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進む資金繰り革命、フィンテックで中小企業救え

動きが鈍い既存の金融機関

2018年9月3日(月)

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中小企業にとって、資金繰りは昔も今も会社の存続に関わる最大の悩みだ。その悩みを金融とITを融合したフィンテックで解決しようという新たなビジネスが続々と立ち上がっている。より安く、より早く──。広がる資金繰り革命の最前線を追う。

(日経ビジネス2018年7月2日号より転載)

切断した鋼材の出荷作業に忙しい奥澤産業の本社工場(千葉県浦安市の鉄鋼団地)。フィンテックの活用で資金繰りを改善した(写真=北山 宏一)

 「資金繰りも、そして精神的にも相当楽になりましたよ」。鋼材流通業者が集まる千葉県浦安市の鉄鋼団地。その一角にある昭和7年(1932年)創業の奥澤産業の奥澤公明社長が朗らかに笑う。社長の負担を軽くしたのは、昨年末に同社が導入した最新の資金繰り向上手法だ。その名も「サプライチェーン・ファイナンス」。「研修など人に投資する余裕ができたうえ、億円単位のお金をびくびくしながら持ち運ばなくてもよくなりました」

奥澤産業では煩わしい手形の管理業務が減った。負担が減って笑顔の女性社員と奥澤社長(写真=北山 宏一)

 新手法を説明する前に、奥澤社長を「びくびく」させていたこれまでの「資金繰り」についておさらいしておこう。

 鋼材流通業界の取引では日本で古くから根付いている「手形取引」を使うケースがいまだ多い。手形は後日、お金を支払うことを約束した有価証券だが、受け取った側は換金できるまでに通常数カ月かかる。

 資金繰りがただでさえ厳しい中小企業にとってはなかなかつらい。だから中小企業は現金が必要になると銀行に手形を持ち込んで、額面より安く買い取ってもらう場合が少なくない。いわゆる手形割引(事実上の融資)である。

 手形を持つ企業が最も恐れるのは、換金前に手形を出した取引先が破綻すること。こうなると手形はただの紙切れだ。奥澤社長も1億円の手形が紙くずになった経験を持つ。支払う側は支出を遅らせるメリットがあるが、受け取る側はリスクを抱えるのが手形だ。

 では、奥澤産業が導入したサプライチェーン・ファイナンスとはどんな仕組みで、手形とは何が違うのだろうか。

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「進む資金繰り革命、フィンテックで中小企業救え」の著者

奥 貴史

奥 貴史(おく・たかし)

日経ビジネス記者

2002年、日本経済新聞社に入社し証券部、名古屋編集部などで勤務。M&A取材を主に手掛ける。2018年4月から日経ビジネス記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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