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“モノを買うよりも貯金せよ”と教える真意

ジョシュア・マーゴリス教授に聞く(2)

2014年12月4日(木)

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写真提供:ハーバードビジネススクール水田早枝子氏
ジョシュア・マーゴリス
ハーバードビジネススクール教授。同校クリステンセン教育センター主任教授。専門は経営管理と組織行動。リーダーシップと企業倫理を中心に研究。MBAプログラムにて必修科目「リーダーシップと組織行動」「リーダーシップと企業倫理」、「フィールド」、選択科目「真のリーダーシップ開発」を教える。学生が選ぶ最高の教授賞など、受賞多数。著書に“People and Profits?: The Search for A Link Between A Company's Social and Financial Performance”(Psychology Press)

 ハーバードでリーダーシップを教えて14年。ジョシュア・マーゴリス教授は、ケースメソッドのプロフェッショナルである。ケースメソッドとは、通常の講義形式とは全く異なるハーバード独自の教授法。学生の議論だけで授業が進行し、教授はファシリテーターに徹する。ハーバードの教授陣の中でもマーゴリス教授はケースメソッドの達人と言われ、学生からは「議論を展開させるのが抜群にうまい」と評されている。
 教育者として名高い教授に、ハーバードのケースメソッド、カリキュラムの改革、そしてリーダーとしての行動規範などについて聞いた。

(2014年6月26日 ハーバードビジネススクールにてインタビュー)

女性リーダーの妊娠を議論する

佐藤:先生は「リーダーシップと組織行動」を教えていますが、授業で誰のケースを取り上げるかというのはどういう基準で決めているのですか?

マーゴリス:人格、能力、様々な面でロールモデルになるリーダーを授業で取り上げようと思っています。たとえば、圧倒的に難しいことを成し遂げたリーダー。問題を抱えた組織を再生しドラマチックに変革したリーダー。それから、倫理的なジレンマに陥っても、驚くべきインテグリティで組織を正しく導いたリーダー。

ケースの主役となるリーダーの職位も偏らないようにしています。ビジネススクールを卒業したてのマネジャーから、部門長、CEOまで、様々な職位のリーダーを取り上げます。

佐藤智恵(聞き手)1970年兵庫県生まれ。1992年東京大学教養学部卒業後、NHK入局。報道番組や音楽番組のディレクターとして7年間勤務した後、退局。2000年1月米コロンビア大学経営大学院留学、翌年5月MBA(経営学修士)取得。ボストンコンサルティンググループ、外資系テレビ局などを経て、2012年より作家/コンサルタントとして独立。2004年よりコロンビア大学経営大学院の入学面接官。ウェブサイトはこちら

佐藤:私はエンターテインメント業界出身なので、子ども向けテレビチャンネル、ニコロデオンの元ジェネラルマネージャー、タラン・スワンの事例に興味を持ちました。彼女は、同社のラテンアメリカ進出を成功させた立役者ですが、彼女の事例をとりあげたのはなぜでしょうか?

マーゴリス:2つ理由があります。1つは、スワンのリーダーシップスタイルがとてもユニークだったこと。彼女は「この難局を乗り切れるようなチームをつくるにはどうしたらいいか」と考えた末に、部下を信頼して、どんどん管理職レベルの仕事をまかせることにしました。自分の役割を「社長のメンタリティーや考え方を植え付けること」と位置づけ、業務の権限委譲をすすめたのです。その結果、自分がいなくても主体的に仕事をしてくれるチームが出来上がりました。

 もう1つは、タラン・スワンは、新興国進出を先頭にたって実現した人だったこと。とても限られたリソースでラテンアメリカへの進出を成功させました。新興国への進出は、先進国に本社を置くグローバル企業が長年取り組んでいることですから、この事例はとても興味深いと思いました。

佐藤:授業では女性リーダーの生き方についても議論したそうですね。

マーゴリス:スワンは、若いうちに難局に直面し、見事に乗り切った女性リーダーのロールモデルですからね。

 実はリンダ・ヒル教授がちょうど教材を執筆している最中に、スワンから妊娠したと報告がありました。そこでヒル教授はこう聞いたのです。「あなたのストーリーをどうやって終わらせるか、2つ選択肢があるわよ。1つは、妊娠したことに全く触れない、そしてもう1つが、妊娠してその後どうなったかも正直に書く」。

 するとスワンはこう言いました。「先生、ぜひ妊娠したことを書いてください。ハーバードの学生だったときに、プライベートも含めて、リーダーの人生そのものを360度から伝えるケースがあってもいいのに思っていました。思うようにいかないのもまた人生なのだ、ビジネスの世界に生きるとはこういうことなのだ、ということを学生に知っていただきたいです」

佐藤:その後、母体が危なくなって、志半ばでラテンアメリカ進出本部のあるマイアミを離れて、ニューヨークに戻りますものね。教材を読んで、それもまた人生だなと思いました。現在はニューヨークでベンチャー企業のCEOとして活躍されていますが、部下を信頼しきるリーダーシップは変えていないでしょうね。

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「“モノを買うよりも貯金せよ”と教える真意」の著者

佐藤 智恵

佐藤 智恵(さとう・ちえ)

作家/コラムニスト/コンサルタント

1992年東京大学教養学部卒。NHKにて番組ディレクターを務めた後、2000年1月米コロンビア大学経営大学院留学、翌年5月MBA取得。ボストンコンサルティング、外資系テレビ局などを経て2012年独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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