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池松 由香(いけまつ・ゆか)

日経ビジネス記者

池松 由香

北米毎日新聞社(米国サンフランシスコ)で5年間、記者を務めた後、帰国。日経E-BIZ、日経ベンチャー(現・日経トップリーダー)、日経ものづくりの記者を経て、2014年10月から日経ビジネス記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

企業研究

独ボッシュ、非上場を貫き通す理由

2018年6月27日(水)

世界最大の自動車部品メーカーである独ボッシュは自動車産業の歩みとともに発展してきた。売り上げ規模は年10兆円。これからの自動運転車の技術開発でも世界をリードする存在だ。そんな同社は今も非上場を貫く。資金力がモノをいう時代になっても独立性を守り続ける理由とは。

(日経ビジネス2018年4月23日号より転載)

ドイツ・シュツットガルトのメルセデス・ベンツ博物館の駐車場。レベル5の自動運転車両が走行する

 自動車産業130年あまりの歴史を伝えるメルセデス・ベンツ博物館は、ドイツ南西部の工業都市、シュツットガルトにある。観光客や地元のクルマ好きでにぎわう施設の駐車場は、平日でも満杯。その駐車場で3月中旬から、運転者が介在しない完全自動運転車の体験イベントが開かれていた。

 後部座席に乗り込んで、世界の自動車メーカーやIT(情報技術)企業が開発にしのぎを削る「レベル5」と呼ばれる完全自動運転車を体感できる。決められたルートを走行し、あらかじめ指定されたスペースに駐車するだけだが、一般歩行者やクルマが行き交う中でスルスルと無人走行する姿は見ものだ。

 イベントの主催者はメルセデス・ベンツのブランドを持つ独ダイムラーかと思いきや、同社と共同でレベル5の自動運転システムを開発する部品メーカーの独ボッシュだった。

 世界最大の自動車部品メーカーであるボッシュは、センサーや制御装置の半導体、クルマの基幹部品を制御するソフトウエアまで、自動運転に欠かせない幅広い要素技術を持つ。ダイムラーをはじめとする、世界の完成車メーカーが頼りにする存在である。

 創業は1886年。機械工として働いていたロバート・ボッシュ氏(1861〜1942年)がシュツットガルトに開いた小さな作業場が始まりだ。同時期にはカール・ベンツとゴットリープ・ダイムラー両氏がガソリンエンジンを搭載した自動車をシュツットガルト周辺で発明して、現在のダイムラーが誕生している。いわば、自動車産業の発祥の地で、ボッシュは脈々と歴史を築き上げてきた。

 同社には世界初の商品を送り出した例が少なくない。今では当たり前となった安全装置のABS(アンチロック・ブレーキ・システム)もボッシュから生まれた。「市場に新しい技術を投入し、競合がまだ少ないうちに先行者メリットを享受するのが同社の勝ちパターン」と、欧州コンサルティング会社、ローランド・ベルガーの貝瀬斉氏は指摘する。

トヨタに匹敵する研究開発費

 こうしたイノベーションを生み出すために、ボッシュは研究開発への支出を惜しまない。2016年の研究開発費は約70億ユーロ(約9000億円)。売上高の10%に相当する。金額だけを見れば、17年3月期にトヨタ自動車が費やした1兆375億円に迫る。

 フォルクマル・デナーCEO(最高経営責任者)は、「20年までに当社の製品(電動のもののみ)の全てをコネクテッドにする」と宣言しており、自動運転だけでも19年までに20億ユーロ(約2600億円)の売り上げを見込んでいる。

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