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「外部の血」がイノベーションを生む

ベンチャー企業が示す“内なる国際化”の威力

  • 鷺森 弘,蛯谷 敏

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2009年1月13日(火)

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 社内の国籍は皆日本人、いわゆる純血主義へのこだわりが多い日本企業。だが、新しい価値やイノベーションは、均質な組織の中からは決して生まれない。いち早くその事実に気づいたベンチャー企業2社を紹介しよう。

 「率直に言うと人が足りなかったんです。外国人を受け入れることに抵抗感は全くなかった」

 1997年設立のデータセンター運用会社、クララオンライン(東京都江東区)の家本賢太郎社長は創業当初のことをこう振り返る。現在、約50人いる社員の3割強は外国人で、「内なる国際化」を果たしているが、意図してそうしたわけではないというのだ。

 創業時、家本氏の年齢は15歳。脳腫瘍の手術をして車いす生活を余儀なくされていた頃で、一念発起して起業したものの、無名の会社に集う日本人の若者はほとんどいなかった。ただ、身体障害を抱える身だったこともあり、「国籍、性別、年齢など外側で中身を判断できない。まじめな人なら誰でもいい」という信念があった。

頑張っている外国人社員の姿を見て、日本人社員が刺激を受ける

クララオンラインの家本賢太郎社長(左から2人目)。社員の外国人比率は3割を超える

クララオンラインの家本賢太郎社長(左から2人目)。社員の外国人比率は3割を超える

 実際、外国人と日本人が一緒に働く際には言葉の壁があるが、これは外国人本人の努力次第で何とでもなる。それよりも、異なった考え方や文化を背景に持つ社員同士が交じり合うことによるメリットの方が大きい。まず、「異国の地で頑張っている外国人社員の姿を日本人社員が見て、自分も頑張らないといけないと思う。これは本当にいい刺激になる」(家本社長)。

 興味深い効果もある。

 クリスマス休暇、年末の休暇、旧正月など、欧米人、日本人、中国人によって長期休暇を取るタイミングが違う。家本社長によると、社員全員が出社する期間が1年間で4分の3程度しかない。これが前提となっているので、休みが取りにくい雰囲気はない。逆に、社員が1人いなくても、ほかの社員がカバーして、うまく業務が進められるような組織やチームが出来上がっているという。

 こうしたオープンな風土が、優秀な外国人を引きつけるようになったが、苦労もある。ビザや住居の問題だ。5年前にビザの問題で優秀な韓国人エンジニアを採用できなかった。こうした苦い経験もあり、家本社長は「ビザの取得支援、上申書の作成などの支援は相当、力を入れてやっている」と強調する。

 クララオンラインは海外にも積極的に進出してきたが、その海外拠点でも多国籍化を進めている。2006年に買収したシンガポールの現地法人では、買収後に中国系の元セールスマネジャーを社長に据えた。この現法社長の考え方は家本社長と共通しており、今ではフィリピン人、インドネシア人、マレーシア人、ロシア人、中国人が働いているという。

 外国人の多さだけではない。クララオンラインでは、女性比率は4割前後に達し、障害者手帳を持っている社員は2人いる。極めてダイバーシティー(多様性)に富んだ社員構成となっている。家元社長は「日本人だろうが、外国人だろうが、男性だろうが、女性だろうが、個人の感覚や考え方はバラバラだ。アジアでナンバーワンになるという当社の目標にみんなのベクトルが合うことが大事なんです」と強調する。

 家本社長は18歳の頃に、自分の足で歩けるようになって、身体障害を克服した。車いす生活という経験があったからこそ、障害や性差、国籍に関係なく、一人ひとりが生き生きと働ける職場作りという理念が芽生えたとも言える。

コメント5件コメント/レビュー

「人手不足」という聞こえの良い言葉は、単に労働市場に適した待遇を提示していないということに過ぎない事が多い。そもそも日本のITにはグローバルに通用する革新的な技術は皆無であり、データセンタ運用も多くは革新的ではないルーティン業務の一つである。その中で、技術先進国からでなく発展途上国から技術者を輸入しているということは、単により過酷な条件での労働者に多少色をつけてひっぱっているだけにみえる。つまり、この記事の例はダイバシティでも何でもなく、単に賃下げを行っているだけではないのか。米国では移民労働者の給与は現地労働者の水準以上であること、という規制があるが、日本にもそういう規制はあるのだろうか。ダイバシティという言葉が恣意的に歪められて使われないことを望む。(2009/01/13)

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「人手不足」という聞こえの良い言葉は、単に労働市場に適した待遇を提示していないということに過ぎない事が多い。そもそも日本のITにはグローバルに通用する革新的な技術は皆無であり、データセンタ運用も多くは革新的ではないルーティン業務の一つである。その中で、技術先進国からでなく発展途上国から技術者を輸入しているということは、単により過酷な条件での労働者に多少色をつけてひっぱっているだけにみえる。つまり、この記事の例はダイバシティでも何でもなく、単に賃下げを行っているだけではないのか。米国では移民労働者の給与は現地労働者の水準以上であること、という規制があるが、日本にもそういう規制はあるのだろうか。ダイバシティという言葉が恣意的に歪められて使われないことを望む。(2009/01/13)

 おそらく、この企業には「新卒」や「内定」といった概念もないのでしょうね。既卒者であっても未経験であっても、会社のベクトルに合う人ならば採用するということでしょう。日本人の中でも「新卒」とそれ以外での差があり、この記事の例にとりあげられた企業のようなダイバーシティによって、それらが克服されることを期待しています。 加えて、求職者側も多様な人々を受け入れられるようになる必要があるでしょう。島国根性は小さくなれば村社会になり、会社が社会になりかねません。それは会社利益のためなら社会利益を阻害してもかまわないという意識を生みます。ぜひ、この記事を参考にした企業がたくさん出てくることを望みます。(2009/01/13)

これこそが“ダイバーシティ(なぜこのカタカナ語ではなく‘多様な’とは言えないのか、それも不思議だが)”な採用では?偏差値上位の私立文系(帰国組ならなおよし。稀に国立が混じる)女子を採用して、カタカナ名(しかも、今まで使用していない単語ならなおよし)の組織に所属させればよいというような主催者と採用される側(そして翌年からは主催者にまわる)の共犯で行われる茶番劇の様な“ダイバーシティ”マネジメントよりよほど本物かと思います。(2009/01/13)

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