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小山 昇(こやま・のぼる)

株式会社武蔵野 代表取締役社長

小山 昇

武蔵野社長。1948年山梨県生まれ。東京経済大学を卒業し、76年にダスキンの加盟店業務を手掛ける日本サービス・マーチャンダイザー株式会社(現在の武蔵野)に入社。89年に社長就任。赤字続きの「落ちこぼれ集団」だった武蔵野で経営改革を断行。2000年、10年と日本経営品質賞を2度受賞する優良企業に育てた。現在550社以上の経営を指導。著書に『小山昇の失敗は蜜の味 デキる社長の失敗術』(日経BP社)など。

◇主な著書
社長はなぜ、あなたを幹部にしないのか?』(日経BP) 2011
部下はなぜ、あなたをそんなに嫌うのか?』(日経BP) 2012
会社脳の鍛え方』(日経BP) 2013

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

小山昇の「こころ豊かで安全な経営とは何か」

部下は信じていい。でも部下の仕事は信用するな

2018年8月2日(木)

(写真=PIXTA)

5分おきに「きちんと仕事を遂行しなさい」の確認メールを届ける

 わが社には毎日、お客様からご要望が寄せられます。「追加注文をしたい」「見積もりに来てほしい」「契約を解除したい」などなど。電話を受けたオペレーターは即座に、お客様氏名・電話番号・住所・取引内容・ご要望を記したメールを現場の担当者に送り、対応を指示します。

 本稿をお読みのあなたの会社でも、同様の対応をしていることでしょう。お客様のご要望に対するスピード対応は、満足度を大きく引き上げます(わが社とて、お客様満足度向上のためのコストを惜しんだことはありません)。忘れてはならないのは「具体的な指示を確実に送ることができる」ことと「現場の担当者がその指示を確実に実行する」こととは別のもの、ということです。

 例えば、コールセンターからメッセージを送る。担当者がスマートフォンを見る。するとそこには「3丁目の広野様宅へ急行してください」とある。にもかかわらず行かない。だって面倒くさいし、それでなくても最近暑いし……。信じてはいただけないかもしれませんが、これが「落ちこぼれ集団」であるわが社のデフォルトの社員像です。そこで、担当者が指示をきちんと実行したかどうかをチェックする、新たな仕組みを構築しました。

 といっても理屈は簡単です。まず現場の担当者には、ただ「伝言あり。わが社の専用サイトにアクセスせよ」とだけ知らせます。現場の担当者が指示通りにアクセスすると、伝言内容や地図などが表示される。なおかつログイン履歴が残るので、現場の担当者が指示を確認した時間や、確実にメッセージが送信されたのかもチェックできる。「3丁目の広野様宅へ急行してください」と、なまじ具体的な指示を送ってはこういうことはできません。指示が「送り放し」になってしまう虞(おそ)れが排除できません。

 こうしてチェックが済んだ上で、なおも担当者から「仕事終了」の報告が上がってこないと、今度は本人およびその上司に5分おきに、同じ内容のメッセージを自動送信します。5分おきに胸ポケットに入ったスマートフォンが着信音とともに振動して、メッセージが送られてきたことを伝える。受け取る側からすれば「たまったもんじゃない」です。

 実際、これはもう効果抜群でした。現場の担当者は、コールセンターから連絡があるや即座に行動を開始するようになった。5分おきにメッセージが送られてくる面倒に耐えるよりは、素直に指示に従うほうがはるかに楽です。

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