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森 永輔(もり・えいすけ)

日経ビジネス副編集長

森 永輔

1990年早稲田大学政治経済学部卒業。同年、日経BP社に入社。日経コンピュータ、日経ウォッチャーIBM版などのIT雑誌で記者を務める。2003年にnikkeiBPnetに異動。取材テーマを政治・経済に拡大。
2008年から2年間、米Monterey Institute of International Studiesに留学し、日米中関係、北朝鮮の核問題、オバマ政権の核政策について学ぶ。国際政策学の修士を取得。帰国後、2010年から日経ビジネス副編集長。外交と安全保障の分野をカバー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

最近のトピックス

 久しぶりの休暇を利用してオランダとベルギーに行ってきました。オランダでの目的は、同国が生んだ静謐の画家、ヨハネス・フェルメールの作品を鑑ること。  美術館に足を運ぶと、ほかに誰も居ない30畳くらいの部屋にどこかで見たことのある絵が。。。なんらフィーチャされることなく、他の絵の中に埋もれるように飾られていました。そう、日本でも有名な「牛乳を注ぐ女」でした。次の鑑賞客が来たのはおよそ20分後。この名作を20分も独り占めすることができたのです。

 同じ美術館にオランダが生んだもう1人の巨人、光と影の画家、レンブラントの代表作も展示されていました。「夜警」です。画集などでは何度も鑑ていましが、縦3.6メートル×横4.3メートルの実物はものすごい迫力でした。かつてスペインで鑑た、ピカソのゲルニカにも決して劣らない。

 夜警は実はもっと大きかったのだそうです。美術館に収容するために絵の3方を少しずつ削った。このため、オリジナルの左端にいた数人が、現在の絵からは消えています。絵を削る--そんなことを想像したこともなかったのでびっくりしました。削られた部分は今はどこにあるのでしょう? 現存するのか? 燃やされてしまったのか? できることなら、次回は削られた部分も鑑てみたいものです。

混迷する朝鮮半島

「非核化は相互&段階的、半年で平和協定も」

2018年7月12日(木)

マイク・ポンペオ米国務長官が7月6日から訪朝。非核化をめぐる実質的な協議がいよいよ始まった。米外交コンサルタントのポール・ゴールドスタイン氏は「現実的な相互主義」が協議を進展させ、3~6カ月のうちに朝鮮戦争の平和協定に至る可能性があるとみる。
(聞き手 森 永輔)
ポンペオ国務長官は、これからどんな交渉手腕をみせるのか(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
 

非核化をめぐる米朝実務者協議はどのように展開していくでしょう。

ゴールドスタイン:非核化は現実的な相互主義に基づいてゆっくり進んでいくでしょう。相互主義が、非核化を前に進める方策なのです。相互に事を進め、信頼を醸成していくことが大事。

 金正恩(キム・ジョンウン)委員長には、ぜひ最初の一歩を踏み出してほしいと思います。最初の一歩は核兵器ではなくミサイルに関わるものになるのではないでしょうか。朝鮮戦争に参加した米軍兵士の遺骨返還も信頼醸成に結び付きます。米国は、北朝鮮が取った行動を受けて相応の行動を取っていく。

ポール・ゴールドスタイン氏
パシフィック・テック・ブリッジ社長兼CEO
1949年、米ニューヨークに生まれる。インディアナ州立大学で歴史と政治を学ぶ。政治専門誌エグゼクティブ・インテリジェンス・レビューの記者などを経て、1982年から政治・経済、インテリジェンスのコンサルタント。カウンターインテリジェンスや国家安全保障戦略が専門。(写真:加藤 康、以下同)

 非核化は米朝だけが進めるものではありません。多国間で進めるものです。冷戦期に米ソが進めたのは核「軍縮」で、これは米ソの2国間で実行できました。しかし、今回進めるのは完全な「非核化」です。これには関係国――米国と北朝鮮はもとより、日本、中国、韓国、ロシア――の合意が必要です。

 日本には日本の役割があります。同様に、中国には中国の、ロシアにはロシアの役割がある。それぞれの役割がどんなものになるのか、まだ決まっていませんが。ちなみに中国による圧力は金委員長の背中を押しました。中国が制裁に加わったからこそ、金委員長は完全な非核化に向けて米国と協議することになったのです。

 この一環で、米朝韓による3カ国協議や、中国を加えた4カ国協議が進展し、朝鮮戦争を終結させる平和協定が締結されると信じています。金委員長にとって平和協定の締結は重要です。体制保証の一部をなすものですから。

 安倍晋三首相が金委員長と会談することにもなるでしょう。

 ドナルド・トランプ米大統領は11月に行われる中間選挙の前に、有権者に対して成果を提示する必要があります。このことは、金委員長はもちろん、中国もロシアも知っていることです。だとして、中ロは非核化に協力するでしょうか。金委員長に対し非核化を遅らせるよう求めるかもしれません。もちろん金委員長がその影響を受けることなく行動するかもしれない。この点は、我々が今後解き明かさなければならない問題です。

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