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川島 蓉子(かわしま・ようこ)

ifs未来研究所

川島 蓉子

1961年新潟生まれ。早稲田大学商学部卒業。文化服装学院マーチャンダイジング科修了。伊藤忠ファッションシステム入社。2013年から現職。ファッションという視点から、さまざまな分野の企業のブランド作りなどのプロジェクトにかかわる。ブレーン、読売新聞などで連載を持つ。

◇主な著書
川島プロジェクト』(文藝春秋) 2010
伊勢丹ストーリー戦略』(PHP研究所) 2012
エスプリ思考』(新潮社) 2013

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

『すいません、ほぼ日の経営。』を読む

「まじめに楽しく」が大きな成果を生む

2018年12月11日(火)

 糸井重里さんが主宰するウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」は今年で20周年を迎えた。コンテンツや商品の幅を広げ、さまざまなイベントも開催している。またほぼ日は、2017年3月には東京証券取引所のジャスダック市場に上場した。

 ほぼ日を率いる糸井さんは、事業、人、組織、上場、社長業について何を考え、どのように向き合ってきたのか。糸井さんに語ってもらった内容を一冊にまとめたのが書籍『すいません、ほぼ日の経営。』だ。

 本書の中にある糸井さんの言葉には本質的な考えが数多くちりばめられており、働き方や会社のありようだけにはとどまらない示唆に満ちていた。本連載では、糸井さんやほぼ日を知る人に、『すいません、ほぼ日の経営。』をどう読んだのか、そして企業としてのほぼ日や経営者としての糸井さんをどう見ているのかを聞いた。

 連載第3回に登場するのはグラフィックデザイナーの佐藤卓さん。明治おいしい牛乳、ニッカ・ピュアモルト、大正製薬のゼナ、ロッテのキシリトールなど、生活の身近にあるロングセラー商品をはじめ、さまざまなデザイン活動を続けている佐藤さん。実はほぼ日のロゴデザインをはじめ、手帳などの仕事も手掛けている。ほぼ日と糸井さんを長く見てきた佐藤さんはどのような印象を抱いているのか、話を聞いた(今回はその後編)。

 またツイッターなどのSNSで「#すいません経営」を付けて、本書の感想や印象に残ったフレーズをつぶやいていただければ、余すことなく著者の川島さんと糸井さんにお届けします。詳しくは特設サイト「すいません、ほぼ日の経営。を読む」をご覧ください。

グラフィックデザイナーの佐藤卓氏(撮影/鈴木愛子)

企業はどうしても収益を第一に考えがちですが、その点もほぼ日は独特ですね。

佐藤氏(以下、佐藤):ほとんどの企業が「収益第一」でやっている気がします。それが短期化するほど、目の前の数字を上げることが目的化してしまいます。だからこそ立ち止まって考えなければならないのが、今という時代なのだと思います。

 大きな意味で言えば、企業が存在する目的は何なのか、そもそもの存在意義はお金を稼ぐことだったのか。そこを改めて見直すことが求められている気がします。

 創業当初の理念や目的はお金を稼ぐことではなかったはずです。それが組織として動きだすと、いつの間にか前年比を上回ることが目的になってしまっている。四半期決算を忠実に守っていると、どうしてもお金を稼ぐことが目的化してしまうのだと思います。

 それは結果的に世の中を疲弊させてしまうし、人の心を貧しくしてしまうのではないでしょうか。

 経済が世の中を引っぱるのではなくて、文化が世の中を引っぱるという構造に変えていくことが大切なのだと思います。文化が方向を示して、経済が後からついてくるのが理想なのだと思います。

 自転車に例えれば、前輪が文化で後輪が経済といった関わりです。「前輪=文化」が進む方向を決めて、「後輪=経済」が走るためのエンジンになる。前輪と後輪、それぞれの意味ははっきりしていて、人が暮らしていくために必要不可欠なことなんです。

 文化と経済の関わりがそう変わっていけば、世の中はもう少し豊かになると思うのです。

 僕の勝手な見方ですが、ほぼ日のあり方はまさにこれを体現していると思います。「やさしく、つよく、おもしろく。」や「夢に手足を。」という言葉を掲げているのは、そういうことではないでしょうか。

その場合、デザインはどこに位置づけられるのですか。

佐藤:前輪と後輪をつなぐ役割です。自転車には、いくつか機能が付いていますよね。例えばギアの段階を調整することで坂道でもスムースに運転できるようになるし、子どもを後ろに乗せても安全にコントロールできたりする。そういう仕組みまで含めて考えるのがデザインの仕事だと思っています。

 つまり、デザインは車体であり、チェーンであり、すべてに及んでいる。デザインは特別な人や特定の部署が担う仕事ではなくて、すべての仕事に関わってくるはずです。

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