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吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

吉田 忠則

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

◇主な著書
見えざる隣人』(日本経済新聞出版社) 2009
農は甦る』(日本経済新聞出版社) 2012

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

ニッポン農業生き残りのヒント

畜産振興「エサは輸入」が招いた日本農業の危機

2018年12月14日(金)

 農業取材をやってきてずっと気になっていることがある。なぜ日本の製造業は国際競争力を持つことができたのに、農業は衰退の危機に瀕しているのかということだ。広い意味で、どちらも「生産」を柱とする産業なのに、両者の間にどうしてこれほど大きな差ができてしまったのか。

 一番手っ取り早い答えは、農業にかかわる人たちがサボってきたという結論だ。つまり、農水省も農林族も農協も農家も、農業の競争力強化に正面から取り組んでこなかった。こういう答えのバリエーションとして、農林族や農協だけ抜き出して、「彼らが戦犯だ」と批判するむきもある。

 本当にそうなのだろうか、というのが疑問の出発点だ。1つはっきりしているのは、日本は海外からふんだんに食料が輸入されていて、自給率は4割しかなく、しかも食品ロスが年に数百万トンに達する「飽食の国」ということだ。当然、農産物価格には恒常的に下方圧力がかかる。

 農業の収益性の低さはこれで説明できるが、問いはここで振り出しに戻る。なぜ日本の製造業は国際競争力を持てたのに、農業は外国産に勝つことができなかったのか――。もし、国際競争力をつけることができれば、自給率はこんなに下がることはなかった。やはり関係者がサボってきたのか。

 おそらく、この答えで満足する人が少なくないだろう。筆者も10年前に農業取材を始めたとき、漠然とそう考えていた。そして、この文脈でおわかりの通り、いまはそう短絡することができなくなっている。いくら強い農家が登場しても、農地の荒廃に歯止めがかからない現実があるからだ。

 日本の農政はなぜ、どこで間違ったのか。今後、どういう方向を目指すべきなのか。農林中金総合研究所の平沢明彦基礎研究部長に取材した。

「戦後農政の出発点はコメ不足」と指摘する農中総研の平沢明彦・基礎研究部長

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森 雅彦 DMG森精機社長