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司法制度改革は本当に不要なのか?

合格者抑制策でロースクールは崩壊寸前

2013年11月29日(金)

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 2001年に本格的に始まった司法制度改革では、法曹人口の大幅な増員を目指し、司法試験合格者年間3000人を掲げた。その改革を支える教育システムとして法科大学院(ロースクール)が導入されたのだが、それが今、崩壊の危機に直面している。「弁護士が多過ぎる」という声を受け、安倍晋三内閣が司法制度改革の看板を事実上、降ろしたからだ。本当に司法制度改革は不要なのだろうか。

 「弁護士の数が増えるのを恐れているのは既得権益の保持者なのです。行政官僚や政治家、司法官僚、それに弁護士の大半です」

 11月22日。「ロースクールと法曹の未来を語るセミナー」と題された会合で記念講演した新堂幸司・東京大学名誉教授はそう言い切った。

2001年に始まった司法制度改革は方向転換

 このセミナー、民事訴訟法の大家である新堂氏のほか、弁護士の久保利英明氏や岡田和樹氏、斎藤浩氏といった著名な法曹関係者の呼びかけで開かれた。彼らの主張は司法試験の合格者を増やして弁護士を増員すること。そのために法科大学院を強化することである。「合格者を減らせ」という一般的な法曹界の声とはまったく逆だった。

 「数が増え過ぎて、弁護士の質が落ちた」「司法試験に合格しても法律事務所に入れない人がたくさん出ている」

 そんな弁護士業界の一般的な声を受けて、政府は司法制度改革の見直しを進めてきた。安倍晋三内閣は7月16日に関係閣僚会議を開き、これまでの司法制度改革の計画を撤回することを了承した。司法試験合格者については年間3000人を目指すことを取り止め、法科大学院についても自主的な定員削減や統廃合を求めるとした。2001年に始まった司法制度改革は完全に方向転換されたのである。

 そんな改革の後退に危機感を持った法曹関係者が集まったのが冒頭のセミナーだったのである。

コメント2件コメント/レビュー

既得権の牙城は国民を指導する立場にあると思っている東京大学法学部出身者たちでしょ。官僚社会主義には自由競争は存在しないのです。(2013/11/29)

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「司法制度改革は本当に不要なのか?」の著者

磯山 友幸

磯山 友幸(いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

ジャーナリスト。1962年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞で証券部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め2011年3月末に独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

既得権の牙城は国民を指導する立場にあると思っている東京大学法学部出身者たちでしょ。官僚社会主義には自由競争は存在しないのです。(2013/11/29)

そもそもロースクールは、弁護士が少なすぎるので「卒業したら全員弁護士」を目指して設立を計画していたというおぼろげな記憶があります。しかし、実際にロースクールが開設されてみたら、卒業後に司法試験を受ける予備校化していました。しかも司法試験制度は運転免許と異なり、能力があるかどうかではなく、定員枠内での上位入賞ができるかどうかという大学入試と同じ状況のままです。●弁護士法第3条第2項の規定から、弁護士は弁理士や税理士として開業することも可能ですが、税理士は運転免許同様に試験の点数が良ければ誰でも、年度によって異なる人数が合格しています。そんな税理士が「多すぎる」と業界から試験制度にクレームが出ているでしょうか。弁護士業界も、既得権益であるといえましょう。(2013/11/29)

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