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パソコン操作を「再現」、RPAは救世主か

人口減少社会、生産性向上の切り札に

2018年7月12日(木)

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人間がパソコンでこなす事務作業を、ソフトウエアに代行させる「RPA」。「教え込んだ作業手順を再現する」という単純な仕組みだが、ここ数年で脚光を浴びるようになった。人口減少社会における新たな「労働力」として、日本企業の救世主となるか。

(日経ビジネス2018年5月7日号より転載)

 つい数秒前までパソコン画面に表示されていたブラウザーは姿を消し、代わりに表計算ソフトが登場。縦横無尽にマウスカーソルが動き、次々とデータが入力されていく──。

 ただしディスプレーの前に人間は座っていない。代わりに作業を遂行しているのは「仮想ロボット」だ。ロボットなので作業は正確で高速。夕方に疲れを訴えたり、急に辞表を提出したりすることもない。ロボットによる業務プロセスの自動化を意味する「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」を導入した企業では、日夜こんな光景が繰り広げられている。

 三井住友フィナンシャルグループはRPAで既に年40万時間分の作業を削減。サントリーホールディングスは社員の残業時間を5%減らす目標だ。東証1部上場企業のうち、10社に1社がRPAを導入しているとの推計もある。

 日本企業がRPAに殺到する理由は明確。働き方改革が叫ばれ、オフィスで働く社員の生産性向上に経営者が本気で取り組まざるを得なくなったからだ。企業のRPA導入を支援する伊藤忠テクノソリューションズRPA推進課の加悦良康氏は「社会的要請の高まりが普及の追い風になっている」と話す。

 人手をかけてきた単純作業をロボットに代行させれば、浮いた時間をもっと創造的な仕事に振り向けられる。人手不足が深刻化するなかで、RPAへの期待の大きさは計り知れない。

単純作業の繰り返しが得意

 RPAが具体的にどんな仕事を代行するのか。エアコンを販売する家電量販店が、配送業者に取り付け工事を依頼する業務を例に見ていこう。

 量販店は表計算ソフトの「エクセル」で顧客の個人情報などを管理している。一方で、配送業者に工事を委託するにあたって文書作成ソフトの「ワード」で個別工事の指示依頼書を作るとする。

 この作業を人手で進める場合、下の図のような流れになる。まずエクセルの「受付一覧表」と、ワードの「指示依頼書」を開く。2つの画面を並べてエクセル側から氏名や住所などをコピー。ワード側の所定の欄に、それぞれペーストしていく。業者を現地で迷わせないためには、配送先周辺の地図も添付したいところだ。量販店の担当者は地図サイトにアクセスし、住所を検索ウインドーに入力。表示された地図のスクリーンショットを撮影、画像をワードの指示依頼書に貼り付ける。

教え込んだ単純作業の「再現」が強み
●エアコン工事の指示依頼書を作る流れ
エクセル形式の受付一覧表をもとに、
ワード形式で顧客別の指示依頼書を作りたい
手動だと…… RPAを使うと……
エクセルの書類「受付一覧表」を開く
最初に教え込めば、高速かつ正確に単純作業を繰り返す
受付番号・名前・住所・工事希望日をコピー
ワード書類「指示依頼書」空欄のテンプレートを開く
受付番号・名前・住所・工事希望日をそれぞれペースト
ブラウザーで地図サイトにアクセス
コピー済みの住所を検索
スクリーンショットを撮影・コピー
「指示依頼書」の周辺地図の欄に貼り付け

コメント6件コメント/レビュー

「肉体的な事実行為が労働生産と同義である割合が大きい場合はRPAメリットを十分享受できない」という可能性は納得しやすい。しかし,その現業的仕事の主体が機械化又は機械的扱いを甘受する限りではRPAの効果は相対的に高くなる余地がある。たとえば昔の配達人は紙とボールペンしか持っていなかったが現在では「文書事務処理」の一部をリアルタイムで共有しているから将来的にRPAの恩恵を共有し得る。改善すべき「体質の問題」はRPAの効果を検討する以前の問題であり,RPA検討のスタートラインに立てない。これはメリットを享受できるかどうか自体の格差の問題だ。すでに生産性改善の上昇サイクルを期待し得る態勢に一応でも入っている組織ではRPAに取り組むだけの「余裕」を持つことができ,そうでない組織では「RPAのための新しい無駄な仕事」を増やしてしまう懸念があるというようなことだ。広義の「セキュリティ」などの管理面もあり不可視なソフト面のコストもある。機械よりも人間を信用した方がパフォーマンスが良いということはあり得る。RPAは「作業」の安定だが有機的な「業務」を安定させるとは限らない。救世主とは釣りだがRPAは釣ールにはなる(笑)。(2018/07/15 10:04)

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「パソコン操作を「再現」、RPAは救世主か」の著者

藤村 広平

藤村 広平(ふじむら・こうへい)

日経ビジネス記者

早稲田大学国際教養学部卒業、日本経済新聞社に入社。整理部勤務、総合商社インド拠点でのインターン研修などを経て、企業報道部で自動車業界を担当。2016年春から日経ビジネス編集部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

「肉体的な事実行為が労働生産と同義である割合が大きい場合はRPAメリットを十分享受できない」という可能性は納得しやすい。しかし,その現業的仕事の主体が機械化又は機械的扱いを甘受する限りではRPAの効果は相対的に高くなる余地がある。たとえば昔の配達人は紙とボールペンしか持っていなかったが現在では「文書事務処理」の一部をリアルタイムで共有しているから将来的にRPAの恩恵を共有し得る。改善すべき「体質の問題」はRPAの効果を検討する以前の問題であり,RPA検討のスタートラインに立てない。これはメリットを享受できるかどうか自体の格差の問題だ。すでに生産性改善の上昇サイクルを期待し得る態勢に一応でも入っている組織ではRPAに取り組むだけの「余裕」を持つことができ,そうでない組織では「RPAのための新しい無駄な仕事」を増やしてしまう懸念があるというようなことだ。広義の「セキュリティ」などの管理面もあり不可視なソフト面のコストもある。機械よりも人間を信用した方がパフォーマンスが良いということはあり得る。RPAは「作業」の安定だが有機的な「業務」を安定させるとは限らない。救世主とは釣りだがRPAは釣ールにはなる(笑)。(2018/07/15 10:04)

デモを見せてもらいましたが、決まりきった事務作業なら使えそうだけど、人間の判断が必要な業務はまだ無理な感じですね。買い切りじゃないので、延々ランニングコストがかかるのもネック。(2018/07/13 19:12)

入力作業だけをロボット化しても然程大したことにならない
トレーにいれたら自動でスキャンして記載内容をOCRかけて
ファイル名を内容に応じて変更して保存とかしてくれるなら・・・
使い道はあるかかももしれない(2018/07/12 16:33)

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