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野村浩子(のむら・ひろこ)

ジャーナリスト・淑徳大学教授

野村浩子

1962年生まれ。84年お茶の水女子大学文教育学部卒業。就職情報会社ユー・ピー・ユーを経て、88年、日経ホーム出版社発行のビジネスマン向け月刊誌「日経アントロポス」の創刊チームに加わる。95年「日経WOMAN」編集部に移り副編集長に、2003年1月から編集長。2006年12月、日本初の女性リーダー向け雑誌「日経EW」編集長に就任。2007年9月、日本経済新聞社、編集委員、2012年4月、「日経マネー」副編集長。2014年4月から淑徳大学人文学部表現学科長・教授。財政制度等審議会委員、日本ユネスコ国内委員会委員など各種委員も務める。著書に「女性に伝えたい 未来が変わる働き方」(KADOKAWA刊)、「働く女性の24時間」(日本経済新聞社刊)、「定年が見えてきた女性たちへ」(WAVE出版)。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

女性役員の「一皮むけた」経験

36歳で執行役員に。記者会見で修羅場を経験

2018年10月22日(月)

 日本における女性リーダーの育成は先進国のなかで大きく遅れをとっている。企業内でどのような経験を積んだ女性が、役員に就いているのか。どのような「一皮むける経験」がリーダーシップを育むことにつながったのか。キャリアの軌跡をつぶさに追うことで、企業内での女性リーダー育成のヒントを探る。

 第8回目は、36歳の若さで楽天執行役員となった河野奈保さん(41)。社内では「モバイルの河野」として知られ、モバイル事業を急成長させた実力者である。これまでの歩みを辿ってみよう。

河野 奈保(こうの・なほ)

 1976年生まれ。99年大学卒業後、人材派遣会社、ネット証券会社を経て、英国留学。2003年、楽天に入社。楽天市場事業で営業、マーケティング、編成を担当する。05年からはモバイル事業の責任者を務める。12年編成部副部長、13年5月執行役員に就く。女性としては最年少の役員となる。同年8月編成部長に就任。同年12月、楽天はジャスダックから東証一部に上場市場を変更。17年2月ECカンパニープレジデント、同年4月常務執行役員。18年7月組織改編に伴い、コマースカンパニーのシニアヴァイスプレジデントとなる。「ECマーケット動向」「女性の働き方」に関する講演も多数。

河野さんキャリアチャート

 36歳で女性として最年少役員に就いてから半年、思わぬ試練が河野奈保さん(41)を待ち受けていた。2013年秋、東北楽天イーグルスの日本一を受けてのECサイト「楽天市場」の優勝セールで、価格の不当表示の問題が持ち上がったのだ。

 楽天市場の担当執行役員だった河野さんは、楽天市場品質向上委員会の委員長に就いた。三木谷浩史社長が秋に記者会見を行い、翌年春、今度は河野さんも記者会見で矢面に立ち、居並ぶ記者を前に調査結果を報告した。

 問い合わせが殺到し、メディアからの批判を浴び、寝る間もなく対応に追われた。この間の記憶はほとんど飛んでいる。ただ、ひたすら考え続けたことだけは鮮明に覚えている。顧客をいかに守っていくか。失った信頼をどう回復するか。楽天は、いまやベンチャー企業ではない。多くの人の生活のインフラとなりつつある。その信頼を裏切ってはいけない。「攻める、攻める楽天」として走り続けてきた。しかし、攻めることと同じくらい、守ることも大切だ。そのバランスをとることが求められている――。こんな考えが頭の中を駆け巡った。

 会社の社会的責任を肌で感じることとなった。そして会社をもう一度成功させるという思いも沸き起こってきた。弱冠36歳にして、早くも経営者としての修羅場を経験することとなった。

楽天に入社した2003年当時は「親も友人も楽天のことを誰も知らなかった」。ところが東北楽天イーグルスの活躍でその名が知られることになる。開幕戦は球場に足を運んで観戦。勝利を報じた翌日の新聞は、嬉しくて今でも大切に手元においている

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包行 均 キャニコム会長