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野地 秩嘉(のじ・つねよし)

ノンフィクション作家

野地 秩嘉

1957年、東京生まれ。早稲田大学商学部卒。出版社勤務などを経てノンフィクション作家に。人物ルポルタージュ、ビジネス、食、芸術、海外文化など幅広い分野で執筆。『TOKYOオリンピック物語』でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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1月に新刊書籍『トヨタ物語』が発売になりました。

『トヨタ物語』外伝

「俺はトヨタマンだ」と威張るやつは許せん

2018年8月16日(木)

 トヨタ自動車の元技監、林南八氏は新刊『トヨタ物語』で紹介されたカイゼン指導の現場を振り返る。そして、「この本は中国でたくさん読まれる」と見る。南八流の読み解き方を『トヨタ物語』の著者・野地秩嘉氏が聞く。その前編。

命の恩人、林南八

野地:本書を読んだ方から手紙を預かってきました。お父さんが光洋精工(現 ジェイテクト)に勤めていて、林さんがカイゼンしたおかげで会社が倒産しなくて済んだ、と。お父さんは亡くなったそうですが、生前、「林さんは命の恩人だ」と毎日、林さんの写真を拝んでいたそうです。

:その方のこと、覚えてます。ええ、ちゃんと覚えてますよ。

林 南八(はやし・なんぱち)
1943年、東京都出身。66年、武蔵工大(現・東京都市大)卒業後、トヨタ自動車工業(現・トヨタ自動車)入社。生産調査部長などを経て01年、技監。09~11年、取締役。11年から再び技監、顧問を経てアドバイザーを務める

 あれは光洋精工の東京工場にカイゼンで入った時でした。僕はまだ生産調査部の係員だった。光洋精工は第二組合があってね、夜になると、僕の宿舎に40人ぐらい押しかけてきて、毎晩、つるし上げなんだよ。眠たいのに、ガーガーやられて。もう、あったまにきちゃってね。一度、窓を開けて怒鳴ったんだ。

 「俺だってトヨタでは組合員だ。この会社がつぶれそうだから助けに来たのに、つぶしたいんなら三日で帰る」

 そうしたら、静かになった。その後、抵抗していた人を巻き込んで、ガーッとカイゼンした後、いよいよ帰還命令が出たんですよ。帰る時、東京本社のトップが「おつかれさまでした」と立派な置時計をくれましたよ。そして、第二組合の抵抗した連中が、「これ」と、これまた立派な腕時計をくれた。僕は時間を気にしたくないから時計を持たずに仕事をしていたから、彼らは僕が腕時計を持っていないと思ったんだね。それで、彼らは腕時計を贈ってくれた。

野地:つまり、つぶれそうだった会社を再生させたのがトヨタ生産方式だった。今もつぶれそうな会社に指導に行くことはあるんですか。

:最近はないね。昔は赤字会社に放り込まれて、黒字になったら帰ってきていいと。むちゃくちゃな命令ですよ。何から何までひとりでやるんだから。

野地:トヨタ生産方式を入れると赤字が黒字に変わる。そのからくりをものすごく簡単に説明してください。

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