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EU温室効果ガス40%削減案の真実

経済成長と環境は一本化されたのか

2014年2月17日(月)

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 今年1月、EU委員会は、2030年時点の温室効果ガス削減目標値を提案した。同時に再生可能エネルギー普及目標、省エネ対策に関する考え方、排出権市場の刷新案などについても公表した。今回は、この提案について解説する。

温暖化対策パッケージ案の概要

 EU委員会は、1月22日に世界の先陣を切って、2020年以降の温室効果ガス(GHG:Green House Gas)削減目標案について明らかにした(資料1)。

資料1.EU委員会の2030年温暖化防止目標発表
左からオッティンガー・エネルギ-委員、バローゾ委員長、ヘデガード気象委員(出所:EU委員会)

 域内の排出枠について「2030年は1990年対比で40%削減する」ことを提案。同時に、「エネルギー消費に対する再生可能エネルギー比率は最低27%とするが国別の目標値は定めない」「省エネは進捗が鈍い現行の指令を点検した後に検討」「CO2削減のための主要な手段として機能するように欧州域内排出権取引制度(EU-ETS)を再構築する――などの提案を行った(資料2)。

資料2.EU委員会の2030年温暖化防止対策案
項目2030年目標現状など
GHG削減率40%18%(2012)
再エネ普及率最低27%(電力は45%)12.7%(2012)
電力は21%(現状)
省エネ後期に検討節約率:5.2%(2011/2005)
再エネ燃料 4.7%(2010)
EU-ETS刷新市場安定化準備の導入
削減率:2.20%/年
 (2021~)
排出権価格€35
排出権が余る
削減率:1.74%/年
 (~2020)
排出権価格€5(現状)
投資と効果年平均投資額€380億
燃料費節約でほぼ相殺
雇用効果
エネルギ-コストの増大
今後のスケジュール2014/3下旬に欧州理事会
次期サミット迄に取纏め
2015年パリサミットで正式決定
(出所)EU委員会資料等を基に作成

 EUの現行の排出削減目標は、2007年に策定された「2020年までに20%削減」である。「再エネ比率20%」「省エネ達成率20%」と合わせた「トリプル20」がパッケージとなっており、国ごとにブレークダウンされている。新しい目標は、現行目標に比べて厳しいのか緩いのか、一見したところ判断は難しい。

 40%削減は、インパクトはある。一方で、40%達成のために不可欠な施策であるはずの再エネはトーンダウンしており、省エネにいたっては縛りのある数字は出ていない。排出削減に目標を一本化し、実現手段として排出権取引に依存する形だ。人為的な制度設計である排出権取引に信頼性はあるのか、との疑問も生じる。

コメント2件コメント/レビュー

人間不信などと大言壮語は慎もう。しかし昨今、本当のところ人間の拠り所って何?と自問。一人間の一生涯って言ってみても、たかだか◯◯年、とすれば口では次代の、次世代の、果ては次代を担う若者に云々と大壮な言葉が並べられるが、私も含めて、手前が良ければそれで良しではないか。エネルギーについて筆者の記事に目がさめる。こういった話はもっともっと伝え、つなげるよう努力されねばならない筈のものだと思う。あるから、つくれたから、こんなものもいろいろまだまだ一杯生み出せる―だからいい、ではない。手にしたから、そこにあるから野放図に使うのではなく、存在は識ったが使わないと言う選択や知見もあっていい筈だが如何。(2014/02/17)

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「EU温室効果ガス40%削減案の真実」の著者

山家 公雄

山家 公雄(やまか・きみお)

エネルギー戦略研究所所長

日本政策投資銀行でエネルギー、環境などの融資・調査を担当。2009年からエネルギー戦略研究所で再生可能エネルギ-、スマートグリッドなどを研究。中立的なエネルギー・シンクタンクを心がけている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

人間不信などと大言壮語は慎もう。しかし昨今、本当のところ人間の拠り所って何?と自問。一人間の一生涯って言ってみても、たかだか◯◯年、とすれば口では次代の、次世代の、果ては次代を担う若者に云々と大壮な言葉が並べられるが、私も含めて、手前が良ければそれで良しではないか。エネルギーについて筆者の記事に目がさめる。こういった話はもっともっと伝え、つなげるよう努力されねばならない筈のものだと思う。あるから、つくれたから、こんなものもいろいろまだまだ一杯生み出せる―だからいい、ではない。手にしたから、そこにあるから野放図に使うのではなく、存在は識ったが使わないと言う選択や知見もあっていい筈だが如何。(2014/02/17)

本当に地球温暖化を防止したいなら、国別で人口当たりの排出量を算出して、どこまで下げるかを討議すべき。中国と米国の数字を下げなければ、他は枝葉末節に過ぎない。(2014/02/17)

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