎知識に欠けることが次々に露呈した。ケネディ大使の着任後の言動もこれと軌を一にするものであろう。そして政治任用には駐韓大使のように売名行為に勤しむ輩も紛れ込むだろう。混迷の原因は米国の外交能力の劣化にありはしないか。日本は米韓の反応に右顧左眄せず自らの軸足を固めるしかないのである。(2014/03/14)

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