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梅本 優香里(うめもと・ゆかり)

アフリカビジネスパートナーズ代表パートナー

梅本 優香里

日本で唯一のアフリカビジネス支援に特化したアドバイザリーファームであるアフリカビジネスパートナーズを創業。日本企業への進出支援・事業開発や人材採用支援と現地アフリカ企業への投資を行う。ケニアに現地法人、エチオピア、ナイジェリア、コートジボワールに拠点を持ち、アフリカで事業展開する日本企業の動向をまとめた「アフリカビジネスに関わる日本企業リスト」を発行している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

歩けば見える リアル・アフリカ

アフリカ進出で「時差3時間の壁」を超える

2018年2月5日(月)

 30年後には世界の人口の2割をアフリカが占めるようになる。日本企業の好決算が見込まれる今、10年後、20年後の将来に向けて動く企業が増えるだろう。筆者の会社がまとめた「アフリカビジネスに関わる日本企業リスト(2017年版)」によると、現在アフリカで212社の日本企業が484の拠点を置いてビジネスを行っている。この数は毎年少しずつ増えており、日本企業がアフリカに設けた販売代理店の数は既に1500を超えている。リストに名を連ねる日本企業の顔ぶれをみると、各業界のリーディング企業が一通りアフリカ市場に手をつけていることが分かる。

アフリカに進出している日本企業の数(拠点数)(2017年6月時点)
出所:「アフリカビジネスに関わる日本企業リスト(2017年版)」、アフリカビジネスパートナーズ

 「日本の企業はアフリカビジネスに乗り遅れている」とよく言われる。民間企業に対しアフリカビジネスのサポートを行う筆者の会社には、日本以外の国の顧客もいるが、実際のところ、中国、インドや中東、それどころか旧宗主国といわれるイギリスやフランスでさえ、ほとんどの普通の企業はアフリカでのビジネスのやり方について正しい認識を持っていない。アフリカでの経験が長い一部の企業を除いては皆、手探りの段階なのだ。

 日本企業が情報量でそれほど劣っているとは思わない。ただし、アフリカは、企業が持っている経営力の差が如実に表れてしまう市場だ。どこの国の企業であっても、自国と違う事業環境を持つ国に進出して成功できているような企業は、アフリカでも同じようにうまくいくし、そうでない企業はうまくいかない。

 日本企業の場合、海外進出といっても、日本市場の延長線上にある東南アジアで日本企業に対して行う事業である場合が多く、「時差3時間の壁」を超えられていないのが現状だ。事業環境が日本に近い東南アジアや欧米の国だけでなく、時差2.5時間のミャンマーを超えて、インドや中東で成功できている企業ならば、アフリカで事業を行うのもそう難しいものではないだろう。

 将来に向けて新しい事業、新しい市場を開拓し、自国と違う事業環境でもビジネスができる組織となっていくために、アフリカ市場をどう活かせるのか。どのような事業領域に日本企業のチャンスがあり、どこに課題があるのか。「アフリカビジネスに関わる日本企業リスト」で紹介している進出企業の動向を交えて、4つの方向性を解説する。

【ポイント①】世界で戦う企業にとってアフリカ攻略は「待ったなし」

 世界では2017年も、飲料、食品、化学、塗料といった業界で大型買収が相次ぎ、シビアなパワーゲームが繰り広げられた。業界再編が進む中、世界の競争についていくことができている日本企業は、アフリカでの地位固めを急いでいる。

 たばこ売上高世界3位の日本たばこ産業(JT)は、人口1億人を抱えるエチオピアのたばこ公社を合計9億4400万ドルで子会社化した。塗料市場で世界トップ10圏内から上位を狙う関西ペイントは、11年に南アフリカの塗料大手を買収したのに続き、17年にはナイジェリアの塗料メーカーと合弁会社を設立し、ケニアのメーカーも買収した。世界トップ10に入る食品メーカーを目指す味の素は、アフリカの食品大手に資本・経営参加した。世界で戦う日本企業にとって、株価対策や買収防衛策としても、今後アフリカ企業への資本参加が、一つの選択肢になっていくだろう。

 ビール業界では16年に、世界首位のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ベルギー)が2位だったイギリスの旧SABミラーの大型買収に踏み切った。その狙いの一つは、SABミラーが複数国にわたって高いシェアを持っていた「アフリカ市場」を手に入れることだった。アンハイザー・ブッシュ・インベブは買収後、新たな醸造所の建設を含む、ナイジェリア、ザンビア、ガーナなどへの大型投資を発表している。

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