河合 薫

河合 薫

健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士

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 「やりたい!っと思ったことは全部やる」「会いたい!っと思ったら会いに行く!」。これからはそうやって生きようと決めたのは、今年の初め。「十分好き勝手に生きてるでしょ?」と友人からはあきれられましたが、私なりに我慢したり、難しいなぁーっとためらっていたこともあったのであります。そこで今年は着々と『やりたいことリスト』消化中です。リストは、文化、社会、自然、人、暮らしの5分野に分かれていまして、先日は自然分野の「しまなみ海道自転車走破」を達成いたしました!

 朝一で松山に飛び、今治で自転車をレンタルしてスタート。渦潮に感動し、坂道をヘトヘトになりながら立ち漕ぎで乗り越え、下りは時速100キロ(かなり盛ってます)のジェットコースター。行き交う人たちは「こんにちは」とみーんな笑顔。サンセットビーチで夕陽を見て、生口島の旅館に宿泊。タコ、タコ、タコ、鯛、鯛、鯛の魚だらけの夕食に大満足。翌日も自転車漕ぎ漕ぎ、最後はフェリーで尾道へ。尾道ラーメンとお好み焼きで〆。広島空港から最終便で羽田へゴー。瀬戸内海の美しい島々と、温かい島の人たちと、おいしい食事に大満足ではありましたが、足はヘロヘロで、回復には3日ほどかかりました。 でって、遊びばかりではありません! 社会的活動もスタートさせます。次回はそちらもお話しできる状況になっていると思いますので、どうぞお楽しみに!

河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学 東京医大事件と「女医と患者の死亡率」のねじれ

ジェンダー・バイアスは組織の隅々まで

  • 2018年08月07日(火)
東京医大で女子の合格者数を抑えようとする得点操作が発覚した(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 今から5、6年ほど前だろうか。
 ある医療系学会の基調講演の講師に呼ばれた時、「女性医師が増えて困っている」とこっそりと教えてもらったことがある。

 「うちの教室(医局)には女性医師はいらない。入れないでくれ」と訴える先生も多く、困っている、と。

 「育児中の女性医師は常勤勤務から非常勤になるケースが多い。世間からはセレブな女医に見られるからプライドだけは高い。そういった面からも女性医師は嫌われてしまうんですよね。
 あとこれは昔からあることですが……女性医師というだけで差別をする男性医師がいるのは事実です」

 こう「嫌がられる理由」を話していた。

 であるからして、例の東京医大での、女子の合格者数を抑えようとする得点操作問題は残念だし憤りを覚えたが、さほど驚かない自分もいた。

 ただ、一部の報道では「緊急の手術が多く勤務体系が不規則な外科では、女性医師は敬遠されがち」「医師のブラックな現場がそもそもの問題」との意見が散見されたが、女性医師を嫌うのは外科だけでも、ブラックな現場だけでもない。

 だって冒頭の医師は、

 「早くから女性医師が働きやすい職場にしようと取り組んできた結果、女性医師が増え、逆に女医医師が嫌われることになってしまった」
と、頭を抱えていたのである。

 つまり、「女性医師」という存在そのものが面倒くさい存在だ、と。

 「女性医師というだけで差別する男性医師がいる」。この一言こそが問題の根っこに深く深く広がっていて、
「結婚や出産でやめてしまうから」
「育児で緊急時対応できないから」
「だから女性ではなく男性」
というのは言い訳でしかない。

 とどのつまり「女性医師」の存在そのものへの嫌悪感が「入口から排除しよう」と点数削減という動きに繋がったのだ、と個人的には理解している。

    著者プロフィール

    河合 薫

    河合 薫(かわい・かおる)

    健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士

    1988年、千葉大学教育学部を卒業後、全日本空輸に入社。気象予報士としてテレビ朝日系「ニュースステーション」などに出演。2004年、東京大学大学院医学系研究科修士課程修了、2007年博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。長岡技術科学大学非常勤講師、東京大学講師、早稲田大学非常勤講師などを務める。医療・健康に関する様々な学会に所属。

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